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ESAの発表によれば、ベピコロンボは10月1日にフライバイによって水星表面から199kmの高度にまで接近。最接近から5分後以降約4時間にわたり、1024×1024ピクセルの解像度で白黒画像の撮像データを地球に伝送してきているという。
残念ながらこれらの画像が得られた際の水星までの距離は、最短のケースでも約1000kmで、あまり良い条件での撮像には至らなかったという。それでも、撮像データには月面とよく似た衝突クレーターが数多く捉えられており、水星表面の状況がよくわかる。
ベピコロンボは、2018年10月19日にESAのアリアン5ロケットによって打ち上げられた。当初は水星着陸機の投入も検討されていたが、2003年の計画見直しでそれは見送りとなったため、水星上空からの観測のみの計画となっている。
月面とよく似た姿を示す水星がたどってきた歴史は、月とは大きく異なり、月面にみられる明るい高地は存在しない。水星の表面は月と違い、どこをとっても暗く、数十億年前の溶岩の大量噴出によって形成されたと考えられている。水星表面には、かつて溶岩流が既存のクレーターの底となる部分を流れた痕跡があり、火山爆発による表面の裂け目が100カ所以上もあるという。
今回のフライバイで得た数々の撮像データは、水星の進化プロセスの解明に役立てられることが期待されている。ベピコロンボが本格的に水星周回軌道をとるのは2025年末の予定だ。それまでの期間は、太陽の周りを周回しながら2025年1月まで、今回も含めて合計6回の水星接近が計画されており、次回の水星へのフライバイによる接近は2022年6月23日となっている。
また本格的な水星周回軌道に投入されるまでの期間中に、地球で1度、金星で2度、水星で6度、合計9度の惑星フライバイを利用するという、非常に息の長い計画ともなっている。
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2021-10-04 08:17:00Z
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