人工知能によるデジタル九相図。
ひとつのニューラル・ネットワークが作った画像を、もうひとつのニューラル・ネットワークが評価することで、ひとつ目がふたつ目の判断をどんどん欺こうと、より高度な画像を生成する「GANs(敵対的生成ネットワーク)」。
すでに珍しくはない技術かと思いますが、もしこれを作為的に、画像を生成するたびにニューロンのネットワークをひとつずつオフにしていったらどうなるのか?試した人がいます。
しかし試したまでは良いものの、まるで本物の人間が死後、徐々に朽ち果ててゆくようなヴィジュアルに変化していきます。背景にあるのは哲学的かつ芸術的なコンセプトなのですが……念の為、閲覧注意でどうぞ。
この女性は虚構の存在だが……
肉が削げ落ちてゆき、最期はミイラのようになっていきますね。最初の女性はAIが生み出した存在しない人物なのに、まるで彼女が老いていき、死後を本当に骨と皮になるまでまざまざと見せつけられているかのようです。
bOinGbOinGが取り挙げたこの動画のタイトルは、『What I saw before the darkness』。直訳すると「暗闇の前に私が見たもの」ということになりますが、確かに言い得て妙な題名のように思えます。
このプロジェクトの作者のサイトには、ちょっとした詩のようなものが添えられています。
記憶は目撃されることなく消失する。
徐々に消えていき、ある日、漠然とした喪失感だけが残る…。
作者の思惑
VICEによりますと、このプロジェクトは人間の知覚が静かに深く考える様子を鑑みたものだそうです。人が見た周りの世界はすべて、脳を仲介したもの。眼の前にあるものはすべて、認識している通りなのでしょうか?
作者はこのプロジェクトを、あたかも晩年のクロード・モネの目が衰えたため、ぼんやりとした印象だけで絵を描いたことと比較しています。眼と脳を繋ぐネットワークは徐々に変化と劣化を経験しているというのに、我々はそれに気付かないまま生きているのです。ひとつずつニューロンの繋がりが失われていく様は、まるでAIが痴呆症を患ったかのよう。
そしてそれをAIという手法を使い、1分ほどの映像にしたのがコレ、ということなのですね。哲学的なだけでなく、医療の分野にも何かのヒントになりそうな気がします。
Source: Vimeo, AI Told Me via VICEvia bOinGbOinG
https://www.gizmodo.jp/2019/06/what-i-saw-before-the-darkness.html
2019-06-09 09:00:00Z
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