Epic GamesがAppleに対して起こした訴訟で、Epic Gamesに有利な差止命令が出された。Appleは同社のプラットフォームを利用する開発元に対し、アプリ内で外部の決済オプションをリンクさせることを認めなければならない。
差止命令によると、「Appleが開発元に対し、(i)アプリ内購入に加えて、アプリおよびそのメタデータに外部リンクを含めること、または顧客を購入システムに誘導するその他の行動喚起を含めることを妨げる行為、(ii)およびアプリ内のアカウント登録を通じて顧客から自発的に得た連絡先を通じて顧客と連絡を取ることを阻止する行為を、恒久的に制限・禁止する」とのことだ。
この判決はEpic Gamesに有利なものだ。昨年、Epic Gamesは30%の手数料を徴収されないようAppleの決済システムを回避する機能を導入したが、AppleがApp Storeから『フォートナイト』を削除したため、Epic GamesはAppleに対して訴訟を起こした。
しかし、今回の訴訟でEpic Gamesが勝利したのはこの点のみだ。裁判所の最終命令では両社の「関連市場」の定義が問題とされ、この2社が競っている市場はApple独自の内部システム(Epic Gamesの主張)でもゲーム全体(Appleの主張)でもなく、「デジタルモバイルゲームトランザクション」であるとされている。その市場を考慮して、裁判所は「Appleを連邦および州が定める独占禁止法における独占企業であると最終的に結論付けることはできない」と判断した。
しかしそれでも、裁判所はAppleの行為を「反競争的」であるとし、差止命令を下した。裁判所は、この差止命令が「競争促進的な正当性を持つAppleのiOSエコシステムを維持しながら、競争を促進し、透明性を高め、消費者の選択肢と情報を増やす」と考えていると述べている。
AppleはEpic Gamesを契約違反で反訴していたが、この点についてはAppleに有利な判決が下っており、裁判所はEpic Gamesに対し、2020年8月から10月までの間にディレクトペイメントを通じてiOS版『フォートナイト』アプリのユーザーから得た収益である1216万7719ドル(約13億円)の30%に加えてさらなる損害賠償の支払いを命じた。合計で、Epic GamesはAppleに対して少なくとも360万ドル(約4億円)を支払うことになる。
これを不服とした場合はどちらも上訴することが可能であるため、これで訴訟が終わるとは思えない。さらに今回の判決は、開発元が独自の決済システムを利用できるようにする法案が提出されたことや、制約の多いAppleのクローズドプラットフォームに対してほかの方面からも反発が続いていることとも関連している。開発元に外部決済システムの使用を禁止する主要プラットフォームに対して、同様の規制が最近韓国でも施行された。
また、AppleとEpic Gamesがそれぞれ判決を受けて声明を発表した。ビジネスリポーターのマーク・ガーマンがTwitterでシェアしたAppleの声明は以下のとおり。
「本日、裁判所はApp Storeが独占禁止法に違反していないことを認めました。裁判所が認めたように、”成功は違法ではない”のです。Appleは、当社が事業を展開するあらゆる分野で厳しい競争に直面していますが、お客様や開発元が当社を選択してくださるのは当社の製品やサービスが世界でもっとも優れたものだからだと考えています。App Storeが、繁栄する開発者コミュニティーと210万人を超える米国の雇用を支え、規則がすべての人に等しく適用される、安全で信頼できる市場であるよう引き続き努力してまいります」
ティム・スウィーニーはEpic Gamesを代表してTwitterでこう述べている。
「本日の判決は開発元にとってもお客様にとっても勝利とは言えません。Epic Gamesは10億人のお客様のために、アプリ内決済方法やアプリストア間の公正な競争を目指して戦っています」
「『フォートナイト』は、Epic GamesがAppleのアプリ内決済と公正に競争をしてアプリ内決済を実装できた際にApp Storeに戻り、節約分をお客様に還元いたします」
「デジタルプラットフォームにおける公正な競争をめぐる戦いに、多大な時間と労力を注いでくださったすべての方に感謝いたします。特に、非常に複雑な訴訟を迅速に処理してくださった裁判所に感謝しております。私たちは戦い続けます」
スウィーニーの声明では、Epic Gamesをはじめとする開発元が、依然としてアプリ内で外部への直接決済オプションを自由に設定できるわけではなく、決済処理のために外部オプションにリンクさせることしかできない点が指摘されている。つまり、ゲーム内アカウントに課金するために外部サイトへアクセスするようユーザーに提案することは可能だが、アプリ内のウォレットに課金できるのではなく、そのためにアプリから離れる必要があるということだ。
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2021-09-12 09:00:00Z
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