<科学的に極めて正確。同時に、天文学の専門家以外でも宇宙のスケールを体感できるマップを目指した>
私たちの太陽系が位置する天の川銀河は、最大4000億個ともいわれる恒星がひしめく途方もない空間だ。銀河1つだけでも広大な空間を占めるが、そんな銀河を20万個マッピングした壮大な「宇宙の地図」が誕生した。
この地図は、地球から観測可能な宇宙の一部を扇形にスライスしたものだ。無数の点の一つひとつが銀河を示しており、広大な宇宙空間に銀河が偏在する様子が視覚的に示されている。
地図の様子は、ジョンズ・ホプキンス大学が公開している動画でも確認することができる。コンピューター上に再現されたインタラクティブな地図となっており、視点や縮尺を変えて任意の位置から観察可能だ。
私たちの銀河(天の川銀河全体)は1ピクセル
地図を製作したのは、ホプキンス大の天文学者たちだ。過去20年以上をかけて蓄積された観測データをもとに、これまでに知られている銀河の位置を視覚化した。
扇形の最下部の頂点が、わたしたちのいる天の川銀河だ。広大なはずの天の川銀河が、わずか1ピクセルで表現されている。ホプキンス大のブライス・メナード教授(物理・天文学)は動画内で、マップの壮大さを次のように表現している。
「地図上で私たちは、一番下に位置します。私たちは小さな点で、わずか1ピクセルです。ここでいう『私たち』とはつまり、私たちの銀河、天の川銀河全体のことです」
宇宙ポータルのスペース.comはまた、地図に示された点の色に注目するよう勧めている。これらは、各銀河の赤方偏移の量を示している。膨張する宇宙の影響を受け、地球に届くまでに長い距離を旅してきた光ほど、波長が長くなり赤寄りに変化する。
すなわち、地図上で赤に近い色で表現されている星ほど、地球から見て遠方に位置することを意味している。一方、もともとの銀河自体の色味が異なることから、色相の変化と距離とは完全には比例しないことも読み取れる。
デザイナーを交え、天文学者以外でも理解できるビジュアルに
宇宙ポータルのスペース.comは、「驚くほど詳細かつ正確」に既知の宇宙をマッピングした地図だと評している。データ自体はこれまでに得られていたものの、科学的に正確かつ一般の人々にもわかりやすい形で銀河の位置関係を表現した地図はこれまで存在しなかったという。
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2022-12-29 06:25:27Z
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