Senin, 15 Januari 2024

Access Accepted第781回:2024年注目の欧米産ゲームタイトルは,これだ!(前編) - 4Gamer.net

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 ローラーコースターのようだった激動の2023年も終わり,新たな1年が始まった。ゲーム産業は徐々に成長しながらもその姿を変容させているが,今年はどんな動きを見せてくれるのだろうか。2024年最初の本連載では,年始恒例となる“今年注目すべき欧米生まれのタイトル”をピックアップして紹介していく。今年は発売延期となっていたゲームのリリースが多く,序盤からめぼしい作品が次々と投入されるようで,豊か過ぎるゲーミングライフとなりそうだ。

ビッグニュースが多かった2023年のゲーム業界


 2023年度のゲーム業界は,まさにローラーコースターのようなアップダウンを繰り返した1年だったと言える。多くの国々で巣ごもり需要が低下したことや,リモートワークの常態化などの理由でいくつかのビッグプロジェクトが発売延期になった2022年を引きずらなかったようで,市場動向を調査するMirae Assetが運用するGlobal X(関連記事)によると,前年比7.4%という好調なハードウェアセールスと相まって,グローバルなゲーム市場は1877億ドル(約26兆4700億円)を記録した。

 ビッグニュースとしては,「第779回:MicrosoftのActivision Blizzard買収は結局なんだったのか。これまでの流れをおさらい」(関連記事)でも詳しくまとめたように,MicrosoftによるActivision Blizzardの巨額買収に絡む法廷ドラマが終結したことがあげられる。プラットフォームホールダーによる「Call of Duty」や「Fallout」といった人気IPの獲得は,Xbox Game PassやPlayStation Plus,Netflixなどゲーム販売形態としてのサブスクリプション化とその付加価値の追求に,さらに拍車がかかっていくことを意味していると思われる。

 また,1995年以来“ゲームの祭典”として業界内外で認知されてきたE3(Electronic Entertainment Expo)が,無期開催中止となったことや,多くのゲーマーが期待する「Grand Theft Auto VI」の2025年リリースがアナウンスされたことも大きな話題となった。

 さらに年末には,ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の傘下であるNaughty Dogが,「The Last of Us Online」の開発中止を発表。SIEは,2022年にBungieを傘下に収めているが,「第713回:ライブゲームを機軸に,SIEによるBungieの買収を考える」(関連記事)でも論じたことのあるように,Bungieが得意とするライブサービスのノウハウを,「The Last of Us」を始めとするシングルプレイ用キャンペーンを柱にする数々のIPに利用していくというプランがあったはずだ。SIEにどのような心境の変化があったのか。今後発表される新作タイトルに注目しておくべきだろう。

 経済的な停滞によりゲーム開発者の解雇やスタジオ閉鎖,プロジェクトの中止といったリストラ関連の話題もよく耳にするようになった昨今だが,2024年はまだまだ各パブリッシャや独立系デベロッパによる力作が登場する見込みだ。

 2024年度の1発めとなる今回(と次回)は,毎年恒例である今年注目の欧米ゲーム作品を2回に分けて紹介しておきたい。今年も昨年同様,序盤から気になる作品が続々と登場してくる気配がある。まずは発売日が確定しているものを中心に20作をお届けしていこう。

昨年からアーリーアクセス版が販売されているサバイバルホラー続編「Sons of the Forest」は,2月24日に正式ローンチ予定の期待作。Steamのファンレビューはすでに「非常に好評」で,良いスタートを切りそうだ
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2023年末の大きな話題の1つに,Insomniac Gamesのサーバーがハッキングされ,1.67テラバイトに及ぶデータがリークされたこともあった。同社の「Marvel’s Wolverine」は,2025年9月以降のリリースが予定されており,まだまだ開発序盤といったところだ
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プリンス オブ ペルシャ 失われた王冠


開発元:Ubisoft Montepellier
販売元:Ubisoft
発売予定日:1月18日
プラットフォーム:PC / PS5 / PS4 / Switch / Xbox Series X|S / Xbox One

