Jumat, 13 Maret 2020

【独占】『ポケモンGO』ダークライ問題を経て開発陣が目指すGOバトルリーグとポケ活の未来 - ファミ通App

トレーナーの不安を解消するための意見交換

3月6日から9日まで『ポケモンGO』にあるコンテンツのひとつ、オンラインでトレーナー同士が戦う“GOバトルリーグ”に、ダークライというまぼろしのポケモンが報酬枠に登場。本タイトルでは、初めて色ちがいのダークライを入手できるチャンスとあって、多くのトレーナーがGOバトルリーグにチャレンジした。

しかし、当初予定していた9日22時の終了時間が告知なく21時に前倒しというトラブルが発生。具体的な詳細がアナウンスされるまでの約3日間、トレーナーたちのあいだで数々の不満が爆発した。

そこで本記事ではポケモンGO&Tokyo Studioグローバルマーケティングリード須賀健人氏にその経緯と問題点。さらにGOバトルリーグと今後の展開などを、フリーライターの深津庵が直接聞いてきた。

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トレーナーの声に向き合い改善を目指す

まず最初に、今回の意見交換は現在拡散を続ける新型コロナウイルス問題を考慮し、ビデオ会議で実施。本記事に掲載される写真は定点カメラによるものであることをご了承願いたい。

――ダークライがGOバトルリーグの報酬として登場。しかし終了時間に関するトラブルで多くのトレーナーを混乱させる結果になってしまいました。

須賀健人氏(以下、須賀) まず、GOバトルリーグ寄りのイベントが増えていますが、これはこの世界に拡散する大きな事態を踏まえ、その中でできること考えた結果でした。その中で多くの方にご迷惑をおかけしてしまっていることは本当に申し訳ないと感じています

――いま世界が向き合っている大きな問題の中、少しでも『ポケモンGO』を楽しむための対応なんだと私は感じています。とはいえ、SNSでは賛否の声が上がっていますよね。

須賀 おそらく最近では1番といっていいくらいSNSに目を通しています。その中で今回トレーナーさんたちからの叱咤激励、ポケモンに対する想いを改めて聞くことができました。

――印象的だったものはなんでしょう?

須賀 GOバトルリーグを中心に展開していたことについて、“『ポケモンGO』は外に出るゲームでしょ”という声が多かったことですね。我々Nianticのテーマがトレーナーのみなさんに伝わっていたことが本当にうれしかった。『ポケモンGO』にはたくさんの選択肢があり、GOバトルリーグはそのひとつです。いま世界的にとてもつらい状況にありますが、従来の体験が1日でも早く戻ってくることを願いつつ、気分転換に役立てていただけたらと考えています。

――先日3月12日に発信された“3月のゲーム内コンテンツの内容に関して”というアナウンスの中で、“私たちは『ポケモン GO』の楽しみ方はトレーナーのみなさんの数だけあると考えています”という一文がありました。その言葉に対して「安心した、ちゃんと理解してくれている」と感じたトレーナーも多かったなと思うんですよね。

須賀 今回、ダークライに関する問題で多大なご迷惑をかけてしまったこと。それに対するお詫びと今後の対応についてのアナウンスでしたが、どうしてもあのメッセージを伝えたかった。いまこのタイミングであることが正しいか悩みましたが、みなさんの声を通じて多くのことに気付かされました。いずれこの状況が収束したとき、我々に何ができるのか。もう1度、外に出るきっかけを作ることができればと考えていますし、そのときがきたら我々も全力でお手伝いしたいですね。

――まず、先日のアナウンス。発表まで約3日かかってしまいましたが、どういったやり取りがあったのでしょうか?

須賀 率直に申し上げるなら後手に回ってしまった。この想定外の世界的状況下でみなさんに正しく伝えるにはどうすべきか、当初から多くの議論がかわされていました。ダークライに関連した我々の問題、そして日々変化する世界が抱える問題に各国のスタッフが向き合い、その結果アナウンスが遅れてしまったことは本当に申し訳なかったと感じています。

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▲おこうの効果が2倍になる期間の延長、1コインでおこう30個が購入できるなど、この事態が続くあいだはこうしたケアも継続するのかという質問に「少しでもみなさんが楽しんでいただける努力を続けていきたい」と須賀氏。イベントスケジュールも随時見直しながら、不安を感じないでプレイしていただくための施策を進めていくようだ。

