個性を求めるならホワイトPC。さまざまな色のケース、パーツがなかったわけではないが、すべてをコーディネートするとなると、主流のブラックかホワイトという選択になる。「ブラックは飽きた! 」という方はぜひホワイトPC自作にチャレンジしてほしい。
今回は夏休みに自作のホワイトPCを組もうとご検討の方に向けて、ASUSTeKパーツを中心に据えたホワイトPCを組んでみた。
今のパーツラインナップなら、ここまでホワイトにできる!
さっそくだがまず組み上がった外観からご覧いただこう。
今回組んだPCで、見える部分、ホワイトにしたパーツは、外装であるケースに加えてマザーボード、ビデオカード、CPUクーラー、メモリ、ケースファン、そして本体は隠れるがケーブルは露出する点で電源を加えた7パーツだ。これに表からは見えないCPUやSSDを加えてPC本体ハードウェアが完成する。
ブラックパーツが高価なものから安価なものまで選択肢豊富であることと比べれば、ホワイトパーツは高くつく傾向にある。ここは事実だ。ただしホワイトパーツも以前と比べれば選択肢が増えてきている。
今回、上記で挙げた7つのホワイトパーツのうち6つをASUSTeK製品から選べている。そして調査した中で、ASUSTeKのホワイトパーツという条件下でも、マザーボードやビデオカードの選択肢は意外と豊富であることが分かった。このあたりは以降、パーツ紹介のパートで説明しよう。
外観については「見せる」方向で組んでみた。あれも使いたいこれも使いたいとパーツを増やし、楽しかったし発見もあった。見せるPCケースは定番の側面ガラスパネルにとどまらず、最近では2面やそれ以上をガラスとする製品、ビデオカードの縦置き配置、ラジエータの側面向き配置など、新たなトレンドが生まれている。今回はすべて試してみた。
ビデオカードはRTX 4070の「White Edition」
それでは今回用いた個々のパーツについて紹介していこう。最初に紹介するのはゲーミングPCにおいてパフォーマンスを左右するGPUだ。今回用いたビデオカードは「ASUS Dual GeForce RTX 4070 White OC Edition 12GB GDDR6X」。ターゲットとしてはWQHD高画質や4K軽量画質に相当する。
ただ、これはお借りできるパーツという制限もあってのこと。ASUSTeKのビデオカードでは、ホワイトモデルに「White Edition」という名称が付いている。White EditionはGeForce RTX 4090から、RTX 4080、RTX 4070、RTX 4060 Ti(8GB)、RTX 4060と5モデル。予算や求めるパフォーマンスによって選べばよい。
ただし、豊富なWhite Editionでも、AMD Radeon RX GPU搭載モデルは現状ではラインナップされていないようだ。Radeon RX GPUを用いたい方は、ASUSTeKパーツで統一というところからは外れるが、選択肢はあるので探してみてほしい。
ASUS Dual GeForce RTX 4070 White OC Edition 12GB GDDR6Xは、カラーリングがホワイトをメインに上部がスモークグレーのツートーン。デュアルファンでカード長が267mmとコンパクトなところも特徴だ。ゲーミングの場合、メインのビデオカードは大型で目立つ用にという考え方もあるが、大きいゆえに見せたいところを隠してしまうというジレンマも生じる。ビデオカードのサイズは念頭においておくのがよいだろう。
なお、完成写真のとおりLED非搭載のため、組み立て後、ケース内でここだけやや暗いところは心残りだった。ASUSTeKのWhite EditionビデオカードでLEDを搭載しているのはGeForce RTX 4090またはRTX 4080モデル。一方、暗さが気になるだけならケース底面にLEDストリップを追加して照らし出す手法もある。
マザーボードはホワイトの面積が広いほうが映える!