クラシカルなプラットフォームアクションを軽快にプレイ

 今年最初の注目作が「プリンス オブ ペルシャ 失われた王冠」だ。ゲーム業界で最も長い歴史を持つアクションアドベンチャーシリーズの最新作では,2001年にリリースされた「プリンス オブ ペルシャ 時間の砂」よりも古い神話の息づく太古の時代を描いており,歴戦の戦士たちで構成される“不死隊”の中では最も新入りで,血気盛んな若者サルタンを主人公に,連れ去られた王子が幽閉されているペルシャ文明勃興の地であるカーフ山の奥へと進んでいくことになる。

 「失われた王冠」は3Dグラフィックスで描かれているが,プレイヤーの移動を上下左右に限定することでクラシカルな2Dプラットフォーマーのメトロイドヴァニア風に調整している。時を操るパワーで空中ダッシュを繰り返していくなど,全体的にスピーディで軽快なアクションが楽しめる作品で,ボスファイトでの勝利の際にはダイナミックなカットシーンによる演出も用意されている。

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スカル アンド ボーンズ


開発元:Ubisoft Singapore
販売元:Ubisoft
発売予定日:2月16日
プラットフォーム:PC / PS5 / Xbox Series X|S

法の届かない大航海時代のインド洋で,海賊王におれはなる!

 Ubisoftから発売される「スカル アンド ボーンズ」は,2017年の制作発表から何度も発売延期の憂き目にあってきたオープンワールド型の海戦アクションRPGだ。毎年恒例である,この「注目の欧米産ゲームタイトルは,これだ!」の連載記事でも何度紹介したか分からないほどのタイトルだが,すでにβテストも何度か行われており,2月のリリースに向けてラストスパートの段階に入っている。

 「スカル アンド ボーンズ」は,無法地帯だった大航海時代を舞台に,小さな船からスタートし,交易や戦い,宝探しをとおして悪名を高め,誰もが恐れる大海賊へと成長していく。最大10艘に及ぶ船を建造可能で,用途の異なる船団を作り上げてストラテジックな戦いや効率的な運搬を図っていく。多種多様なカスタマイズを楽しめるのも魅力の本作。ソロでプレイするだけでなく,最大2名のフレンドやゲーム内で知り合ったほかのプレイヤーたちと徒党を組み,協力して大きな報酬を狙うのも面白そうだ。

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スーサイド・スクワッド:キル・ザ・ジャスティス・リーグ


開発元:Rocksteady Studios
販売元:Warner Bros. Interactive Entertainment
発売予定日:2月2日
プラットフォーム:PC / PS5 / Xbox Series X|S

メトロポリスでヴィランたちがスーパーヒーローと戦う

 「バットマン:アーカム」シリーズで知られるRocksteady GamesとWarner Bros. Interactive Entertainmentのタッグによる新作アクション「スーサイド・スクワッド:キル・ザ・ジャスティス・リーグ」も何度かの発売延期後,2月2日にリリースされる。宇宙からの侵略者であるブレイニアックによってマインドコントロールされてしまったバットマンやスーパーマンらのヒーローに代わって,ヴィランのハーレイ・クイン,デッドショット,キャプテン・ブーメラン,キング・シャークからなる“タスクフォースX”が組織され,強制的にメトロポリスでの無謀な戦いに駆り出されることになる。

 開発遅延の理由は,「本来なら大勢の部下と一緒でなければ勝てないようなヴィランたちが,どのようにヒーローと戦っていくのか」というゲームプレイの正当化やストーリーによる裏打ちが難航していたからとされるが,最近リリースされた情報では,放棄されたジャスティスリーグ本部でヒーローたちの愛用アイテムを入手したという設定が披露されており,4人それぞれのアクション面の強化も理由の1つと言えそうだ。アーカムシリーズで描かれるゴッサムシティの2倍以上という広大なマップで,ノリの良い派手なゲームプレイを満喫できるだろう。

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HELLDIVERS 2


開発元:Arrowhead Game Studios
販売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント
発売予定日:2月8日
プラットフォーム:PC / PS5

フレンドリーファイアに気を付けながらエイリアンたちと戦おう

 スウェーデンのArrowhead Game Studiosが,2015年に手掛けたトップダウンシューターの続編を,9年もの歳月をかけてサードパーソンシューターに仕立てたのが「HELLDIVERS 2」だ。プレイヤーは,スーパーアース市民の自由と平和を守るために設立された少数精鋭部隊“ヘルダイバーズ”のメンバーとなり,獰猛なエイリアンたちが巣食う未開の惑星へとダイブしていく。

