クレーターだらけの地表をくっきりと。
国際水星探査計画「ベピ・コロンボ」が先日のスイングバイ(宇宙探査機が天体の力を利用して減加速する技術)で撮影した、水星の画像が公開されました。
撮影範囲にある衝突クレーターにはジャマイカの有名な芸術家にちなんだ名前が付けられたようです。
探査機がとらえた、美しい水星の写真たち
欧州宇宙機関(ESA)とJAXAの共同ミッションであるベピ・コロンボは、東部時間の6月19日(月)午後3時34分に水星に最接近しました。
この時、同探査機は太陽系の小さくても高密度な惑星、水星の表面から約146マイル(236km)を通り、詳細な画像を捉えたのです。
探査機のモニタリングカメラ3が撮影した水星の画像は、夜のうちに地球に転送されました。水星のそばを通過するのがこれで3度目となるベピ・コロンボ。
ESAは同探査機が捉えた画像を現地時間の翌日に3枚公開しています。軌道投入に向けて探査機が水星の重力を使って減速する、水星スイングバイは合計6回の予定。
ベピ・コロンボは2機の探査機が積み重なった構造で、それぞれ水星の謎を明らかにするための科学機器が搭載されています。
水星の夜
ベピ・コロンボが接近したのは水星の夜側で、ESAによると最接近から12分ほど経った頃、同惑星の表面を太陽の光が照らし始めたのだそう。
この画像は最接近の約15分後に撮影され、多数ある衝突クレーターなどデコボコとした地表がはっきりと見て取れます。
命名されたばかりのクレーター「マンレー」
水星から遠ざかっていった次の画像では、探査機のアンテナの右下の位置に直径135マイル(218km)の巨大な衝突クレーターが写っています。
命名されたばかりのクレーターを含むいくつかの地形の位置が示された、注釈付きバージョンもどうぞ。
「フライバイの撮影の計画時に、この大きなクレーターは視野に写るものの、まだ名前がないことに気付いたんです」と、ベピ・コロンボ撮像チームのDavid Rothery氏は、ESAのリリースにて説明。
その結果、このクレーターにはジャマイカの芸術家エドナ・マンリーにちなんで「マンリー」という名前が国際天文学連合から与えられたのでした。
このマンリー・クレーターの底は滑らかな溶岩が溢れていて、水星の火山活動の歴史を示唆しています。ベピ・コロンボは、同クレーターの探査を今後さらに行なう予定。
次、ベピ・コロンボが水星と再開するのは、4回目水星スイングバイのとき。2024年9月5日になります。
ベピ・コロンボの大仕事はこれから
同探査機は、今年の8月に予定されている、太陽の強力な引力に対抗するための電気推進システムを作動させる、“スラスト・アーク”シーケンスという大仕事が控えています。ベピ・コロンボは6週間にわたってこのシーケンスに取り組みます。
「この長いスラスト・アークに備えるため、前々から集中して準備を重ねています。各シークエンス中のスラスター停止期間の合間に速いターンアラウンドを実現できるよう、探査機と地上システムとの交信とコマンドの機会を増やしています」と、ESAのベピ・コロンボミッション・マネジャーのSanta Martinez Sanmartin氏は前述のリリースで述べていました。
宇宙の旅は長く険しい
水星への到達が大変なのは太陽の重力のせいで、太陽系の一番内側にある惑星を旅した探査機は、ベピ・コロンボをいれて3機しかありません。2018年に打ち上げられた同ミッションは2025年に水星周回軌道に投入される予定。
そのタイミングでベピ・コロンボは2つの探査機に分離します。ESAの水星表面探査衛星(MPO)が表層と内部構造をスキャンし、JAXAの水星磁気圏探査衛星(MMO)が水星の磁気圏を研究していきます。
Source: ESA,
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2023-06-27 14:00:00Z
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