Sabtu, 20 Maret 2021

カラー対応のE Ink電子ペーパーディスプレイを搭載したAndroidタブレット「Boox Nova 3 Color」を辛口レビュー - ギズモード・ジャパン

実用レベルに追いついてない?

目に優しく、屋外など明るいところでも見やすいと評判な電子ペーパー。白黒の読書端末としては最適であっても、やはり人は多くを求めてしまうものです。最近では、E Inkからカラー表示に対応した電子ペーパーディスプレイが次々と提供されており、気になっているギズ読者の皆さまも少なくないのでは? 新たにAndroidタブレットへ、カラー対応のE Inkディスプレイを採用した「Boox Nova 3 Color」を、米GizmodoのAndrew Liszewski記者が、早速入手してレビューしてくれていますよ。


すでに「PocketBook InkPad Color」という、カラー電子書籍リーダーでレビューされていたように、漫画や雑誌を、より大画面でカラーのE Inkディスプレイで楽しめるようになりました。一方、Boox Nova 3 Colorは、電子書籍リーダーの進化を狙ったのではなく、E Inkの新しいカラー表示の電子ペーパーディスプレイを、Androidタブレットに載せるとどうなるか? そんなアプローチの違いによって、多機能で強力な電子書籍リーダーが誕生しました。ただし、販売価格が高いせいで、タブレットとして使いこなすには機能が限定されすぎて不満が残ってしまうというのも正直なところですけど。

E Inkが手がけたカラー対応電子ペーパーディスプレイは、同技術としては2代目に当たる「Kaleido 2」を採用しており、6インチディスプレイのPocketBook InkPad Colorが、その最初の搭載製品となりました。ただし、6インチというサイズは、まだ漫画をリサイズして表示するにも小さすぎて、十分に使える製品ではありません。一方、7.8インチサイズのディスプレイを搭載したBoox Nova 3 Colorは、通常のLCDパネルやOLEDディスプレイが抱える、バッテリーのもちの悪さという問題点を解消しつつ、多機能なタブレットを完成させるという目的で登場。しかしながら、あまりにもまだE Inkのカラーディスプレイではできないことが多すぎて、あえなくその目的は達成半ばのままです。

Boox Nova 3 Color

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これは何?:LCDやOLED非採用で、代わりにE Inkの第2世代のカラー電子ペーパーディスプレイを採用した、Android 10タブレット

価格:420ドル(約4万5800円)

好きなところ:Snapdragon 636オクタコアプロセッサの採用により、電子書籍リーダーとしては、もっとも反応がよく最速性能。Google Play Storeが普通に使えるAndroid 10が搭載されているため、どの電子書籍リーダーでもインストールできる。

好きじゃないところ:文字や画面がぼやけたり影になる、ディスプレイのゴースト問題に悩まされる。電子ペーパーの性能が限られているため、ゲームやビデオ再生といったタブレットの性能も制限される。UI(ユーザーインターフェース)には、さらなる改善の余地がある。

使い勝手は悪くないんだけど…

デュアルコアの1GHzプロセッサにLinuxベースのOSというPocketBook InkPad Colorとは異なり、Boox Nova 3 Colorには、カスタマイズされてはいるものの、Android 10がOSに採用されており、オクタコアSnapdragon 636プロセッサが搭載されています。ですから、CPUパワーの差が一目瞭然ですね。ほかの電子書籍リーダーと似たり寄ったりではありますが、PocketBook InkPad Colorの動作はぎこちないです。でも、Boox Nova 3 Colorは、ファイルサイズの大きなPDFであっても、サクッと一瞬で開いてくれますよ。ページもスムーズにめくれますし、タップ操作から実際にディスプレイ上で反映されるまでに、もたついて待たされるということはほとんどありません。

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Photo: Andrew Liszewski(Gizmodo US)

PocketBook InkPad ColorもBoox Nova 3 Colorも、まったく同じ世代のE Inkディスプレイを採用しています。つまり、白黒モードの解像度は300PPIなのに対して、カラーモード100PPIの解像度に、どちらもとどまってはいるのですが、こうして比べてみると、右側のPocketBook InkPad Colorのほうが、より精度が高く鮮明にも見えますよね。なぜなら、Boox Nova 3 Colorは、スタイラスをフル活用すべく、スクリーンレイヤー層が加わっているからです。

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Photo: Andrew Liszewski(Gizmodo US)

Boox Nova 3 Colorは、ただ電子書籍リーダーとしてではなく、電子ノートブックとしても使えるという点が、PocketBook InkPad Colorに勝る大きなアドバンテージでしょう。これぞAndroidをOSに採用し、より高速なCPUが必要たる所以でもありますね。

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Photo: Andrew Liszewski(Gizmodo US)

標準装備されているスタイラスは、ごくごく一般的なものなので、サードパーティ製のものに入れ替えて使うことも可能です。とりたてて優れたスタイラスというわけではないのですが、Apple Pencilやソニーがデジタルペーパー向けに出しているスタイラスとは違って、充電不要なのはいいですね。あと消しゴム機能も標準でついてて、メリットは大きいのですが、残念なのは、タブレット本体のどこにも格納スペースが用意されていないところでしょうか。スタイラススロットやマグネット式でピタリとくっつけられるなどの工夫がほしかったです。オプションで専用ケースでも購入しなければ、この問題はつきまとってしまうことでしょう。

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Photo: Andrew Liszewski(Gizmodo US)

