SIEより10月25日発売のPS4ソフト『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア(以下、COD:MW)』。
本作は、2017年に発売された『コール オブ デューティ4 モダン・ウォーフェア』を、現代の世界情勢に合わせて再構築した完全新作です。
ゲームは、1人用のキャンペーンのほか、対戦モードのマルチプレイヤーやCo-op(協力プレイ)モードが存在。すべてのモードは1つの世界観のもとでつながっているのがひとつの特徴です。
アメリカ・ロサンゼルスで開催されたゲームイベント“E3 2019”に合わせ、本作の世界的な発売元であるActivisionはプレス向けのプレゼンテーションを実施しました。
会場では、開発元のInfinity WardからディレクターのJacob Minkoff氏とアートディレクターのJoel Emslie氏が登壇。おもに本作のキャンペーンモードについての解説と、ミッションのデモ映像のお披露目が行われました。
混沌とした情勢下、エリート特殊部隊とその抵抗勢力の2つの立場からストーリーが描かれる
まず今作は、2007年に発売された『コール オブ デューティ4 モダン・ウォーフェア(以下、CoD4)』を再構築した作品であるとのこと。
『モダン・ウォーフェア』は『3』まで続編が作られましたが、ロシア軍がアメリカ合衆国本土に侵攻するなど世界が混沌とした状況になったところで終わっていて、新たに今の時代に合ったものを構築する必要があったとのこと。
登場人物も『CoD4』とは異なっていて、唯一名前だけが共通するプライスも『CoD4』とは別人、ボイスも新たな俳優が演じています。
今日私たちが生きている世界は敵と味方の区別があいまいで、敵が軍服を着ていないこともあれば、戦いのさなかに一般市民が犠牲になることもあります。
今回の『COD:MW』は、そんなシリアスな状況下にプレイヤーを入り込ませ、さまざまなことを体験してほしかったとのこと。
プレイヤーは特殊部隊などの兵士だけではなく、中東で自由の闘士として戦う人物の立場で戦うこともあり、一方の側から見た善悪で語られるストーリーにはなっていません。
モラルのはっきりしない戦場において、プレイヤーがそこで見たこと感じたことに対し、どう対応していくのか考えさせられる作品になっているそうです。
ストーリーは、兵士のなかでもとくに優秀な技能を持つ者への総称“Tier1オペレーター”と、彼らが戦う抵抗勢力の双方の視点から進行。
戦いはTier1オペレーター対抵抗勢力だけではなく、Tier1オペレーター同士のものや旧式兵器を装備した者同士の戦い、さらには抵抗勢力がTier1オペレーターにゲリラ戦を仕掛けるシチュエーションも存在するそうです。
今作では、『コール オブ デューティ』、とくに以前の『モダン・ウォーフェア』シリーズでは定番だった、アサルトライフルの射程で撃ち合う以外にバリエーションのある戦闘状況を採り入れたかったとのこと。
これまでのビデオゲームで体験してきた戦いから抜け出し、ニュース映像で見るような迫真の戦いを感じてほしいと考えてほしいそうです。
ロンドンと中東、異なるシチュエーションで展開するプレイ映像を披露
解説に続いてロンドンと中東が舞台の2つのプレイ映像を披露。披露後に今回はストーリーでもとくにヘビーな部分をピックアップした、という言葉通りいずれもプレイヤーの心に強い印象を与える内容で、開発者が今作にかける意気込みを強く感じさせるものとなりました。
ロンドンでテロリストの掃討を行う“Piccadilly”
最初に披露されたのは“Piccadilly”。ピカデリーサーカスでも知られるロンドンの中心地で起きた爆弾テロのシーンからゲームはスタート。
プレイヤーは、イギリス特殊部隊SASの隊員として、住宅街に潜伏する爆破犯を含むテロリストの制圧に向かいます。
プレイヤーは建物の1階から内部へ突入、狭い屋内で部屋を1つずつ制圧しながらテロリストを探します。問題なのは、ここにはテロリスト以外の住民もいて、彼らとの区別がほとんどつかないということ。
