2018年12月以来、米国航空宇宙局(NASA)の探査機「オサイリス・レックス(OSIRIS-REx)」は、小惑星ベンヌ(Bennu)の上空を周回しており、ベンヌの化学的性質と地質についてより多くのことを明らかにしようとしてきた。それには、もっともな理由がある。「ベンヌはタイムカプセルです」と話すのは、NASAの科学ミッション局(SMD:Science Mission Directorate)のトーマス・ザブーケン局長だ。「ベンヌは45億年前から存在しており、その環境の歴史を包含しているのです」。
長さ1640メートルのベンヌや他の同様の小惑星を詳細に調査すれば、地球のような惑星の形成、そして最終的には生命の誕生につながる材料が、どのように1つに集まるのかを解明できるかもしれない。そしていよいよ、ちょっと難しい調査が始まる。ベンヌの表面からサンプルを採取するのだ。
オサイリス・レックスはすでに、ある程度の成果をあげている。2年足らずの調査により、ベンヌが有機物と含水鉱物を豊富に含有することが明らかになり、かつて大量の水がベンヌの内部を流れていた可能性があることが分かった。また、破片を放出することで質量を失っている「活動」小惑星であることが確認されている。さらに、当初の予想に反して、砂浜のような微粒子で形成されているのではなく、表面が巨礫に覆われていることも判明した。起伏に富み、岩だらけで、ゴツゴツしている。
だが、これらの発見はすべて、ベンヌのサンプルを地球に持って帰還し、科学者が研究室で調査して分かることに比べれば、色あせてしまうだろう。まさにそのことを成し遂げるために、オサイリス・レックスは10月20日(日本時間21日)、小惑星の地表まで降下し、表面からの岩石や塵の採取を試みる。地球から3億200万キロメートル以上離れた場所での緊張に満ちた4時間半にわたるサンプル採取は、NASAの試みの中でも、これまでで最も難しいものの1つとなるだろう。そして採取後は、3年かけてサンプルを無事地球に持ち帰ってこなくてはならない。
小惑星から試料を持ち帰る「サンプルリターン」ミッションについては、すでに耳にしたことがあるかもしれない。日本の「はやぶさ2」ミッションは小惑星リュウグウのサンプルを採取し、今年の12月にサンプルを地球に持って帰ってくることになっている。だが、高速の弾丸を発射してサンプルを採取したはやぶさ2とは異なり、オサイリス・レックスは「リバース・バキュームクリーナー(逆掃除機)」とも言える装置を使用する。
この装置は、「タッチ・アンド・ゴー・サンプル採取メカニズム(touch-and-go sample acquisition mechanism)」、略して「タグサム(TAGSAM)」と呼ばれる。タグサムは長さ約3.4メートルのアームで、先端に採 …
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2020-10-19 21:55:17Z
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