GOバトルリーグの改善点と可能性

――GOバトルリーグにさまざまな報酬が存在します。その中でも先日までのダークライ、シーズン1でいえばマスクド・ピカチュウなどは、バトルに興味がない人でも欲しいという声があります。しかし、獲得できる確率の問題から不満も多く、「ハードルを下げてほしい」、「有償チケットを使ったら確定に」という声もありますが。

須賀 その点については社内で議論を続けているところです。PvPが苦手という方がいることも認識していますし、そうした考えを持たれている方が『ポケモンGO』では多いのかなとも感じています。私自身、いまでこそGOバトルリーグにハマっていますが実装以前は抵抗があったのでそうしたみなさんの想いは理解しています

――GOバトルリーグが重荷になってしまったトレーナーもいますよね。

須賀 この状況下ですべてをストップしてしまうよりは、少しでもプレイできる環境を作りたかった。しかし、この判断がトレーナーによっては大きなプレッシャーになってしまったり、「報酬のために仕方なく」というコメントをいくつも目にして反省しています。

――GOバトルリーグに重点を置いていくわけではない?

須賀 いまはGOバトルリーグを中心にしたイベントが多いですが、先日のアナウンスにある通り、楽しみかたはトレーナーの数だけあると考えています。もちろん、GOバトルリーグを1人でも多くの方にチャレンジしてもらいたいという思いはあります。さきほど申し上げた通り、私も最初は苦手だったのですが多くのポケモンが活躍できること、持っていないポケモンへの興味が高まるなど、“外に出る”という根底にあるコンセプトにより大きな意味を感じられるようになりました。

――本来、GOバトルリーグは規定の距離を歩くことから始まるわけですもんね。

須賀 その通りですね。苦手に感じる方も多いと思いますが、安心して外出できる日常が戻ったとき、ぜひチャレンジしていただけたらうれしいですね。

――そのころまでにバグやラグといった問題も……。

須賀 先日から新しいクライアントを導入しまして一部のバグは改善されています。ただし、世界中のプレイヤーがバトルする機能ですので、それぞれの通信環境の違いがあり、すべてを改善できたわけではありません。今後もみなさんの声を参考により良い環境作りを目指していきます。

――ちなみに、スペシャルアタックについてのラグは硬直時間ですよね?

須賀 そうですね、ノーマルアタック中の硬直。もしくは対戦相手のスペシャルアタックがすでにたまっていたなど、スペックに起因するものがバグに感じてしまっているのだと思います。ただし、それをしっかり我々が説明できていない。また、ユーザーインターフェイスに問題があると考えており、改善すべきだと話し合っているところです。

――GOバトルリーグの報酬はPvPに役立つ“ほしのすな”、ポケモンの獲得は従来通りのスタイルや大発見など、どこかに棲み分けが必要だという声もありますが。

須賀 その点に関してもどうしていくべきか話し合いを進めています。しかし、例えばほしのすなを増やす場合、その量を誤ればゲーム体験のバランスを崩してしまう恐れもある。足りないから増やすという簡単なものではないので、慎重に検討を続けていきたいですね。

――報酬がランダムではなく段階ごとに確定であれば、それに向かって頑張ろうという気持ちになれるかなと思うんです。

須賀 その件についてもすでに社内では話し合いが進んでいます。ランダム性をゼロにするということはないと思いますが、もう少し確実に報酬を目指せる仕組みを検討していますので、もうしばらくお待ちいただければ。

――ズルッグが今後大発見など別の方法で捕獲できるようには?

須賀 いますぐというわけではありませんが、みなさんからのそういった要望を受け止めながら検討していきます。また、これは私の想いなのですが、やはりGOバトルリーグにチャレンジしてもらいたいんですよね。最初は相性など難しい点もありますが、さきほどもお伝えした通り改善を進めていきますのでぜひ!

――ダークライが交換可能に、なんてことは?

