脳に埋め込まずとも思考を読み取ってくれるガジェットもあるんだね。未来はNeuralinkだけじゃない。
スマホの次はコレ!と名高いのが空間コンピューティングです。スマートグラス/ARグラス/MRゴーグルなど色々な形の提案がありますが……要はメガネ/ヘッドセット型のガジェットを付けることで現実世界の上にデジタル表示を重ねて視認し、両世界をよどみなく行き来しようぜという近未来像です。これが実現すると、生活がひじょーーーーに楽になります。
説明がちょっと難しいですが、たとえるとあらゆるボタンが押したい時にスッと現れては消えていくような感じです。
いま家にいて、テレビ前のソファーに座ったとしましょう。すると、「テレビを点けますか?」などといった表示が視界にスッと現れるわけです。ここで「はい」のバーチャルボタンを選択すれば、表示が消えていくと同時にテレビが点いて、配信サービスなどのバーチャルボタンが視界に現れるはず。もし「いいえ」を選択していたたら「部屋を暗くしますか?」などと表示されてスマートライトがたちまちと消え、あなたはそのまま仮眠に入れたことでしょう(安心して寝てOKです、次の予定に合わせて家電が起こしてくれます)。
素晴らしい未来像ですよね。身の回りの家電のボタンやスマホアプリ内のボタンが、押したい時に現れてすぐ消えてくれるんですから。エアコンを点けたいときリモコンを探す必要はないし、外出時もスマホで地図アプリとにらめっこする必要なく、「こっちです」と分かりやすく道の上に矢印を表示してくれちゃいます。スマホ時代の自分より多くのデジタル機能を使いこなしているのに、ガジェットをいじっている時間が減っているのがポイントですね。
で、ここからが本題です。この素晴らしい未来像を実現するにはどうすればいいのか?
人気VRヘッドセット「Oculus Quest 2」の開発に携わっているFacebook Reality Labsによれば、ユーザーの意図を汲み取れるシステムとしてスマートグラス+AI+EMGリストバンドを組み合わせるのがいいのだそうです。スマートグラスの役割は、ユーザーの周りの世界をカメラなどのセンサーで読み取って、光学システムでデジタル表示を重ねること。AIの役割は、スマートグラスの読み取った世界とユーザーの行動データから次の行動を予測し、そのシチュエーションに合わせた最適のバーチャルボタンを表示すること。そしてEMGリストバンドの役割は、ユーザーがバーチャルボタンなどを押すための操作機器として機能すること。スマートグラス時代では、キーボード/マウス/タッチ画面の代わりにEMGリストバンドが入力機器となるそうです。
で、このEMGリストバンドがゆるっと神経接続できちゃうらしいんですね。あとリストバンドの震え方とかから複雑な感覚やメッセージなどがユーザーにユルッと伝わっちゃったりとか。ここからニュータイプ/超能力者の話に繋がります。
どういう仕組みかというと、EMGリストバンドは腕の内部で起きている神経活動を読み取ることで、間接的に神経接続できるのだそうです。たとえば、指を動かしたいときってその旨を伝える信号が脳から出ますよね。それが脊髄や腕の神経を通りながら腕の筋肉に伝わっていき、腕の筋肉が収縮することで指が動きます。EMG(筋電図検査)は、この一連の神経活動のうち筋肉周りで起きる神経活動を、皮膚の上から電極で読み取れるため、(脳に埋め込まないという意味で)お手軽なリストバンド型のガジェットでも擬似的な神経接続が実現できるわけです。
その結果、Facebook Reality Labsは試作EMGリストバンドからの神経信号のみを頼りに、手の動きをほぼ完璧に読み取り→バーチャルで再現することができました。初装着から2分でこの精度の操作ができるというから驚き。
そしたらあとはなんでもござれですね。バーチャルハンドでバーチャルボタンを押すもよし、バーチャルキーボードで文字入力するもよし、VR的なゲームのコントローラーとするもよし。パソコンやスマホを操作する時は特定の画面に目を向ける必要があったので首が疲れたものですが、スマートグラスなら視界そのものが画面として機能します。そしてEMGリストバンドがあれば手元を動かすだけでガジェットを操作できるので、身体をリラックスさせた状態で仕事も遊びもできるようになることでしょう。
でも一番「これ欲しいぃぃ!」と感じたのは、現実の指を動かすことなくEMGリストバンドにシグナルを送れる機能ですね。体を動かすことなくガジェットを操作できる機能なんてグータラ人間は欲しいに決まっている。たとえば「テレビを点けますか?」に対する「はい/いいえ」を考えるだけで選択できたり、リストバンドを点けている者同士で「見えるぞ!」とテレパシー的に伝え合えたりできちゃったり。まさしくニュータイプ/超能力者になれちゃうガジェットです。
ただ、とても便利そうな一方、ユーザーへの情報伝達の大半がスマートグラス頼りなのはちょっと不安に感じます。スマートグラスがかけられないシチュエーションでは、ほとんどの機能が使えなくなっちゃうわけですから。でも案外リストバンドだけでもかなりの情報伝達が可能なんだそうです。
具体的には、リストバンドを震えさせたり締め付けさせたりすることで触覚的にデジタル情報を身体に伝えられるとのこと。その一例として「Haptic Emoji(触覚的絵文字)」が挙げられます。ユーザーに届いたメッセージの重要性/内容/感情などをバイブレーションや指圧に変換し、メッセージの概要をおおまかに伝えられるんだそうで。こりゃリストバンドだけでも欲しいですね。
でもFacebook Reality Labsの方は「これは研究用のプロトタイプ機であり、市場投入は何年も先になるだろう」とのこと。
なんて待ち遠しい!
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2021-03-19 12:00:00Z
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