日本Xreal代表のJoshua Yeo氏(写真右)と、同社のプロダクトマネージャーを務める高天夫氏(左)。
撮影:小林優多郎
ARグラスを展開するXreal(エックスリアル、旧・Nreal)は、新製品「XREAL Beam」(同ビーム)の体験イベントを実施した。
同社の看板商品であるARグラス「XREAL Air」は、2022年3月に発売されたが、VRやARといった新技術に敏感なアーリーアダプターを中心に支持を受けている。
BeamはそんなXREAL Airの機能を拡張するリモコン型デバイスで、7月後半に発売予定。どのような特徴があるのか確認してみよう。
軽量ARメガネ+リモコン端末でできること
Xreal Air(左)とBeam(右)。
撮影:小林優多郎
そもそもXREAL Airは、メガネ型のデバイスで公称値約79g(本体のみ)の軽さがウリだ。
メガネをかけるだけで、目の前に映像コンテンツやPCなどのミラーリング画面が映し出されるという、手軽かつわかりやすい体験が人気の理由の1つと言える。
そんなXREAL Airにも難点がある。日本XrealのJoshua Yeo(呂正民)代表によると、ユーザーから寄せられていた主な要望は以下の5つ。
- 表示される画面を空間に固定したい。
- 画面のサイズを大きくしたり、小さくしたりしたい。
- 対応機種でなくても同じように使いたい(Air単体では接続できるデバイスやOSによって制限を受ける)。
- Airと接続している時でもスマホは充電したい。
- ワイヤレスでスマホやPCとつなげたい。
Airに寄せられた要望。
撮影:小林優多郎
Beamを使うとこれらの弱点のほとんどを埋めることができる。
使い方はかんたん。Xreal AirとBeamをUSB Type-Cケーブルで接続。その後、ワイヤレスかUSB Type-Cケーブルによる有線接続で出力デバイスとBeamをつなげる。
Beam+Airの体験の様子。
撮影:小林優多郎
対応機種であれば、今までも空間に浮かぶ大画面でコンテンツを楽しめたが、Beamを経由して接続すればより多様な機種で、Xrealが「Spatial Display(空間ディスプレイ)」と呼ぶ機能を活用できる。
Spatial Displayは以下の3つのモードを切り替えることができる。
- スマートディスプレイ:従来通り向いている方向に画面が浮かんでいる状態。ブレ補正が加わることで、電車内など細かく揺れている場所でもある程度の視認性を確保できる。
- サイドスクリーン:スマートディスプレイ状態の画面を小さく四隅のいずれに配置して視界を確保しながら、視聴する方法。
- 空間ディスプレイ:画面を空間に固定する状態。首の傾きや方向を変えてもディスプレイの位置が変わらない(3DoF=首の前後左右の動きと傾きのみを認識するので、着用者がしゃがんだり、画面に物理的に近づくといったことはできない)。
Spatial Display機能では3つ(左の0DoFは除く)を切り替えて使う。
撮影:小林優多郎
実際に筆者や同行の記者は「iPhoneやAndroidの画面ミラーリング」「Nintendo Switchの大画面操作」といったシチュエーションを試してみた。
画面の精細さは従来のAirと同様で、比較的小さな文字も読みやすく、明るさも本体側で調整できて快適だった。
BeamがあればNintendo Switchとの接続にDockやアダプターは不要になる。
撮影:小林優多郎
特にSwitchとの接続は、今までSwitchのテレビ出力用のドックと変換アダプターが必要だったが、BeamがあればDock不要で直接続できるようになる。
Beamの大きさは現在一般的なサイズのスマホよりも小さいので、出先などで大画面でSwitchのゲームがしたい時などにはもってこいだろう。
iPhone 12(写真左)とBeam(右)。Beamの左側面のボタンでSpatial Displayの切り替え、右側面のボタンで音量変更が可能。中央下の丸ボタンは決定ボタン。上のサークル型のボタンは選択操作ボタン(上下左右にのみ対応)だ。
撮影:小林優多郎
ワイヤレス接続に関しては、今回のイベント会場が東京ビッグサイトで6月28〜30日に開催されている「XR総合展」の中だったこともあり、電波が混線してやや不安定ではあった。
だが、iPhoneであればAirPlay、AndroidであればMiracastで接続できるため、それぞれのOSが使える大抵の機種で使える点や、無線接続でコネクターをふさがないため充電しながら長時間使える点は心強く思う。
一般層向けに認知を拡大、Vision Proより「手軽でフレンドリー」
日本XrealのJoshua Yeo(呂正民)代表。
撮影:小林優多郎
Airの発売から1年超たった今、Yeo氏はAirに触れるユーザー層が発売当初と直近とでは変化があると語っている。
「最初は当社に寄せられる質問として、技術的な質問が多かった。しかし、2022年の後半からは『電源はどこから入れられるか』など一般的な質問が多くなった。
日常生活で、家や事務所、バス、電車、飛行機の中で少し大きなスクリーンで見たい、というニーズに応えている」(Yeo氏)
確かにAir単体や、HDMI出力機器とつなげるための周辺機器「XREAL Adapter」(税込8980円)での利用に比べ、Beamを介することでその接続の手間などはグッと抑えられ、より一般層にもオススメできる環境が整ってきている。
スマホとワイヤレスで接続すればスマホとBeamそれぞれの充電端子が空くことになる。
撮影:小林優多郎
一方で気になるのは価格だ。XREAL Air自体が4万5980円。そして、XREAL Beamについては1万5980円。合わせると6万1960円となる(いずれも税込)。
ちなみに、同様の端末ではないため参考程度とはなるが、Metaの「Quest 2」(2020年発売)が4万7300円。2023年秋に登場予定の「Quest 3」が7万4800円(いずれも税込)となっている。
本体のみの4万円程度であれば比較的手の届きやすい価格に感じられるが、セットで6万円を超えるとなると、接続できる端末の種類や簡便さ、Spatial Displayの機能にどのぐらい魅力を感じるかが鍵になる。
大画面を空中(天井方向)に固定している体験者。
撮影:小林優多郎
なお、アップルがWWDC23で発表した「Apple Vision Pro」(2024年以降登場、3499ドル・約49万円)との優位性について報道陣から聞かれたYeo氏は「XRの業界を一緒に盛り上げていきたい」としつつも自社製品について以下のように語った。
「(Xrealの製品は)ケーブルを挿すだけで画面が出てくる手軽でフレンドリーな製品だと思う。値段も10分の1もしないコンシューマー向け製品だと言える」(Yeo氏)
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2023-06-29 02:00:00Z
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