地下への打ち込み断念
現在火星表面で運用中の米航空宇宙局(NASA)の「インサイト」は火星の内部構造を調査することにほぼ特化した史上初の探査機です。2018年5月に打ち上げられ、半年後に火星の赤道付近にあるエリシウム平原に
「インサイト」には、
今年1月9日には、熱流量計の先端が2、3センチの土壌に入り込んだ状態から、実に500回にもわたって打ちつけたのですが、やはりうまくいきませんでした(写真)。みんなで議論・検討した結果、ついに断念することに決めたそうです。
地面の下で熱がどのように流れてきたか、その歴史を調べれば、火星の内部から地表へ熱がどういうふうに移動してきたかが判明します。それによって、火星の成り立ちや、地球・金星・水星など他の
ただし、もう一つの重要な観測機器である地震計は
私たちの住む地球の内部構造の解明も、地震波の観測に負うところが大変大きいのです。実は1970年代にも、アメリカの火星探査機バイキング1号、2号が、地震計を搭載して着陸したのですが、このときは地震計がバイキングの上の方についていたため、あまり有効なデータが得られませんでした。いま火星に降りている「インサイト」は、地球以外の惑星で初めての本格的な地震観測を行っているのです。
その地震計によるこれまでの貴重な観測結果に加え、NASAは、これから火星の中心部にある
的川泰宣 さん
長らく日本の宇宙開発の最前線で
日本宇宙少年団(YAC)
年齢・性別問わず、宇宙に興味があればだれでも団員になれます。 http://www.yac−j.or.jp
「的川博士の銀河教室」は、宇宙開発の歴史や宇宙に関する最新ニュースについて、
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2021-02-12 21:00:43Z
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