画面は常時オンのほうが好きだという人、血中酸素や心拍リズムの測定に興味がある人、チタニウム、ステンレススチールなどの仕上げを選びたい人には「Apple Watch Series 6」がおすすめ。
「Apple Watch Series 6」は(ケースの色や素材を変えないかぎり)「Apple Watch SE」とほぼ同じ見た目です。違いは画面を常時オンに設定できることや、血中酸素センサーを搭載していること、ECG(心電図)機能で心拍リズムを測定できること、不整脈を知らせてくれることなどがあります。アプリの起動や実行スピードは若干速いですが、その差は気づくほどではありません。チタニウム、ステンレススチール製の見た目や肌触りが良いという人には「Apple Watch Series 6」一択になりそうです。
スクリーンは最も高いモデルと同じサイズで、さまざまな作業をするうえで十分なスピードがあるのも魅力です。「Apple Watch SE」にないものをあげるとすれば、ディスプレイの常時表示、血中酸素濃度のモニタリング、心電図などの機能。もし、少し予算を上げてでもこうしたウェルネス系の機能を使いたい人は「Apple Watch Series 6」のほうが向いているかもしれません。
また、昔買ったApple Watchから買い替えたいと考えている人(特に「Apple Watch Series 3」よりも前のモデルを使っている場合)は、「Apple Watch SE」は確実なアップグレードとなりそうです。一方で、「Apple Watch Series 4/5」ユーザーにとって「Apple Watch SE」に買い換えることは実質ダウングレードになるのでもうちょっと待つのが賢明かもしれません。
実は、上述した機能の違いを除けば「Apple Watch SE」と「Apple Watch Series 6」は中身も外見もほぼ同じ。サイズは同じ2種類(40mm、44mm)で、反応スピードもほぼ変わりません。サイズが38mm、42mmの「Apple Watch Series 3」と比べると大きく、ディスプレイ部分はボディの端まで広がっているのがわかります。画面は大きくなりましたが、本体の幅はあまり変わらず、厚さに関しては0.7mm薄くなっています。こうした数mm単位の差は、ウェアラブルデバイスでは結構大きな違いに感じることもあるはずです。
特にサイズの違いは明らかで、たとえば、40mmの「Apple Watch SE」は、42mmの「Apple Watch Series 3」よりも画面が大きくなっています。これにより文字サイズやアプリの情報量、ボタンの押しやすさなどが改善されていて、全体的に使いやすくなっているのがわかります。角も画面の形状に合わせて丸くなっているので、見た目の印象も変わります。
パフォーマンスに関していえば「Apple Watch SE」に搭載されているパワフルなS5デュアルコアSiPプロセッサのおかげで、旧モデルよりもサクサク動いてくれます。これは「Apple Watch Series 3」と比べると約2倍のスピード感だとか。その差は顕著なもので、Wirecutter調査ではアプリを開くのにかかる時間が大幅に早くなり、スクロール時に発生していた遅延もなくなったのを確認しています。また、ネット環境の調子が良い場合にはSiriもほぼ即答してくれます。
バンド部分の取り外しは、ボタンひとつで簡単にできる。Photo: Michael Murtaugh
「Apple Watch Series 6」にあるディスプレイの常時表示は、どうしても必要な機能というわけではありません。たとえば今回初めてスマートウォッチを使う人や、いままで同様の機能を使ったことががない人はあまり気にならないかもしれません。血中酸素センサーも同様で、便利な機能であることは間違いないですが、必須とまでは言い切れないでしょう。ちなみに、この機能はFDA認証を受けていません。ただ、ECG(心電図)については、不整脈がわかる可能性があれば、それは少し予算を上げてでも手に入れる価値があるはずです。そういう意味では、もし心臓系の疾患を抱えている人や不安がある人は「Apple Watch Series 6」を検討したほうが良いかもしれません。
Apple WatchのSiriでは、メッセージの送信、リマインダーの作成、アプリの起動、最新のスポーツ試合結果の表示、道順の確認などができるようになっています。「Apple Watch Series 3」以前のモデルと比べると「Apple Watch SE」のSiriのほうが正確に聞き取ってくれて反応が素早く、「Apple Watch Series 4」、「Apple Watch Series 5」とも同等のスピード感でした。手首を上げるだけで反応してくれる機能は、反応が得られるときは良いのですが、反応が芳しくない場合もあります。
同じサイズの「Apple Watch SE」とあまり見分けがつかない「Apple Watch Series 6」ですが、見分けるポイントは、色と素材です。