プレイヤーの目の前に現れる住民?には、ただベビーベッドに寝ている赤ん坊を抱えたかっただけの人もいれば、突然銃をこちらに向けてくるものもいてまったく油断ができません。
テロリストが壁越しにこちらを銃撃し、貫通した銃弾に仲間の隊員が倒されるなど非常なハードな戦いが描かれていました。
これらのミッションは、軍事コンサルタントと綿密な打ち合わせをしつつ作られているとのことで、敵の挙動や仲間が送るハンドシグナルなどもしっかり設定されているそうです。
緊迫した状況下で“撃つか撃たないか”をプレイヤー自身が判断するゲームとして今回の『モダン・ウォーフェア』は作られているとのことでした。
中東のエピソードは抵抗勢力のリーダーの過去を描く
続いて披露されたのは“Piccadilly”から20年前を描くエピソード。主人公は抵抗勢力の女性リーダーで、当時は小さい子供でした。
ストーリーはガレキの下に埋まった主人公が目覚めるところからスタート。彼女はまもなく助け出されますが、そのとなりでは母親らしき人物が死んでいる姿が。
母の死体から引き離された彼女は父親と再会しますが、今度は空爆ののちにロシア兵らしき軍隊に襲撃を受けます。
空爆によるものらしき毒ガスのようなものが立ち込めるなか、兵士から逃走するシーンは、あちこちに隠れながら避難場所まで進む一種のステルスミッションとなっているようです。
無事に目的の家まで避難したのもつかの間、今度は家に兵士が押し入り、主人公の父親は撃たれてしまいます。そこからは、主人公とその兄が家のなかを隠れて逃げながら、スキを突いて兵士をナイフやドライバーで倒していく展開に。
最後の1人を奪った銃で倒した2人ですが、父はすでに助からない状態。兵士から奪ったガスマスクを着けて兵士が暴れる町を後にした2人は、ケシらしき植物が美しい花を咲かせる湖にたどり着いたところでデモ映像は終了しました。
『コール オブ デューティ』シリーズは基本的に兵士の物語で、過去作品には敵方の視点で行動するシチュエーションこそあるものの、今回のように戦火を逃れる民間人として行動することは少なかったと思います。
また、ただショッキングが映像表現で人を引き付けるのではなく、理不尽な暴力によって日常を破壊された過去が、抵抗勢力として戦うきっかけとなったことをプレイヤーに強く印象づけるエピソードだと見ていて感じました。
デモ映像をお披露目した後の質疑応答では、ゲーム全体のペースについて緩急をつけるように考えた、とのこと。
最近のアグレッシブに戦うアーケード的なゲームも楽しいけれども、障害物で身を守ることをしっかり意識するとか、進んでいくうちに敵の脅威を肌身に感じていくといった、緊張感のあるシチュエーションを盛り込みたかった、と語っていました。
また、マルチプレイヤーについては、Infinity Wardが取り組むものとしては一番大きなゲームになっているとか。
今作ではキャンペーンとマルチプレイヤー、協力プレイが一貫した世界観でまとまっていることについては、キャンペーンをプレイしてからマルチプレイヤーなどへ進んでもらいたい意図もあるそうです。
キャンペーンをプレイすることで、マルチプレイヤーで戦う陣営がなぜ対立しているのかも理解できるとのことでした。
最後に、今回のプレゼンテーションでは、あえてヘビーなエピソードを見せていて今作についてダークな印象を受けたかもしれませんが、登場人物の人間味が感じられるシーンもあれば、ライトな部分もあるそうです。
さらに、ラストには非常にパワーのある展開がまっているとのことなので、発売日が非常に待ち遠しいところです!
(c) 2019 Activision Publishing, Inc. ACTIVISION, CALL OF DUTY, and MODERN WARFARE are trademarks of Activision Publishing, Inc.
https://dengekionline.com/articles/3506/
2019-06-13 12:45:00Z
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