 PS5版とPC版のクロスプレイを実現しているのは大きなポイントで,4人の仲間と協力して,襲い掛かってくるモンスターたちを撃退し,サバイバル生活を営もう。巨大な敵に対しては,2人がかりで応戦するなど役割分担も重要で,ポイントを溜めれば戦況を一変させる空爆などの戦略支援を受けられる。肉体の飛散や血しぶきなどのゴア表現もてんこ盛りな本作。Arrowhead Game Studiosらしいフレンドリーファイアによるキルもあり,仲間たちとワイワイしながらプレイできる作品に仕上がるはずだ。

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Banishers: Ghosts of New Eden


開発元:DON'T NOD
販売元:Focus Entertainment
発売予定日:2月14日
プラットフォーム:PC / PS5 / PS4 / Switch / Xbox Series X|S / Xbox One

ゴーストになってしまったゴーストハンターの悲哀

 「ライフ イズ ストレンジ」でトップデベロッパに躍り出たDON'T NODの最新作となる「Banishers: Ghosts of New Eden」は,植民地化が始まったばかりで原野が覆うアメリカにおいて,“バニッシャー”と呼ばれるゴーストハンターを生業とするアンテア・デュアルテとレッド・マックレイスの2人が活躍するアクションアドベンチャーだ。アンテアが死傷してゴーストとなってしまったことにより,2人はアンテアの霊を解き放つ手段を探索する旅に出ることになる。

 道中でプレイヤーは,肉体を持つレッドと霊的存在できるアンテアの能力を利用して,さまざまなミッションをこなしていく。DON'T NODにとっては久々のアクション重視なゲームで,スキルや新しいアイテムを獲得することでバニッシャーとしての能力を高めていく。もちろん,難しい選択を迫られることもあり,2人の結末だけでなく,この地に生きる人々の運命にも影響を与えていく。プレイヤーの判断が世界の命運を左右する,絶妙なストーリーを楽しめるはずだ。

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The Thaumaturge


開発元:Fool’s Theory
販売元:11 bit studios
発売予定日:2月21日
プラットフォーム:PC / PS5 / Xbox Series X|S

悪霊を利用して人々の心を変え,ポーランドの未来を作れ

 ターン制RPG「The Thaumaturge」の舞台となるのは,ハンガリー帝国からの独立も束の間,革命に成功したロシアの圧政に苦しむ1905年のポーランド・ワルシャワだ。ポーランドは,そんな複雑な歴史的経緯から,ポーランド市民やロシアの軍人だけでなく,ウクライナ人やエストニア人,ユダヤ商人といったさまざまな人々がそれぞれの思想や思惑を持ち暮らしている。

 そんな微妙なバランスの上に立つポーランドで,人目を避けるように存在するのが,現実世界と闇の狭間にある超自然的な裂け目の世界に住む悪霊“サールター”だ。プレイヤーは彼らを意のままに操る超能力者“ソーマタージ”のヴィクトルとなって,闇の世界から悪魔に支配された人々の気持ちや願望を読み解き,この世界の在り方を変化させていく。

 ストーリーは,プレイヤーの選択によって引き起こされるイベントにより変化していくマルチエンディング方式が採用されている。ターン制コンバットはアクションだけでなく,人間には見えないサールターを背後に回してサイキックあるいはフィジカルな攻撃を加えていく。自分の能力を成長させ,さまざまな能力を持つサールターを使役していこう。Unreal Engine 5で描かれた近代ポーランドの細かく美しい情景はしっかりと作り込まれており,じっくり遊び込めそうなゲームに仕上がりそうだ。

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Nightingale


開発元:Inflexion Games
販売元:Inflexion Games
発売予定日:2月23日
プラットフォーム:PC

マップが自動生成されるオープンワールド型開拓サバイバルゲーム

 すでにβテストも始まっている「Nightingale」の舞台は,19世紀末のビクトリア王朝時代を思わせる時代。世界中で“ファー・レルムズ”というポータルドアが開いたことで,好奇心のある冒険者たちが未知の世界に飛び込んでいく,という設定のオープンワールド型サバイバルゲームだ。プレイヤーは,魔法都市“ナイチンゲール”を探して旅していくことになる。

