Rabu, 01 Januari 2020

15歳のニュース 宇宙開発新時代 はやぶさ2帰還 リュウグウから「玉手箱」 - 毎日新聞

的川泰宣さん

 岩だらけの小惑星しょうわくせいリュウグウに2度にわたり着陸成功するなど、大きな成果をあげた探査機「はやぶさ2」が今年、いよいよ地球にもどってくる。連載れんさい「的川博士の銀河教室」でおなじみのJAXA名誉教授めいよきょうじゅ的川まとがわ泰宣やすのりさん(77)に地球帰還きかんの見どころを聞いた。

 はやぶさ2は現在、地球に向けて8億キロの旅路を航行中だ。12月ごろに地球に近づき、オーストラリア南部の砂漠さばくにリュウグウで採取した物質の入ったカプセルを落とす。

 この砂漠は2010年6月、「初代はやぶさ」もカプセルを落下させた場所だ。はやぶさの機体はこの時、大気圏たいきけんきてしまった。当時、神奈川県相模さがみはら市のJAXA管制室で様子を見守っていた的川さんは「何度もピンチをえて地球に戻ってきたはやぶさとの別れは悲しく、管制室は重い雰囲気ふんいきだった」とかえる。

緊張の「カプセル分離」

 今回、はやぶさ2の機体は大気圏には突入とつにゅうせず、はなされたカプセルだけが、スピンしながら秒速12キロで突入する予定。的川さんによると、カプセルの切り離しは、大変な山場になるという。

 カプセルが大気圏に突入するとき、周囲の大気はなんと1万度以上になる。「どのタイミングで切り離すか、切り離されたカプセルが姿勢を保てるか、パラシュートはきちんと開くのかなど緊張きんちょうが続く展開になる」と的川さん。特に、耐熱たいねつ材のある面を大気に向けられるか、カプセルの姿勢がポイントになるという。

 リュウグウは太陽系誕生の46億年前に近い状態を保っていると考えられており、JAXAはカプセル内の岩石を分析ぶんせきし、地球の海や生命の起源を探る手がかりにしたい考えだ。はやぶさ2が運んできた「リュウグウからの玉手箱」が大気のかべ突破とっぱして無事に地上まで届くのか。年末まで、はやぶさ2のニュースで盛り上がりそうだ。


 ■KEY WORDS

 【的川泰宣まとがわやすのりさん(77)】

 1942年広島県呉くれ市生まれ。日本初の人工衛星「おおすみ」打ち上げやハレー彗星すいせい探査など、誕生したばかりの日本の宇宙開発の現場で活躍かつやく。毎日小学生新聞で2008年10月から「的川博士の銀河教室」を好評連載れんさい中。11年10月公開の映画「はやぶさ/HAYABUSA」では的川さんをモデルにした役を俳優の西田敏行にしだとしゆきさんが演じた。

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2020-01-01 03:56:15Z
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