Minggu, 10 Maret 2024

SF作品の世界がいよいよ現実に…月で自給自足、小惑星は「天文学的な」宝の山 - 読売新聞オンライン

 [New門]は、旬のニュースを記者が解き明かすコーナーです。今回のテーマは「宇宙資源」。

 小惑星でロボットを使って希少な鉱物を採掘したり、月面を掘削して取り出した水から燃料をつくったり――。SF作品に登場するような世界が現実味を帯びてきた。手が届かなかった「宇宙資源」を活用するビジネスが生まれようとしている。

 米航空宇宙局(NASA)の新型探査機が昨年10月に打ち上げられた。目的地はプシケと呼ばれる小惑星。約36億キロ・メートルの旅を経て2029年に到着予定だ。

 このプシケ、小惑星のなかでもひときわ変わった組成をしている。金属だらけなのだ。過去に天体が衝突したことで表面が吹き飛び、中身の鉄やニッケルがむき出しになったとみられ、全体の体積の30~60%を占めているという。

 ニッケルは地球内部の核にも存在するが、人が採掘できる場所は限られるため、希少な金属だ。プシケの幅200キロ・メートルに及ぶ大きさなどから単純計算した資源価値は、1000京ドルで、日本円にしてゼロが20個並ぶ15 がい 円(垓は兆の1億倍)。22年の世界全体の国内総生産(GDP)101兆ドルを優に上回る天文学的な数字の宝の山と言える。

 小惑星はこれまでに130万個超見つかっており、その組成の特徴によって分類されている。日本の探査機「はやぶさ2」が地球に試料を持ち帰った小惑星リュウグウは、炭素でできた有機物を含む「C型」。これまでの分析で水も豊富に含まれているとみられている。

 地球では手に入りやすい水や空気も、宇宙や月では貴重だ。ロケットで地球から月へ物を運ぶには、水1リットルあたり1億円ほどの費用がかかるといわれている。水は日常生活で使うほか、電気分解して水素燃料や酸素を生み出せる。月面開発で、世界各国が水資源の探査を急いでいるのも、水の確保が重要課題の一つだからだ。

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2024-03-10 20:00:00Z
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