 「ARK」シリーズといった近いジャンルのゲームと違うのは,プレイヤーが潜入した世界が固定されておらず,入るたびに環境やクリーチャーが変化する点。また,冒険によって入手できる“レルムカード”を使うことで,ファー・レルムズの環境をある程度コントロールできるのも面白い要素で,貴重なレルムカードを獲得したい場合は難しいクエストをこなさなければならない。プレイヤーに,レアカードを求めて冒険を続けるという動機が生まれるわけだ。

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Pacific Drive


開発元:Ironwood Studios
販売元:Kepler Interactive
発売予定日:2月22日
プラットフォーム:PC / PS5

車を相棒に,隔離ゾーンの謎を紐解くローグライクADV

 1人称視点によるドライビングシムとローグライクなサバイバルゲームのハイブリッドがユニークな「Pacific Drive」は,何かの天変地異によって立ち入り禁止になってしまった,アメリカ北西部の太平洋岸にあるオリンピック隔離ゾーンで生き抜く主人公を描いたゲームだ。隔離ゾーンの謎を解き明かすストーリーが展開されるという。

 メタルモンスターと呼ばれるクリーチャーがヒルのように車体にへばり付いて破壊していくのを防ぎながら,自分のステーションワゴンを修理,改良し,エネルギーコアを収集して,次のエリアを目指していく。“プレイヤーと車の絆”がテーマで,ガストーチで傷を修理するのはもちろん,道中で新しいパーツを入手し,自分好みの車にカスタマイズしていこう。また,ガレージでは車の本格的な整備も行えるようだ。

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Life by You


開発元:Paradox Tectonic
販売元:Paradox Interactive
発売予定日:3月5日
プラットフォーム:PC

ゲーム世界に生きる人々や生活環境をプレイヤーの思うが儘に

 「Life by You」は,EA Maxis時代に「The Sims 2」や「The Sims 3」のクリエイティブディレクターとして活躍したロブ・ハンブル氏が,Paradox Tectonicと共に開発するライフシミュレーションゲームだ。カリフォルニア南部を彷彿とさせる,大きなビーチから山間部までが広がる広大な世界の中で,プレイヤーはゲーム世界のキャラクターのために,住居や町そのものから,家具や樹木などのオブジェクト,そしてクエストまでを作成していく。幅広いクリエイターツールが用意されており,自分にぴったりの人生をデザインできるのはもちろん,人生のルールそのものを破って行動させることもできる。

 キャラクターは自由に作成できるうえ,ドラッグ&ドロップの要領で簡単に配置できる。また,キャラクターに乗り移ってゲーム世界での生活を体験することもできる。キャラクター同士でリアルな会話を楽しむもよし,出世階段を上がるのもよし,恋に落ちて家庭を築いていくのもよしと,拡張性の高いオープンなバーチャルライフを満喫できそうだ。

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Homeworld 3


開発元:Blackbird Interactive
販売元:Gearbox Publishing
発売予定日:3月9日
プラットフォーム:PC / PS5 / Xbox Series X|S

広大な宇宙を舞台にした本格派RTSシリーズの最新作

 1999年から2003年にかけて完全3Dの宇宙空間でバトルを行うシリーズとして名を馳せた「Homeworld」シリーズ。その最新作である「Homeworld 3」は,オリジナル開発者たちが集結したBlackbird Interactiveを,Gearboxが支援する形で開発が続けられているプロジェクトだ。

 古代に作られたハイパースペースゲートの秘密が解き明かされ,宇宙間の交易も可能になった未来世界だったが,最後に開いたゲートから星々を飲み込む“アノマリー”が出現したことで状況は一変してしまう。プレイヤーは一団を率いてアノマリーの秘密を解き明かし,宇宙を救うために戦い続けていくことになる。

 本作は,ファン投票によって重厚なシングルプレイ用キャンペーンにフォーカスした内容になっているが,1対1やチーム対戦,さらにはバトルロイヤルモードも用意されている。また,mod.ioと連動しており,コミュニティが作成したさまざまなオリジナルコンテンツにもアクセスしやすい環境が整えられている。

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Alone in the Dark


開発元:Pieces Interactive
販売元:THQ Nordic
発売予定日: 3月20日
プラットフォーム:PC / PS5 / Xbox Series X|S

