Selasa, 25 Agustus 2020

アップル対Epic前哨戦は引き分け。フォートナイト削除は妥当、Unreal Engineまでは不当と司法判断 - Engadget 日本版

Fortnite

Epic Games

人気ゲーム『フォートナイト』のApp Store削除をめぐる法廷闘争(の前哨戦)は、まずはEpicもAppleも痛み分けで始まりました。

Epicが裁判所に求めていた「アップルへのフォートナイト削除の取り消し・および Unreal Engine開発アカウントの停止差し止め」命令に対して、連邦地裁判事は以下のような判断を示しました。

・App Storeからのフォートナイト削除については妥当 (Epicの意思で以前の状態に回復できるため、裁判所がアップルに取り消しを命じるほどの緊急性はない)

・Unreal Engineの維持に必要な開発者アカウントの停止については、必要以上に第三者を巻き込む報復に近く、差し止めを命じる

いずれにしても、Epicが主張していた「App Storeの「独占」や規約自体が反競争的で不当」に対する判断ではなく、アップルが通告した近日中のUnreal Engine開発者アカウント停止に対して、司法が介入するだけの緊急性があるかどうかの判断です。

これまでの流れについては、以前の記事を参照。

アップルがフォートナイトをストアから削除、iPhoneは新シーズンのプレイ不可。Epicは訴訟で反撃

アップル、フォートナイトのEpicに開発者アカウント停止を予告。「他社Unreal Engineアプリに甚大な影響」(Epic)

背景と経緯をざっっっくり要約すれば、

・アップルは App Storeで配信するアプリに対して、アプリそのものの売上のほか、アプリを使ってデジタルコンテンツを販売した際にも料金の30%をアプリ内購入手数料として徴収してきた。ゲーム『フォートナイト』のゲーム内通貨 V-Bucksも同様。

・Epicは以前より、これはApp Store以外にストアを選べず、アップルの決済サービスしか選べない状況を背景にした暴利であり、競争を阻害して消費者の利益を損ねる独占禁止法違反の不当な規約と不服を述べてきた。

・EpicがiOS版『フォートナイト』を更新、従来どおりアップル経由でV-Bucksを買うほか、自社の直接決済(Epicディレクトペイメント)で割安に購入するオプションを追加。

・アップルはこれを明確な規約違反として、フォートナイトをApp Storeから削除

・同時にEpicに対して、フォートナイトを以前の状態に戻さなければ、他社にライセンスするゲームエンジンUnreal Engineを含むすべてのEpic開発者アカウントを停止すると通告。

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今回の裁判所の判断は、Epicからの TRO (Temporary restriction order、一時保全命令)の申し立てに対して、このアップルによるフォートナイト削除と、Epicの開発者アカウント全停止に緊急かつ一時的な措置として介入する必要があるか否か。

Epic側の主張は、

・自社関連のすべての開発者アカウントが停止すれば、サードパーティのゲームやアプリでも使われているUnreal Engineの検証やサポートも不可能になり、他社とそのユーザーも含む広範囲に予測不能かつ回復不可能な悪影響を及ぼす。

・もし開発者がひとたびUnreal Engineを忌避することになれば、今後Epic vs アップルに司法がどのような判断を下すかにかかわらず、Epicにとって取り返しのつかない破滅的な結果になる (だからこそ、アップルは司法の判断を待たずにEpicを破滅させる報復措置として敢えてアカウント停止で恫喝している)

といったものでした。

Unreal EngineはEpicの自社ゲームであるフォートナイトのほか、他社のPUBG Mobile、ウイイレ / Pro Evolution Soccer、モータルコンバット、ライフイズストレンジ、マイクロソフトの Forza Street等々で使われています。

PCや家庭用ゲーム機を含むマルチプラットフォーム対応のハイエンドゲームエンジンとしては最大手ですが、モバイルではそこまで大勢力ではありません。

対するアップル側の主張は、

・すでにEpicに伝えているように、明確な規約違反であることを知りながら追加した「ディレクトペイメント」を削除して元に戻すだけで、フォートナイトをApp Storeに戻す

・アップルによる圧力ではなく、消費者を巻き込んでアップルに悪評を向けるためみずから選んだ行動で招いた結果。Unreal Engineの開発者アカウントが停止されるのも規約違反なので当然、回復不能な被害が予測されるならばいつでも自分でフォートナイトを元に戻すだけで回避できる

など。

Zoomを使ったリモートヒアリングでは、両社の代理人がさまざまな主張を繰り広げましたが、結論としては、

・App Storeからのフォートナイト削除については、司法が回復を命じる緊急性が認められない。Epicがみずから確信的に行動した結果であって、以前の状態に戻すだけで容易にストアに復活させるとアップルが述べている以上、緊急の保全命令を出す要件を満たさない。

・Unreal Engine を含む開発者アカウントの全停止については、Epicの主張を一部認め、アップルとEpicの係争は独禁法上の論点を含め両者のあいだで解決すべきものであって、ゲーム産業や他社、一般プレーヤーまでを巻き込む必然性はない。

といったもの。ざっくり要約していますが、法的な手続き論からの判断なので、詳しくは申し立てに対する決定の文書を直接読んでください。担当判事はYGRこと Yvonne Gonzaslez Rogers。

決定によると、アップルとEpicのあいだではフォートナイトを出している Epic Games と、Unreal Engine などを扱う Epic Games International, S.a.r.l (Epic International) で別々の開発者登録がされており、契約上からも、Epic Gamesの規約違反により Epicインターナショナルの独立した契約まで影響を与えるのは報復行為にあたると判断されたようです。

アップル側はもちろん、手続き的には別の開発者アカウントになっていても、実態としては同じEpicで一体であると主張していますが、こちらはいまのところ却下されています。

逆に Epic側も、フォートナイトの削除もUnreal Engineの開発アカウント停止も一体としてひとつの報復行為であって不当と主張していますが、こちらも通っていません。

さて、とりあえず8月中に Unreal Engine まで危機に瀕することはなくなったものの、今回の決定は Epic vs Apple の争いが始まる前の前哨戦の前哨戦のようなもの。

アップルがストアからフォートナイトを削除したことについても、緊急に差し止める必要性を認めなかっただけで、アップルの開発者ガイドラインと規約が妥当であるか、あるいは将来にわたってアップルのアプリ内購入以外の決済を認めない等までを妥当かどうか判断したものではありません。

Epicが直接決済を除去して iOS版フォートナイトをApp Storeに戻すか否かにかかわらず、独占禁止法上の争いはこれから、長期間にわたって続くことが予想されます。

なお、今回の決定では直接扱われていない「App Storeに独占禁止法上の問題があるか」については、Epicとは別に各国で行政司法立法さまざまな方面から議論になっており、アップルは一貫して「アップルは他社との激しい競争に晒されている、消費者にはプラットフォームを選ぶ自由があり、アップルはいかなる意味でも独占ではない」と主張してきました。

今回のヒアリングでもアップル側の代理人が同じような主張を繰り返したのに対して、判事はそうした問題を判断するのはこの場でないとしつつ「消費者にとってプラットフォームを乗り換えるコスト」に言及して釘を差しています。

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2020-08-25 07:42:20Z
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