ディスプレイの常時表示は、わざわざ手首を上げてスリープを解除する必要がないのが魅力。じつは初代Apple Watchが登場したときから望まれていた機能でもあります。この機能が最初に導入された「Apple Watch Series 5」と比較すると、「Apple Watch Series 6」のパッシブモードは少し明るく、太陽の下でも読みやすいのがポイントです。また、ワークアウト中に画面をタップしなくても心拍数や距離などのステータスを確認することができます。ちなみにアクティブに使用していないときには通知が表示されないようになっていて、カレンダーのイベント、メッセージなどのプライベートな情報は表示するかどうか選択できるようになっています。
Gif: Michael Murtaugh
「Apple Watch Series 6」のユニークな血中酸素センサーは、LEDとフォトダイオードで構成されていて、反射する光の量を測定して血液の色を計算。そこから酸素飽和度を算出しているとのこと。通常は95〜99%のレベルが良好とされています。一応知っておきたいのは、FDA(米国食品医薬品局)の認可を受けていないため、血中酸素濃度の情報を使って何ができるのか、どれくらい正確なのかは明示しづらいところがあります。
「Apple Watch Series 6」の背面には、再設計されたセンサーが。Photo: Michael Murtaugh
「Apple Watch SE」はアルミニウムの本体に3色のカラー展開でしたが、「Apple Watch Series 6」はさまざまな種類の素材があって、アルミニウム製だとグレー、シルバー、ゴールドのほかにブルー、そして「(PRODUCT)RED」が用意されています。さらに税込8万5580円からのバージョンでは、ステンレススチール製ケースでグラファイト、シルバー、ゴールドの3色から選べます。もう少し価格を上げると色の選択肢も増えますが、いずれにしても機能面に差はありません。
Appleによると「Apple Watch Series 6」のS6プロセッサは「Apple Watch SE」のS5と比べて20%高速だと宣伝しています。とはいえ、S5も十分早いので実際に両者の違いに気づくことは(よほど意識しないかぎり)なさそうです。
購入時にCellularモデルを選択するかどうかは、いつもスマホを持ち歩くか次第。ただ、「Apple Watch Series 6」の場合はアルミニウムのバージョンでは1万円近く値段が上がるのと、ステンレススチールとチタンのバージョンはCellularモデル一択で、LTEが標準装備されていることに注意が必要です。これは、スマホをいつも手元に置いている人にはあまり有用ではない投資になるかもしれません。
「Apple Watch Series 6」の充電速度については「Apple Watch SE」よりも少し速い(5〜8%の差)ので、特に睡眠アプリを使う前に一度充電しておきたいといった場面で便利です。ちなみに充電ケーブルは、USB-A方式になっています。
Apple Watchを買う前に知っておきたい注意点
注意点は2つあります。ひとつ目は、期待していたよりも機能が少ないと感じる点です。Apple Watchは着実に進化を遂げていて、サードパーティ製アプリも使いやすくはなっていますが、「Apple Watch Series 6」のアプリはスマホで使うアプリほどサクサクいくとはかぎりません。このため、サードパーティ製のアプリをガシガシ使うためにApple Watchを買う…というのは避けたほうが良さそうです。アプリはおまけ程度に、Apple Watchの機能に惹かれて購入するほうが満足できるはずです。
「Apple Watch Series 4」と「Apple Watch Series 5」は現在販売終了になっていますが、もしかすると店頭で残った在庫があるのを見かけることもあるかもしれません。いずれも優秀なので、価格次第では検討してみるのもアリです。
「Apple Watch SE」と「Apple Watch Series 4」との主な違いはECG(心電図)機能の有無で、SEよりも高い値段(3万2780円以上)で買うのはおすすめしません。「Apple Watch Series 5」はディスプレイの常時表示機能があって「Apple Watch SE」よりも数千円高い程度であれば、検討してみても良いかもしれません。
残念ながらおすすめできないのは、「Apple Watch Series 3」。2017年に登場したモデルで小さく四角いディスプレイからは時代を感じるかもしれません。「Apple Watch SE」や「Apple Watch Series 6」に比べてアプリの動きがかなり遅く、Cellularモデルであれば「ファミリーメンバーの設定」機能を使って子どもが使えた可能性も残りますが、この機能に対応しているのは「Apple Watch Series 4」以降のモデルとなっているので対象外。おまけに「Apple Watch Series 3」のCellularモデルは2020年に販売終了しています。