マイクロソフトのゲーム機Xboxが今年で生誕20周年を迎えた節目に、米Bloombergは初代Xboxの立ち上げに関わった約20人に当時の話をインタビューしました。その中で、以前より噂されていた任天堂に対する買収話が本当であり、実際に話を持ちかけたものの、1時間ものあいだ笑い飛ばされたまま終わった、という逸話が明かされています。
当時のXbox事業責任者だったボブ・マクブリーン氏は、まず最初に買収しようとしたゲーム会社がEAだったことを告白。そして「ノーサンキュー」と断られた後に、任天堂と会談したことを打ち明けています。
さらにサードパーティ担当ディレクターだったケビン・バカス氏は、会談がスティーブ・バルマー(MSの元CEO)の取り計らいで実現したことを公開。そして会談の様子を「彼ら(任天堂の重役陣)は大笑いしていた」と回想し「誰かに笑われるだけの1時間を想像してみてください。そんな感じのミーティングでした」と表現し、辛い体験を振り返っています。
ただし話はそれで終わらず、今度は2000年1月に任天堂の関係者をMSのビルに招き、初代Xboxのスペックをすべて教えた上で、合弁事業の詳細を検討してもらったとのことです。
そこでマクブリーン氏は任天堂のハードがソニーのPlayStationと比べて最低だったので「いいか、君たちはマリオなどのゲーム部分ではずっと優れている。ハードは俺たちに任せてくれないか?」と売り込んでみたものの、上手く行かなかったそうです。2001年といえばゲームキューブが発売された年(日本では9月)であり、タイミング的にも最悪だったと思われます。
任天堂と物別れに終わった後、MSはスクウェア(現スクウェア・エニックス)にも買収を持ちかけはしたが、提示した買収価格が低すぎて交渉は打ち切り。そして「モータルコンバット」等のミッドウェイ・ゲームズは真剣に買収を望んでいたが話がまとまらず、結局は初代「Halo」を開発したBungieがMSの提案を受けた経緯が語られています。もっともBungieは、2007年にMSから独立しました。
その後もMSは有力なゲーム会社をたびたび買収しており、最近ではベセスダ・ソフトワークスの親会社ZeniMaxを無事に取得していました。ほか日本のゲーム会社にも買収を打診しているとの噂話もありました。こうした買収提案にあたっては、任天堂に笑い飛ばされた苦い経験が糧となったことで、交渉もスムーズになっているのかもしれません。
Source:Bloomberg
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2021-01-07 10:15:35Z
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