カクカクしてないエドワード・カーンビーの新たな冒険譚

 サバイバルホラーの元祖的な存在であり,古典的名作である「Alone in the Dark」の復活に,THQ Nordicが挑んでいる。プレイするだけなら3時間程度で終わってしまう原作を忠実に再現するのではなく,その続編のエッセンスを合わせてストーリーや世界観を吟味しつつ,より現代的なスタイルのホラーやゲームプレイを追求している。

 そのストーリーは,ジェレミー・ハートウッドが失踪したデルセト屋敷に,姪のエミリー・ハートウッドが貧乏探偵のエドワード・カーンビーの協力を得て潜入していくというものだ。開発を担当するPieces Interactiveは,「Amnesia」シリーズや「SOMA」といった近年に影響力を持つサバイバルホラーのゲームディレクターが起業したデベロッパであり,クトゥルフ神話にインスパイアされた異形のモンスターたちが蔓延る悪夢を戦い抜くことになる。パズルや探索要素を含めて,濃密なホラー体験を楽しめそうだ。

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スナフキン:ムーミン谷のメロディ


開発元:Hyper Games
販売元:Raw Fury
発売予定日:2024年第1四半期
プラットフォーム:PC

スナフキンと共に音楽の力でムーミン谷の自然を取り戻そう

 「スナフキン:ムーミン谷のメロディ」は,プレイヤーがスナフキンとなって遊べるミュージカルアドベンチャーゲームだ。絵本のような手描き風のアートスタイルが特徴的な本作では,下品な近代庭園で溢れてしまったムーミン谷を,自然と平和に満たされた場所に戻すためにスナフキンが奔走するオリジナルストーリーが描かれる。旅から帰ってきたスナフキンを操り,音楽の力でパズルを解いていこう。

 プレイヤーが操るスナフキンは,茂みや水辺などの自然に触れ合うことでインスピレーション(ひらめき)というポイントが溜まっていく。これによってハーモニカ,横笛,そして太鼓といった楽器を演奏するレベルが上がり,ムーミン谷で暮らす生き物たちを感化させられるという。大人から子供まで楽しめる,優しいアドベンチャーゲームとなりそうだ。

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S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl


開発元:GSC Game World
販売元:GSC Game World
発売予定日: 2024年第1四半期
プラットフォーム:PC / Xbox Series X|S

さまざまな苦難を乗り越えて発売の近付く東欧産サバイバルアクション

 「S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl」は,2009年にリリースされた「S.T.A.L.K.E.R.: Call of Pripyat」以来15年ぶりとなるシリーズ最新作。オープンワールド型のサバイバルアクションで,プレイヤーは原発事故の影響で立ち入り禁止となった“ゾーン”に生きる,水先案内人“ストーカー”であるスティッフとなり,さまざまなミッションに挑むことになる。ゾーンの深淵部に迫るストーリーが展開されるそうで,プレイヤーの判断がゲームのストーリーに大きな影響を及ぼしていくという。

 空腹,睡眠,出血,そして放射線に晒されるサバイバル要素はもちろん,狂暴なミュータントや危険なアノマリー,そしてゾーン内の派閥間抗争といった考えられるトラブルの多くをフィーチャーしているとのこと。シミュレーションについては,前作はプレイヤーの周囲に限定されていたが,今作ではプレイヤーの行動が世界中のミュータントやNPCに影響を及ぼすという。MODにより拡張された30種類以上の武器タイプも魅力の1つとなりそうだ。

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Dustborn


開発元:Red Thread Games
販売元:Spotlight by Quantic Dream
発売予定日:2024年前半
プラットフォーム:PC / PS5 / PS4 / Xbox Series X|S / Xbox One

言葉の暴力を操って戦い,仲間たちとの会話で人間関係を築いていこう

 「The Longest Journey」シリーズのクリエイターでもあったラグナー・トーンクイスト氏が新たに率いるRed Thread Gamesの最新作は,ノリの良いストーリーやトゥーンシェーダーの利いたコミック風のアートワークが気になるアドベンチャーゲームだ。テーマは“言葉の暴力”。

 非常事態によって複数の国家に分断されてしまった未来のアメリカにおいて,プレイヤーは西から東へと逃避行を続ける一団として行動していく。主人公のパックスは,言葉を巧みに利用する詐欺師であり,「Move」や「Push」といった言葉を武器に変えて戦う能力を持っている。相棒であるサイは言葉を防御に使えるディフェンスタイプで,ヤサ男風のノームは相手に触れながら話しかけることによって,その痛みや怒りを取り払うヒーラー的な役目を担う。

