いつの間にか9年目突入!
今月、探査機キュリオシティは火星到着から9年目を迎えました。そこでNASAは先週、キュリオシティが捉えた画像に音声での説明を加えた動画を公開。火星に行くことは無理ですが、ちょっとしたバーチャルツアーなら楽しめそうです。
キュリオシティは7月3日に“Rafael Navarro山”の近くで360度の景色を撮影。この山の名称は、ミッションに携わり今年1月に亡くなった天体生物学者にちなんでいるそう。NASAのプレスリリースによれば、パノラマ画像は129枚の画像が合成されたもので、岩石の色は地上の日光の下で見るような色味に似せるためホワイトバランス調整されたとか。以下、キュリオシティが捉えた火星の姿を動画で楽しめます。
キュリオシティは2012年に火星に着陸した時から、直径154kmのゲールクレーターをうろついています。火星は今、冬を迎えていて、惑星を覆う赤い煙霧は落ち着き空気は澄んでいます。だからキュリオシティはクレーターの底とミッションを通して旅した25.7kmとをはっきりと見渡すことができたのです。
この動画では表層の違いも見て取れるのが、興味深いところ。キュリオシティが以前探査していたのは湖の中で形成された粘土質の岩石ばかりの地域でしたが、今は硫酸塩のように塩分を含む岩石を見つけています。
NASAのジェット推進研究所でキュリオシティの副プロジェクト・サイエンティストAbigail Fraeman氏は「ここの岩石は、かつて水分のあった惑星がいかにして現在の干からびた火星となったのか、そうなった後に居住可能な環境がいつまで持続していたかを教えてくれるでしょう」と語っています。
こういった火星の大昔の環境に生命が存在していたと科学者らは信じ、キュリオシティやNASAのまた別の探査車パーサヴィアランスが手がかりを徹底的に探しています。これからキュリオシティはRafael Navarro山と4階建てのビルよりも高い孤立丘の間を通って細い渓谷へと進む予定。その後は2020年に登頂したGreenheugh Pedimentと呼ばれる砂岩の丘を再訪することになっています。
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2021-08-23 13:20:00Z
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