電子ノートブックとしては、すでに「reMarkable 2」が好評ですけど、Boox Nova 3 Colorの使い心地は、そこに迫るものでもあります。どちらで書いても、反応のよさは同じようにも感じられるでしょう。スタイラスで書いたのに、ディスプレイ上では遅れて表示されるなどということも、どちらもありません。Boox Nova 3 Colorが、フロントライトを実装し、カラーでノートが取れるようになったというアップグレードは、なかなか評価できるところです。ファイル管理やドキュメントの同期、UIなどで比較すると、reMarkable 2には及ばないものの、個人的には十分にBoox Nova 3 Colorは、電子ノートブックとして使えるなと満足でした。

イマイチなところが多い…

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Image: Andrew Liszewski(Gizmodo US)

Boox Nova 3 Colorには、Android 10がOSに採用されているので、Google Play Storeを使いこなせます。Androidタブレットで使えるアプリであれば、基本的にはなんでもインストールして使い倒せるというわけですね。電子書籍リーダーとして使いこなしたければ、Amazon Kindleであれ、楽天Koboであれ、どれでも自由に選べるというわけですから、大いに選択肢も広がって便利です。ただし、そのほかのアプリを使おうとした途端、E Inkの電子ペーパーディスプレイへの不満が一気に嵩じてしまいそうですよ。まだ単純なソリティアのようなゲームアプリならよいものの、YouTubeの動画など見ようものなら…ためしに公開されたばかりのディズニー映画のRaya and the Last Dragon(ラーヤと龍の王国)を視聴しようとしましたが、これは目に悪すぎです…。

Boox Nova 3 Colorのディスプレイは、アプリごとにリフレッシュレートを調整したりできますけど、どんなに設定をいじっても、もはやアクションゲームやムービーには対応不可能というレベル。E Inkのディスプレイそのものが、高速表示にはついていけませんし、それゆえに、電子書籍リーダーや電子ノートブックとして使う以外は難しいかもしれませんよね。

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Photo: Andrew Liszewski(Gizmodo US)

ちなみに、ただE Inkの電子ペーパーディスプレイ性能が悪いというわけでもありません。Android OSが独自にカスタマイズされてはいるのですが、このレベルが不十分。使いものにならないわけでもなく、まったく設定を変えられないわけでもないのですが、KindleやKoboと比べても、完成度が低く感じられます。そのうち慣れはしますが、そもそも直感的に使えるUIではなく、あまり使い心地はよくないですね。

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Photo: Andrew Liszewski(Gizmodo US)

その一例として、Boox Nova 3 Colorのホームボタンが挙げられます。といいますか、こうして本体下部中央に備わっていれば、普通はホームボタンと思うはずです。でも、実際には、Androidの「戻る」ボタンとして機能するんですよね。ちなみに、このボタンの機能は、一切カスタマイズできないようです。ディスプレイの下から上へスワイプ操作をするなどして、ホーム画面へジャンプする方法は用意されてはいるのですが、どこかハードウェアボタンをワンプッシュでジャンプできるようにしてくれたら、そのほうがよほど使いやすいのに…。

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Photo: Andrew Liszewski(Gizmodo US)

Boox Nova 3 Colorは、USB-Cポート充電する方式です。でも、残念ながら、microSDカードスロットは装備されていないので、本体の32GBのメモリ容量を拡張することはできません。こんな感じで、いくつか残念な仕様や設定になっているのが、不満に思えてなりませんね。

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Photo: Andrew Liszewski(Gizmodo US)

Boox Nova 3 Colorを、1週間使い続けた感想は、いまだE InkのKaleido 2による技術をもってしても、LCDパネルやOLEDディスプレイに勝るレベルへは達していないことを痛感させられました。もちろん、E Inkは、電子ペーパーのカラーディスプレイ化への開発を強化し続けており、第3世代Kaleido技術が発表され、年内にも製品化の予定です。各世代ごとに、これまでの課題をクリアしてきており、きっと次世代モデルでは、夜でも読書を快適にできるカラー調整なども、フロントライトで実現してくることでしょう。ただ正直なところ、白黒表示の電子書籍リーダーと比較しても、まだまだ最新のカラー表示対応モデルは、突っ込みどころが満載です。

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Photo: Andrew Liszewski(Gizmodo US)

Boox Nova 3 ColorとiPad Proで比べてみましょう。E Inkの電子カラーディスプレイの表示可能色は、最大でも4096色表示に限られます。これを1600万色を超えるカラーが表示できる、iPad Proと比較してしまうならば、どんなに頑張っても見劣りしてしまうのは否めないでしょう。

Boox Nova 3 Colorには、目に優しく低消費電力で、屋外の直射日光のもとでも見やすいというメリットの最新ディスプレイが備わります。でも、日本円にして4万円を軽く超える、420ドルという販売価格にふさわしいメリットといえるでしょうか? この値段は、初代Apple Pencilにも対応する最新のiPad miniより、さらに20ドルも高いという価格帯です。一方、電子ノートブックとしては、Boox Nova 3 Colorより優れているreMarkable 2であれば、さらに20ドル安くで買えてしまうという意味になりますよ。カラー表示やバックライトといった機能が不要であれば、reMarkable 2を選んだほうがよいとなるかもしれませんね。

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Photo: Andrew Liszewski(Gizmodo US)

Boox Nova 3 Colorで気に入ったことは、いろいろとあります。Android OSでGoogle Play Storeが使える電子書籍リーダーという位置づけは、とってもすばらしいものです。どの電子書籍でも使えるというメリットがありますから。前モデルとなる「Boox Nova 2」や、白黒表示の「Boox Nova 3」は、その安い販売価格が魅力でした。しかしながら、Boox Nova 3 Colorの420ドルという値段設定には、疑問を抱かざるを得ません。どうしてもカラー表示のE Inkディスプレイを試したいのであれば、まだ329ドルPocketBook InkPad Colorのほうがよいのかなと思えてしまいます…。

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