須賀 やはり“幻のポケモン”ということで扱いが難しいポイントです。こちらに関しても検討は続けていきますね。

――対戦者の選出したポケモンや戦術の非難などでトレーナー名をそのままSNSや動画で拡散。そうした様子からGOバトルリーグを恐れてしまう方もいるようです。例えばネームオフ、ランク7以上など、特定の腕を認められたものがオンになるなど、初心者でも安心してチャレンジできる環境も必要かと感じています。

須賀 なるほど、そういったご意見があるのも理解しています。いま何かお答えできるものはないのですが検討させてください。

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▲上位ランクであることを表す勲章や称号。その功績を示すものがトレーナー名の横に刻まれたらうれしいなという要望に「我々もみなさんが個性を出せる仕組みを取り入れたいと考えています」と須賀氏。アバターの追加は今後も続くこと、近々いいアナウンスができると教えてくれた。

シーズン1開幕!! 今後のシーズンを予想

――GOバトルリーグシーズン1、注目のポイントは?

須賀 マスクド・ピカチュウですね。これを捕獲できる方がどれだけいるかわかりませんが、強者の印として胸を張って相棒にしたいポケモンだと感じています。ちなみにマスクド・ピカチュウは別の方法でも入手できるようになるのでご期待ください。そしてもう1つが“すごいわざマシン”です。これを使えば覚えさせたい技を選ぶことができますし、“すごいわざマシンスペシャル”ならレガシー技も思い出せる。こちらはGOバトルリーグに限らず、従来のレイドバトルなどでも役立つものなので、せひ狙っていただきたいですね。

――今後のシーズンはどうなっていく?

須賀 お台場の東京ビッグサイトで開催された“東京eスポーツフェスタ”で公式大会を行いました。そうしたものを今後も展開していきたいと考えています。GOバトルリーグはもちろん、トレーナーバトルでは実際にお互いの顔を見ながら楽しむのも1つの魅力だと思います。例えば、GOバトルリーグで腕を磨き、トレーナーバトルで面と向かって大会に挑む。そんなイベントもいいよねというビジョンは我々も持っています。

――各エリアで上位5名を選出、全国から集まった強者たちが一堂に会して頂点を目指すなんてシーズンもあったら熱いですね。

須賀 そうですね、いろいろな可能性を模索していきたい。いま、この世界が特殊な状況にあり、GOバトルリーグを中心にしたアナウンスが多くなっていますが、従来のスタイルを望むトレーナーが楽しんでもらえるものを忘れてはいませんのでご安心ください。

――話が脱線してしまいますが、セントルイスサファリゾーンの延期に伴い、チケット所持者は開催期間、どこにいても対象ポケモンが捕獲できることになりました。これまでサファリゾーンの開催に合わせて、世界中で特定のポケモンが大量発生するといったボーナスがありましたが、今回はあくまでもチケット所持者のみのサポートなのでしょうか?

須賀 現時点では考えていないのですが、お声としていただくということで。

――やはりゲーム内通知、とくにイベントに関わる不具合の報告などは、迅速にアナウンスすべきだと感じました。

須賀 ダークライの件に関しては本当に申し訳ないことをしてしまったと痛感しています。ゲーム内通知に関しては徐々に改善していますが、それでもまだ望まれる状態に達していないことは理解しています。

――Nianticがグローバルで展開していること、ほかのモバイルゲームとは運営体制がまったく違うことはわかります。国ごとに個別の対応を瞬時にできないのも理解できるのですが、原因の詳細はともかく、今回のダークライでいえば21時で終わってしまった段階で、早急に問題が発生していることだけでも通知があれば、混乱を最小限に抑えることができると思うんですよね。

須賀 おっしゃる通りです。少しずつではありますがゲーム内通知に関しては今後も改善が必要だと考えていますので引き続きよろしくお願い致します。

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▲ゲノセクトのスペシャルリサーチ。現状国内も3月中の開催を予定しているのかという問いに「現状では開催を予定している」と須賀氏。日々状況が変わっているので変更される可能性はあるが、少しでも前向きになれる動きを感じられた。

さて、筆者は今回GOバトルリーグにダークライが登場したのは、あくまでも外出を控えざるを得ないいま、自宅でも『ポケモンGO』をプレイできる環境をNianticが用意してくれた特別なものだと認識している。

『Ingress』や『ハリー・ポッター 魔法同盟』を含め、本来は外に出て楽しむことをテーマに掲げているNianticにとって苦渋の決断だったのだろう。

いずれこの世界に広がる問題が終息、安心して外出できるようになったとき、コミュニティディや多くのイベントが動き出す。

そのときまた、現地で多くのトレーナーと同じ時間を共有、交流できる日を期待しよう!!

P.N.深津庵
※深津庵のTwitterはこちら

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2020-03-13 10:45:00Z
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