火星からの便りが、また届きました。
ちょっと前に公開された火星からの音声データは、火星探査の歴史を塗り替えました。なにせ、地球から送り込まれた探査車「パーサヴィアランス」が火星の岩目がけてレーザーを発射している様子が、音とともにくっきりと浮かび上がってきたのですから。
映画の世界ではなく、CGでもなく、別の惑星にリアルに存在している地球製のロボットが、異世界の風の音を届けてきてくれている。これまでは無音だった遠い情景が、一気に現実味を帯びました。
さて、NASAが3月18日付で公開したのは、相変わらず赤い惑星でせっせと仕事しているパーサヴィアランスが録音したこんな音です(16分あります)。
16分間も聞いてられないよっていう忙しい現代人のために、NASAが90秒のハイライト版にまとめてくれたのがこちら。
きしむホイールの音。凹凸を乗り越えた反動で車体がはずむ音。そう、パーサヴィアランスは今火星の荒野でテスト走行している真っ最中なんです。
「パーサヴィアランスの画像を見る人のほとんどは気づかないんですが、ホイールは金属製です」とNASAのジェット推進研究所で探査車のエンジニアとして働くVandi Vermaさんはプレスリリースで語っています。
「だから、このホイールで岩の上を走行すると、かなりうるさいんですよ。」
また、「Mars 2020」ミッションのEDLカメラとマイクを担当している主任エンジニア、Dave Gruelさんは、
「もし自分の車を運転していてこんな音を聞いたら、心配になってすぐに路肩に停車してレッカー車を呼ぶでしょうね。でも、火星の状況をちょっと想像してみると、必然的にこういう音になるのは理解していただけると思います」と説明しています。
ちなみにこの「SuperCam」に取りつけられているマイクは、本来ならば着陸時に本領発揮するはずだったのですが、なにかしらの理由で作動しなかったそうです。代わりにパーサヴィアランスが無事火星に降り立った今、現地からの生の音を届けるという人類史上初めての重要な任務を果たすことになりました。
今後2年間にわたって科学的調査を展開するパーサヴィアランスには、地球人よりもよっぽど過密なスケジュールが組まれています。目下のミッションは、ジェゼロクレーター内を移動しながら生命の痕跡を探すこと。そのための準備として、パーサヴィアランスはつい先週およそ30メートルのテストランを敢行しました。今後もシステム点検を行いつつ、サイエンスフェーズに向けての調整が続きます。
ところで、この音声ファイルを通して絶えず聞こえているやや高めな機械音。NASAにも音の正体がわからないそうです。ひょっとしたら電磁波が干渉しているせいかもしれませんし、探査車自体に組み込まれているモビリティーシステムが火星の表面と作用して作り出しているかもしれないとのこと。正体不明の音が含まれているだなんて、ほんとゾクゾクしますね!想像力を働かせて音の正体を探ってみるのも、また楽しい聞き方かも。
Reference: NASA
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2021-03-23 13:00:00Z
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