元アップルのリードデザイナーが起業したスタートアップが、2020年第4四半期にスマートスピーカーHomePodと競合する製品「Cell」を発売予定との噂が報じられています。
クリストファー・ストリンガー(Christopher Stringer)氏は、アップルのデザインチームで20年以上も最高責任者を務めたジョニー・アイヴ氏とともに緊密な仕事をしてきた人物です。そんな同氏が2017年に退職し、米ロサンゼルスにて立ち上げたのがベンチャー企業のSyng社でした。
英Financial Timesによると、そのSyng社がSonosやアップルのHomePodに対抗する「革新的な」ホームオーディオシステム「Cell」を2020年後半に発売するための資金を調達しているとのことです。
ストリンガー氏はiPhoneやApple Watch、HomePodの開発にも関わり、米国にて1400件以上の特許に登録されています。さらにはSyng社には元アップル従業員が何人か所属しており、特に共同創設者でもあるアフローズ・ファミリー(Afrooz Family)氏はHomePodの空間認識機能などを手がけたエンジニアとして知られています。
これらスタッフが開発中の「Cell」スピーカーは、「没入型(オーディオ)レンダリング」により、「現実と区別が付かない」「革新的な」サウンドを実現するとうたわれています。新興企業が大言壮語ぎみのアピールをするのは通例ではありますが、それが大げさではないと思わせるだけの実績を持つスタッフが揃っているわけです。
しかし「Cell」スピーカーが実際に予告通りの性能を備えて発売されたとしても、スマートスピーカー市場に大きな影響を及ぼせるとは限りません。アップルのHomePodも競合製品の中ではひときわ優れた音質を誇ってはいますが、必ずしも成功しているとは言いがたい現状があります。
その要因と思しき1つは、音声アシスタントSiriの評価がアマゾンのAlexaやGoogleアシスタントに及ばないこと。毎年行われている「IQテスト」では着実な成長ぶりが確認されながらも、今なおアマゾンやGoogleの優位は揺るがないままです。
もう1つのより大きな理由は、相対的な価格の高さです。HomePodの日本での販売価格は3万円(北米価格は299ドル)を超えていますが、現在のスマートスピーカー市場はEco DotやGoogle Home miniといった1万円以下の安価な製品が主流となっています。そうした価格面でのネックはアップルも認識していると思われ、150~200ドルの廉価版HomePodもたびたび噂に上っています。
Syng社は「Cell」の価格を発表していませんが、「SonosやHomePodに対抗」としていることから、安価にはならないと推測されます。今回の噂話では、同社はオーディオ技術を他のハードウェアメーカーにライセンス供与してサブスクリプションを通じて収益を上げたいと望んでいる……とも伝えられていることから、自社のハードウェア製品により技術力を証明した上で、ライセンス事業を主軸とする目論見かもしれません。
Source:Financial Times
Via:9to5Mac
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2020-05-25 08:51:27Z
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