 もう一人のテオは能力は持っていないが,コンピューターやドライビングスキルでチームをサポートするリーダーだ。道中ではほかにもさまざまな仲間が加わるが,イベントや会話をとおしてキャラクター同士の人間関係が巧みに変化していき,最終的には一冊のデジタルコミックにまとめられて読み返すことができるという。

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Black Myth: Wukong


開発元:Game Science
販売元:Game Science
発売予定日:8月20日
プラットフォーム:PC / PS5 / Xbox Series X|S

期待の中国産ハードコアアクションRPGで孫悟空の真実が暴かれる

 「Black Myth: Wukong」(黒神話: 悟空)は,“欧米産”ではなく中国発のゲームだが,その話題性の高さから注目しておきたいアクションRPGだ。日本でもおなじみの「西遊記」の主人公である孫悟空をフォトリアルに描き上げる本作。中国国内ではまことしやかに語り継がれる「孫悟空は旅の途中で死んだ」という伝説をテーマに,新たな冒険譚が描かれるという。

 西遊記に登場する妖怪や鬼たちも,現代的に作り込まれており,ゲームプレイはソウルライクなハードコアアクションと,無双系の大迫力バトルを詰め込んだ内容が期待できそう。ストーリーでは,そもそもこうした敵は何者なのか,なぜ孫悟空は彼らと戦う必要があったのか,といった敵視点の内容も展開されるそうだ。新進気鋭のデベロッパが7年間も心血を注ぎ込んだという「Black Myth: Wukong」。遊んでみたいというゲーマーは少なくないはずだ。

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Warhammer 40,000: Space Marine 2


開発元:Saber Interactive
販売元:Focus Entertainment
発売予定日:2024年9月9日
プラットフォーム:PC / PS5 / Xbox Series X|S

カバーなんてスペースマリーンに必要なし! とにかく前に出て戦え!

 ハードコアなSFや魔術的なオカルト,ゴシック風の宗教的な文化要素が融合させた独特の世界観を特徴とするミニチュアゲーム「ウォーハンマー 40,000」をベースにした,13年ぶりのシリーズ最新作が「Warhammer 40,000: Space Marine 2」だ。

 今回は,第10エディションで描かれる第四次ティラニッド戦争をテーマに,インペリアルの領内へと大群で押し寄せてきた昆虫系エイリアン種族のティラニッドを討伐するため,主人公と仲間たちが小隊を組んで戦うことになるという。相当に血の気の多そうなアクションゲームとして開発が進められているようだ。

 「Warhammer 40,000: Space Marine 2」は,ソロもしくは最大2人の仲間とともにCo-opモードでプレイすることもでき,Co-opではほかのキャラクターをAIでコントロールすることもできるという。銃器はもちろん,チェーンソー風の剣やハンマー,大鎌などを利用した肉弾戦がシリーズらしい魅力で,急速に進化を続ける昆虫どもを捻り潰していこう。

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Mewgenics


開発元:Edmund McMillen, Tyler Glaciel
販売元:Edmund McMillen, Tyler Glaciel
発売予定日:2024年内
プラットフォーム:PC / PS5 / PS4 / Switch / Xbox Series X|S / Xbox One

ネコちゃんたちを世代交代させて立派な戦士に育てよう

 「Mewgenics」は,「The Binding of Isaac」や「Super Meat Boy」で知られるインディーズ界の大物クリエイターであるエドモンド・マクミレン氏が,「The End is Nigh」で話題となった気鋭のタイラー・グライエル氏とタッグを組んだ,ローグライク要素があるアドベンチャーゲームだ。ハンターやヒーラーなど異なるクラスに分かれたネコたちを使い,自動生成されるグリッド状のバトルフィールドで敵と戦いながらレベルアップしていく。

 面白いのは,バトルステージの後に繁殖ステージが用意されていることで,ネコたちは繁殖によって次々と世代交代していく。戦いで生き残ったネコたちのスタッツは子孫に残されるだけでなく,バトル中に手に入れたマナを消費することによって,その血統を強化していける。血縁が近過ぎるとミューテーションを起こして変異してしまうそうで,うまく配合し,より強力な子孫を残し,より遠くへの冒険を目指していこう。