マザーボードは「ROG STRIX Z790-A GAMING WIFI D4」を用いている。ASUSTeKでホワイト(系)のマザーボードはROG STRIXシリーズの一部モデルとPRIMEシリーズがある。
ASUSTeKのホワイト(系)マザーボードは、Intel CPU向け、AMD CPU向けどちらも展開されている。なんなら上位の「Z」や「X」チップセット搭載モデルだけでなく、メインストリーム向けの「B」チップセット搭載モデルもある。この点で選択肢豊富だ。
今回のROG STRIX Z790-A GAMING WIFI D4はROG STRIXのゲーミングデザインそのままホワイト/シルバー配色になったモデルだ。決め手は「ホワイト」部分の面積が広いこと。
なお、製品名末尾のD4のとおりDDR4メモリ対応モデルだが、ホワイトPCを組む上で意外とここが落とし穴となるのは後ほど説明しよう。
CPUとメモリの選択。メモリ4枚でスロットを埋めると見映えがよい
CPUはCore i7-13700Kを組み合わせている。Pコア8基、Eコア8基で計24スレッド。GeForce RTX 4070を搭載するゲーミングPCとして性能に不足はない。ポイントは「7」グレード。AMD AM5向けマザーボードなら、Ryzen 7でよいだろう。ただ、ここは用途や組み合わせるGPU次第で、配信もしたいとなればマルチスレッド性能に優れる「9」グレード、フルHDゲーミングなら「5」グレードでよいと思う。
この流れでメモリを紹介していこう。ホワイトのメモリを調達するのはラクだろうとたかをくくっていたが、DDR4の場合は状況が変わっている。「たしかあのメーカーからホワイトのメモリが出ていたはず……」と調べてみても在庫なし、販売終了が増えているのだ。選択肢という点ではすでにDDR5のほうがホワイトメモリを選びやすい。
DDR4のホワイトメモリでDDR4-3200以上という限られた選択肢の中から、今回は見た目もよく信頼性もあるTEAM GROUPの「DELTA RGB DDR4 DESKTOP MEMORY」(TF4D432G3600HC18JDC01)を組み合わせた。動作モードはXMPがDDR4-3600、SPDがDDR4-2400。容量は1枚あたり16GBで今回は4枚、計64GB搭載した。
重要なのが4枚という点だ。メモリスロットは黒く、4スロット並んでいる。通常、2枚で済ませることが多いのだが、ホワイトPCでは空きスロットのブラックが非常に目立つ。全スロットを埋めるのが理想だ。
今回は16GB×4枚を組み合わせたが、コストを抑えるなら8GB×4枚の組み合わせもよいだろう。ただし、CPUによっては4枚挿すとクロックが低下するものもあるので、パフォーマンスを気にする方はOCに強いマザーボードと組み合わせたい。
誰でもきれいに配線できるROG RYUJIN III
CPUクーラーには空冷と水冷(一般向けには簡易水冷)があるが、今回のCore i7-13700Kに組み合わせるなら水冷で、その中でも大型で冷える製品ほどよい。
今回選んだのは「ROG RYUJIN III 360 ARGB」。ASUSTeKの簡易水冷CPUクーラーの中でもハイエンドモデルなので高価だが、水冷ヘッド部分にLCDを備え、ここにアニメーション表示もできる。ほかにもいくつかポイントがあるので紹介しよう。
まずマグネット式の連結機構を備えたファンが配線をラクにしてくれる。PCを組む際、配線を隠す作業は意外と時間がかかるもの。途中であきらめている方も多いだろう。本製品なら大丈夫だ。
また、本製品はラジエータの薄くやわらかなフィンを守る樹脂パーツが装着済みで出荷されている。守ってくれるのは主に輸送時なので100%ではない(自動車バイクに詳しければご存知と思うが、製造時のフィン曲がりは避けられない)とはいえ、ここを気にされる方はASUSTeKのこうしたこだわりにも注目しよう。
電源ケーブルや端子もホワイトならさらに見映えUP!
電力に関するパーツが出揃ったので、電源について説明しよう。ASUSTeKではホワイトの電源も展開している。今回組み合わせたのは「ROG-STRIX-850G-WHITE」だ。製品名のとおり末尾に「-WHITE」とあるのが目印になる。現時点で「WHITE」が850Wモデルのみなのでこれ一択だったが、今回の構成では出力的に余裕がある。80PLUS Gold認証のほか、Axial-techファンに0dBテクノロジーも搭載されているので静かだ。
本製品でとくにポイントと言えるのが、ホワイトのケーブルとホワイトの端子だ。まずケーブルがホワイトなので、ホワイトPC自作でよくある「ホワイトの延長ケーブル」が不要だ。ホワイトの端子は、結局のところマザーボードやビデオカード側の端子がブラックなので、ブラックの面積をできる限り抑えるという点では有効だ。
「見せるケース」で最後の仕上げ。見せるPC自作時の注意点も
ケースは「TUF Gaming GT502 WHT」を選んでいる。ホワイトのケースは選択肢豊富なので選びやすいと思われるが、ここは今回用いたTUF Gaming GT502 WHTのポイントを紹介しよう。
TUF Gaming GT502 WHTはゲーミングケース。正面からの見た目もよいが、どちらかと言えば左側面を見せるデザインだ。前面および左側面をガラスパネルとし、ビデオカードの縦置きレイアウトにも対応している。ラジエータも側面から見えるレイアウトが可能。また、ファブリック製のキャリーハンドルもデザイン面での特徴に挙げられるだろう。
内部はデュアルチャンバー設計として、正面から見て左をマザーボードスペース、右を電源やストレージ、あるいはラジエータを搭載することもできるスペースと分けている。ラッチ機構やマグネットを用いたツールレス設計により外装の着脱もかんたんだ。組み立てやすいのはもちろん、実際にパーツを組み込む際に窮屈感はなく、余った配線を隠すスペースも十分で、見せたいものを見せ隠したいものを隠せるケースと言えるだろう。
