今回の新CPUは、第3世代Ryzenとして知られる、7nmプロセスのZen 2アーキテクチャをベースとしたCPUのモバイル版だ。ラインナップは、超薄型ノートPC向けが「Ryzen 4000Uシリーズ」、ゲーミングやクリエイターノート向けが「Ryzen 4000Hシリーズ」、ほか法人ノート向けのPROシリーズも用意する。それぞれデスクトップ向けのRyzenと同様にスペックに応じたモデルナンバーが与えられた複数のSKUをそろえるが、今回主に紹介されたのはUとHの最上位にあたるRyzen 7 4800UとRyzen 7 4800Hの2モデルだ。
AMDのLisa Su(リサ・スー) CEOは、Ryzen 7 4800Uを(Intelの第10世代CPUの)Ice Lakeに勝てるCPUだとし、Ryzen 7 4800Hは2020年のゲーマーとクリエイターにとって最高のCPUだとアピールする。両製品ともに8コア/16スレッドと、デスクトップ並みのマルチコアプロセッサだ。スーCEOは、CINEBENCHと3DMarkを用いた性能計測で、Ryzen Mobile 4000シリーズが処理能力の水準を一気に引き上げたというデータも踏まえながら、大きくマルチコア化を進められたことの優位性を強調していた。
○モバイル版の第3世代Ryzenは90%速い
そしてスペック概要だが、Ryzen 7 4800Uは8コア/16スレッド、動作周波数はベースが1.8GHz、ブースト最大4.2GHz、統合GPUは8コア(CU:Compute Unit)のRadeon Vegaというもので、TDPは15W。薄型ノートPCがターゲットのUシリーズは他のモデルもこの15WのTDP枠に収めたシリーズになるとみられる。統合GPUはNavi世代ではなく、Vega世代で据え置かれた。
性能の目安として、同社のデータだが、Core i7-1065G7を競合とするとシングルスレッド性能で4%、マルチスレッド性能では90%もRyzen 7 4800Uが上回るという。
■UシリーズのSKU
・Ryzen 7 4800U:8コア/16スレッド、ベースクロック1.8GHz(ブースト最大4.2GHz)、TDP15W
・Ryzen 7 4700U:8コア/8スレッド、ベースクロック2GHz(ブースト最大4.1GHz)、TDP15W
・Ryzen 7 4600U:6コア/12スレッド、ベースクロック2.1GHz(ブースト最大4GHz)、TDP15W
・Ryzen 5 4500U:6コア/6スレッド、ベースクロック2.3GHz(ブースト最大4GHz)、TDP15W
・Ryzen 3 4300U:4コア/4スレッド、ベースクロック2.7GHz(ブースト最大3.7GHz)、TDP15W
Ryzen 7 4800Hは8コア/16スレッド、動作周波数はベースが2.9GHz、ブースト最大4.2GHz、TDPは45W。こちらはゲーミングやクリエイティブ用途ということで、TDP枠をひろげて性能を優先したシリーズとなる。
Intelで言えば第10世代CoreのIce LakeとComet Lakeの関係に近いイメージだろう。ただプレスカンファレンス中には、Hシリーズの性能の比較対象としてモバイルCPUだけでなく、デスクトップ向け8コアのCore i7-9700Kまで持ち出され、それを性能で上回るという紹介までされていた。
■HシリーズのSKU
・Ryzen 7 4800H:8コア/16スレッド、ベースクロック2.9GHz(ブースト最大4.2GHz)、TDP45W
・Ryzen 5 4600H:6コア/12スレッド、ベースクロック3GHz(ブースト最大4GHz)、TDP45W
具体的な搭載製品では、Ryzen 7 4800UはLenovoの「YOGA SLIM 7」が公開された。14型でFreeSync対応の液晶を備え、厚さ14.9mm、重量1.4kgの薄型軽量ボディのノートPCだが、8コア/16スレッドのRyzen 7 4800Uを搭載して製品化される。
Ryzen 7 4800HはASUSの「ZEPHYRUS G14」に搭載されることが明らかになった。ZEPHYRUSはASUSのゲーミングPCブランド「ROG」に属する本格派のシリーズだ。変わったギミックとして、天板にLEDが仕込まれており、アニメーションなどのパターンを表示できるという特徴もある。
○電力制御で性能を伸ばす「AMD SmartShift」
最後に、Ryzen Mobile 4000シリーズのiGPU(内臓GPU)とRadeon RXのdGPU(外付けGPU)の組み合わせで使うことができる新たなGPU協調動作技術「AMD SmartShift」も発表された。これは、GPUの利用シーンに応じてCPU+iGPUとdGPUの使用電力を動的に効率よく調整することで、パフォーマンスの向上を図るというもの。例えばGPUパワーが必要なゲームプレイ中はdGPU側へ電力を都合して性能を稼ぐといった感じだ。発表の中では、この機能のONとOFFで、ゲームのフレームレートが61fpsから67fpsへと高速化する例などを紹介していた。
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2020-01-07 13:58:50Z
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