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Senua’s Saga:Hellblade II


開発元:Ninja Theory
販売元 Xbox Game Studios
発売予定日:2024年内
プラットフォーム:PC / Xbox Series X|S

極寒のアイスランドで綴られるラグナロク神話のリアル

 その狂気的な心理描写で名作の1つとなったアクションアドベンチャーの続編「Senua’s Saga:Hellblade II」では,暴虐と恐怖の犠牲となった者たちを救うために主人公・セアヌがアイスランドを旅することになる。

 表情パフォーマンスやグラフィックス技術などの向上とともにスキャニングもパワーアップしており,今回はセヌア役の女優で,Ninja Theoryの開発メンバーでもあるメリーナ・ユーゲンスさんが,皮や布で制作したバイキング時代の忠実なコスチュームを着込み,フェイスペイントや髪型までにこだわってデータを直接取り込むという,新しい試みが実行されている。

 ゲームプレイ面では,前作では物足りなかったとされるコンバットが強化されており,敵のタイプや戦闘パターンも増加しているという。数年前にNinja Theoryは次世代テクノロジーを用いた新作「Project: MARA」をアナウンスしているが,そのレンダリング機能の1つとして雲や霧の生成技術が完成しているそうで,本作でも神話的で不気味な風景の強化に役立てられることになりそうだ。

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Infestation: Origins


開発元:Nightmare Forge Games
販売元:Nightmare Forge Games
発売予定日:2024年内
プラットフォーム:PC

パブリックドメイン化する著作物が激増する今後の試金石!?

 「Infestation: Origins」は,Steamストアページに「現在パブリックドメインとなっている作品からインスピレーションを得ています」という但し書きがあるように,今年1月1日に著作権が切れて万人の共有物となったことで話題になった,“元祖ミッキーマウス”こと蒸気船ウィリーを二次創作に利用したゲームだ。ソロあるいは最大4人のチームでプレイできる。

 ネズミや害虫が大繁殖してしまった1980年代のアメリカにおいて,プレイヤーは駆除専門業者となって,その元凶を探り当てていく。白黒時代のキャラクターであるために,二足歩行の巨大ネズミも血の気がなさそうな風貌だが,その姿はまさにミッキー(ウィリー)そのもの。駆除のための緑のガスを散布するデバイスがあるのは確認できるが,現状ではどのように戦っていくのかは不明だ。

 同じくパブリックドメイン化した「くまのプーさん」を題材とするサバイバルホラー「Hundred Acre Wood」も発表されているが,パブリックドメイン化する著作物を使った今後の市場の動向には注目していっても面白そうだ。

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Microsoft Flight Simulator 2024


開発元: Asobo Studios
販売元: Xbox Game Studios
発売予定日: 2024年内
プラットフォーム:PC / Xbox Series X|S / Xbox One

驚愕のシミュレーション技術で働く航空機の現場に飛び込め

 精度の高い地球規模のシミュレーションで知られる「Microsoft Flight Simulator」がローンチしたのは2020年のことだが,年内のリリースが予定されている「Flight Simulator 2024」はそのスピンオフ作品だ。ただリアルな環境の中で航空機を操縦するだけでなく,パイロットとしてのキャリアにスポットライトを当てた,「働く航空機」をテーマにしたスタンドアローン型のシミュレータとなっている。

 その任務は,人員輸送や航空消火活動はもちろん,空中捜査,ヘリコプター運搬,航空救急活動,航空農業,山岳救助,スカイダイビング専用機操縦,空中建設,鉱業用物資輸送,僻地特別輸送任務,VIPチャーター,エアレース,グライダー操縦,上空科学研究,実験飛行,低高度飛行,飛行船ツアー,気球操縦など,思いつくものすべてといったところで,用意されたさまざまなミッションやアクティビティをこなしていく。地表に接近することから道路や湾岸の交通量,野生動物や樹木の表現など機械学習を使ってディテールを改善しているなど,技術面でも見どころが多そうだ。

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著者紹介:奥谷海人
 4Gamer海外特派員。サンフランシスコ在住のゲームジャーナリストで,本連載「奥谷海人のAccess Accepted」は,2004年の開始以来,4Gamerで最も長く続く連載記事。欧米ゲーム業界に知り合いも多く,またゲームイベントの取材などを通じて,欧米ゲーム業界の“今”をウォッチし続けている。

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2024-01-15 03:30:00Z
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