今回は見映えのためにビデオカードを縦置き配置にしたが、PCI Express x16用の延長ケーブルは付属しない。今回はEZDIY-FAB製のものを用意した。x16用延長ケーブルは大手からマイナーまでさまざまなメーカーから販売されているが、信号速度が速いためできれば信頼できる大手メーカーのものを選びたい。その上で、PCI Expressの世代も重要。PCI Express 4.0 x16対応のものもあればPCI Express 3.0 x16対応までのものもある。カラーリングについては、今回用いたものはブラックだが、探せばホワイトの製品もあり、基盤部分にLEDを搭載するハデなものもあるようだ。
そして冷却。実はTUF Gaming GT502 WHTにケースファンは付属しない。今回は別途、3基のファンにARGBコントローラもセットになった「TUF GAMING TF120 WHITE ARGB 3IN1」を用意した。
1つポイントを挙げると、TUF GAMING TF120 WHITE ARGBのファンと簡易水冷CPUクーラーのROG RYUJIN III 360 ARGBのファンは同系のホワイトだ。ホワイトのケースファンと言っても、メーカーや製品によっては若干色味が異なることがあるので注意したい。筆者の手持ちのホワイトケースファンは若干ベージュ寄りで、今回の作例には合わなかった。
最後にエアフロー。今回の作例は見せる方向性で組んでいるので、実際の運用には適さないかもしれない点、ご了承いただきたい。ファンで見映えがよいのは表面だ。裏面を向けて装着するとハブモーターを支える構造が目立ってしまう。こうした点を踏まえ、それなりに目につく背面ファンは排気(表面)、前面や側面からはそこまで目につかない天板部2基のファンは吸気(裏面)として、いちばん目立つラジエータの3連ファンを排気(表面)とした。こうして全体では負圧のキャラクターになっている。
負圧はやっかいで、一番困るのがフィルターのないパンチホールからホコリを吸い込んでしまうことだ。TUF Gaming GT502 WHTの天板、底面、右側面にはフィルタが備えられているが、背面はパンチホールのみでファン装着部以外にも穴がある。よって、多少見映えを損なうことになるが、実運用ではいくつかのファン(ラジエータ部だろうか)を吸気(裏面)として、正圧のキャラクターにもっていったほうがよいだろう。
レインボーもよいがホワイト発光も見てほしい
冒頭ではレインボー発光時の写真を掲載したが、今度はホワイト発光時の雰囲気もごらんいただきつつ、作例の感想や組み立て後に気づいたところを紹介していこう。
内部全景写真のとおり、今回のテーマであるホワイトの面積比はかなり大きくとれた。とくに効果的だったと思うのがメモリを4本揃えたところだ。この部分のブラックはやはり目立つ。
また、ROG RYUJIN III 360 ARGBの水冷ヘッドのアニメーションも、組み上がってみると意外とアクセントになっている印象だ。ROG STRIX Z790-A GAMING WIFI D4のVRMヒートシンクのミラー部分も、背面ファンのLEDを反射して美しいと感じた。
一方で、こうして光らせてみると、もう少しLEDパーツを追加したもよいと感じた。とくに暗いのはビデオカード部分。先でも触れたが、LEDストリップを追加してもよかったと思う。ただ、こうしてLEDパーツを追加していくとARGB LEDハブも必要になってくる。ホワイトPCやLEDにこだわりだすとキリがない。
また、ケーブル配線をもう少しきれいにできれば、見映えも向上したかもしれない。COMPUTEX TAIPEI 2023では、端子類を裏面に配置したマザーボードや、12VHPWR端子を露出させない設計のビデオカードが展示されていた。そうした製品が登場してくれば、見せるPCはさらに見た目のよいものになるだろう。
今回の作例で気になったのはスリーブケーブル。串などを使って整えてやればさらにきれいにできたと、組み立て後に気づいた。もう1つはPCI Express 8ピン補助電源ケーブルの分岐側。ケーブルの硬さもあり、ビデオカードの上に飛び出てしまっている。予算に余裕があればここだけ延長ケーブルを用いてやることで、これを隠せたと思う。
こだわりだすと終わりがない。ホワイトPCに限ったものではなくブラックPCでも同様だ。自作PC自体、見た目だけでなくパフォーマンスについても、多くの方がPCを組み上げた時点で早くも次のアップグレードビジョンに思いを馳せているくらいではないだろうか。それも正しい自作PCの楽しみ方だ。
かっこいい&性能もよし
最後にベンチマークで計測したパフォーマンスを紹介しよう。用いたベンチマークはULの「PCMark 10」、「3DMark」、ゲームタイトルは「Cyberpunk 2077」、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」、「Forza Horizon 5」、「Horizon Zero Dawn」。
Core i7-13700KにGeForce RTX 4070という組み合わせどおりのPCMark 10スコアで、ホーム、ビジネス、ゲーミングだけでなく、クリエイティブ用途でも高いパフォーマンスが得られるPCに仕上がっている。
ゲーミングパフォーマンスもWQHD~4Kがイケる。WQHDについては高画質設定でも大丈夫。4KについてはDLSSが利用できればDLSSのパフォーマンス設定がオススメ。ベースの画質設定は中あたり。現実的にはWQHDのげーミミングディスプレイがちょうどよい組み合わせと言えるのではないだろうか。本文中で説明したとおり、ASUSTeKのホワイトビデオカードには今回用いたものの上位下位GPUモデルがあるので、4K高画質にもフルHDコスパ重視にも変えられる。本作例が、夏休みに組む自作PCのアイデアにつながれば幸いだ。
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2023-08-02 21:16:00Z
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