落ちてるけど、寝ています。
カリフォルニア大学サンタ・クルーズ校の科学者チームがキタゾウアザラシの睡眠の秘密を解明しました。キタゾウアザラシって海の中で寝るんですけど、いつどこで寝ているのかはずっと知られていませんでした。でも絶対にどこかのタイミングで寝ているわけですからね。科学者チームはその睡眠の秘密をScience誌で発表しています。
キタゾウアザラシは一般的に水深300メートルから600メートルあたりまで潜っていくのですが、カリフォルニア州公園レクリエーション局が1,700メートルの深さまで潜っているところをとらえたこともあります。ゾウアザラシは繁殖期は陸にいて、1日10時間以上寝て過ごします。でも採餌期は何ヶ月も海中に潜っています。そしてその間の睡眠時間はとても少なく、どうやら1日合計で2時間しか寝ていないことがわかりました。
眠りながら海中に落ちていく
その睡眠ですが、水面に上がって休むとサメやシャチなどの捕食者に攻撃されてしまう可能性が上がります。なので、キタゾウアザラシたちはなんと、目を瞑って海中を落ちていき、30分間の潜水。そのうちの10分間は寝ていることがわかったのです。
深い眠りのノンレム睡眠の時には、体のコントロールができていて、前を向いてまっすぐに落ちていくのですが、レム睡眠に入るとひっくりがえって意識がなくなったように木の葉のようにクルクルと回りながら海の中を落ちていくとのこと。
これはレム睡眠によって睡眠麻痺が起こり、態勢が維持できなくなるからだそうです。ひっくり返ってお腹を見せた状態になったりといろんな態勢になります。
陸の上では大きな体をゴロゴロさせているのに、海中ではこんなに綺麗に弧を描いて動けるなんておもしろいですよね。この深さだと敵もいないので、無防備で寝られるようです。それでも10分ずつしか寝ていないようなので、どこにいても警戒しなきゃいけないのが自然の世界ってことですね。
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2023-04-30 13:00:00Z
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