「顧客体験価値(CX)ランキング2023」リポートの第2回は、前年の13位から2位に躍進したサイゼリヤに焦点を当てる。「顧客の気持ちを理解しているブランド」としてサイゼリヤを想起した回答者は、若者が多いのが特徴だ。前回1位だった丸亀製麺も「コスパの良さ」が評価されるブランドだが、逆転したのは何が要因だったのか?
「顧客体験価値ランキング2023」の2位にサイゼリヤ、前年(2022年)1位の丸亀製麺は4位にランクイン(写真/Shutterstock)
「顧客体験価値(CX)ランキング2023」では、前回の13位からサイゼリヤが一躍2位に躍り出るなど、価格コンシャスな対応にたけた企業ブランドが評価を上げる傾向が見られた。
値上げと新型コロナ禍収束により顧客体験価値の評価が大きく変化
CXランキング2023の特徴は、消費者物価の上昇と新型コロナウイルス禍の収束で、CXの評価が前年(22年)より厳格な方向にシフトしたことである。20年から22年までのコロナ禍で実施した調査では、先が見通しづらい状況の中、顧客の立場に立った経験を提供してくれるブランドを高く評価し、応援する声が寄せられたが、コロナ禍が収束に向かう中で調査した今回は応援モードが薄れ、評価はシビアになっている。
その背景には物価上昇がある。22年度の消費者物価指数は、41年ぶりの高水準となる前年度比3.0%上昇で推移した(生鮮食品を除いた指数)。CXランキングではこれまで、「この値段でここまでの体験ができる」という「コスパの良さ」が重要なCXの要素として評価されてきたが、その実現が難しくなっている。
そんな環境下で実施したCXランキング2023で、2位に躍進したのがサイゼリヤだ。前回1位の丸亀製麺を押さえて外食のトップブランドとなった。サイゼリヤ、丸亀製麺ともに、「コスパの良さ」が「顧客の気持ちや求めることをよく理解している」と思う理由として挙げられてきたブランドだ。今回、両ブランドにどのような顧客体験価値の違いがあったのか?
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2023-07-17 15:00:00Z
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