オーストラリアの西オーストラリア州・ヤラババにあるクレーターが、約22億年前に小惑星の衝突で形成された、世界最古のクレーターであることが明らかになった。
英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ電子版に21日に掲載された、豪カーティン大学の研究結果によると、研究チームはクレーター周辺の岩に含まれる鉱物を調査し、形成された時期を特定した。
科学者は、今回の発見によって、この記事に地球の気温が上がった原因を説明できるかもしれないとしている。
衝突時期の算出方法
ヤラババ・クレーターは、豪西部の乾燥した内陸部で1979年に発見されたもの。地質学者はこれまで、クレーターがどれほど古いものなのか調査を行っていなかった。
数十億年にわたる侵食の影響で、現在はクレーターを肉眼で確認することはできない。科学者は磁気調査で、クレーターの規模は直径約70キロと計測した。
「年月がたっているので、実際の地形は非常に平らになっている。しかし、周辺の岩は特徴的だ」と、カーティン大学のクリス・カークランド教授はBBCに述べた。
小惑星が地球に衝突した時期を特定するため、研究チームは岩に含まれる小さなジルコン結晶やモナザイト結晶を調べた。これらの結晶には微量のウランが含まれている。研究者は、一定のペースで鉛へと壊変するウランをもとに、時期を算出した。
カークランド教授は「年輪」のように年齢が分かると述べた。
ヤラババ・クレーターは、2番目に古いクレーター「フレデフォルト・ドーム」(南アフリカ)よりも、少なくとも2億年も前に形成された。
カークランド教授は、「オーストラリア西部の地形は非常に古いので、我々はヤラババの地域に興味があった。しかし、これほど古いものだとは予測していなかった」、「もっと古いクレーターが今後発見される可能性は大いにあるが、侵食される前に地殻を発見するのは難しく、地球史初期のものを失ってしまう」と述べた。
小惑星の衝突で氷河期が終わった?
研究者は、なぜ小惑星が衝突した頃に世界が温暖化していったのか、説明できるかもしれないとしている。
地球には、「スノーボール・アース(全地球凍結)」と呼ばれる、地球全体が完全に氷床などで覆われた状態の時期があったとされ、ある時点で氷床が溶けて急速に気温が上昇したと科学者はみている。
カークランド教授は、「クレーターが形成された時期と、世界的氷河期が終わったとされる時期が、ほぼぴったり一致している。(中略)小惑星の衝突は地球の気候に重要な変化をもたらしたのかもしれない」と述べた。
研究チームはコンピュータモデリングを用いて、小惑星が地球を覆う厚さ約1キロの氷床に衝突した場合、大量の水蒸気や温室効果ガスを大気中に放出したと推計した。
これにより、古生代における温暖化に一役買った可能性がある。この頃は、酸素が大気中に発生し始め、複雑系生命はまだ存在していなかった。
「言うまでもなく、我々はクレーターの古さだけでも非常に興奮したが、(中略)地球で起きたほかの出来事との前後関係を見ると、本当にとても興味深い」と、カークランド教授は述べた。
この時期の地球の温暖化をめぐっては、火山の噴火によって二酸化炭素が大気中に押し出されたのではないかとの説もある。
(英語記事 Earth's oldest asteroid crater found in Australia)
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2020-01-22 08:41:10Z
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