Kamis, 26 Maret 2020

宇宙ではクェーサーによる強大なエネルギーの波が起きている - GIZMODO JAPAN

スケールが大きすぎて痛快

宇宙に浮かぶハッブル宇宙望遠鏡(HST)ならではの壮大な発見です。米バージニア工科大学と宇宙望遠鏡科学研究所の研究者たちがHSTによる紫外線の観測データをもとに13個のクェーサーを分析した結果、そのうち3つで観測上もっともパワフルなエネルギーの放出を確認したそうです。

「エネルギーの放出」と聞くとジェット噴射のように一方向に延びたアウトフローを想像しがちですが、クェーサーの場合は球対称のアウトフローが超高速で外へ、外へと広がっていくそう。波のようにうねり、星間物質と衝突を繰り返しながら銀河全体に波及するその強大なエネルギーは、星の材料となる分子ガスや塵粒子を散らして新しい星の生成を妨げ、さらには銀河の成長を妨げていると考えられるのだとか…!

クェーサーとは?

「クェーサー」は宇宙随一の明るさを誇る天体。それなのに天体望遠鏡で見ると一番明るいクェーサーでも13等星ほどの明るさしかないのは、クェーサーがはるか遠方の宇宙にあるからです。クェーサーからの光が地球に届くまで何十億年という地球時間が経っているので、大昔、まだ宇宙が若かったころに存在していた過去の姿です。

クェーサーの中心には超大質量ブラックホールがあるために明るく輝くと考えられています。ブラックホールに向かって物質が落ちていく時、その物質が持っていた位置エネルギーが熱エネルギーに変換され、やがて光となって放射されます。その明るさはブラックホールを宿している母銀河全体が出す光の1,000倍にも上るそう

銀河を吹き荒れる嵐

それだけすさまじいクェーサーの光は、同時にすさまじい放射圧を発しています。光も圧力を持っているので、ブラックホールの重力とは逆の方向に放射され、嵐のような激しいアウトフローをまき起こします。

NASAによれば、クェーサーの嵐は光速の数パーセントに上る超高速で銀河全体に広がっていき、塵やガスなどの星間物質を吹き飛ばしていくそうで、今後少なくとも1000万年は吹き荒れ続けるのだとか。バージニア工科大の主任研究員で、今回の研究に携わったNahum Aravさんによれば、「クェーサーから派生する風は毎年太陽数百個ぶんにあたる質量を動かすほど」パワフルなのだそうです。

HSTならではの発見

クェーサーが放つ激しいアウトフローは以前から理論上は存在が確認されていたものの、直接観測されたのは今回が初めてです。

NahumさんたちはHSTの宇宙起源分光器(COS)を使って13個のクェーサーアウトフローを観測しました。アウトフローが銀河を駆け抜けていく際、星間物質に衝突してガスや塵が高温に熱されて輝きます。この光をCOSで観測し、スペクトルがドップラー効果により偏移していることをつきとめました。さらに、この偏移の度合いからガスの速度を計算した結果、光の速さの数パーセントに達することがわかったとNASAがプレスリリースで発表しています。HSTがカバーしている紫外線の波長帯でしか観測できなかった貴重なデータです。

観測された13個のクェーサーのうち、3つからは史上最速のアウトフローが観測されたそうです。さらに、アウトフローのひとつが3年間で秒速1万9000キロメートルから2万500キロメートルまで加速したことも判明。 今後もさらに加速していくと予測されているものの、なぜなのかはまだ説明できないそうです。

銀河の数が少ない理由

なぜクェーサーが放射しているアウトフローにこれだけ注目が集まっているのでしょうか。その背景には理論と実測値の不一致がありました。

銀河形成を説明するこれまでの理論どおりなら、この宇宙にはもっとたくさんの銀河があっていいはず。なのに、実際は銀河の数が足りませんでした。そこで、なんらかのメカニズムにより銀河形成が阻害されていると考えられてきましたが、クェーサーからのアウトフローで見事に説明できるそうなのです。

今回の研究に直接携わっていなかった宇宙論研究者のJeremiah P. Ostrikerさんも、「観測されたクェーサーアウトフローをシミュレーションに入れると、銀河形成の問題が解ける」と同意しています。もっと詳しく知りたい方は、『The Astrophysical Journal Supplements』にて近日公開されるNahumさんたちの研究も要チェックです。

銀河系はだいじょうぶ?

ところで、銀河系の中心にも「いて座A*」という名の超大質量ブラックホールがあるって言われてますけど、ここから超強力なクェーサー波動が起こって地球丸ごと揺さぶられたりしないんでしょうか…?

今となってはその心配は無用みたいです。クェーサーが輝くはるか遠方の銀河に比べたら、我らが銀河系は100億年以上の歳月を経てスカスカに。中心にある(と言われる)ブラックホールも現在はそんなに大量に物質を飲み込んでいないから、クェーサーの活動も停止していると考えられます。昔は現役だったかもしれないですけどね。

物の本によれば、「クェーサー…[の]ようなきわめて高い光度を説明するためには、太陽まるごと1個以上の質量をブラックホールに毎年供給してやらねばならない」そう。

太陽1個ぶんを飲み込んだ反動で、太陽数百個ぶんの質量を動かすほどパワフルな嵐を巻き起こすブラックホール。その電源表示灯みたいなクェーサーがはるかかなたの宇宙で輝いている光景は、圧巻としか言いようがありません。

Reference: NASA, 『宇宙の誕生と進化』谷口義明著

遠方の銀河の中心で輝くクェーサーの想像図
Illustration: NASA, ESA, and J. Olmsted (STScI)

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2020-03-26 11:45:54Z
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