Minggu, 30 Agustus 2020

Access Accepted第658回:噂の「Xbox Series S」から北米ゲーム市場を考える - 4Gamer.net

画像(001)Access Accepted第658回:噂の「Xbox Series S」から北米ゲーム市場を考える

 「Xbox Series X」発表の際,そのネーミングになんとなく違和感を覚えたゲーマーは少なくなかったように思う。しかし,この次世代コンシューマ機に複数の「シリーズ」があると考えるなら納得もいく。Microsoftが隠し玉の1つにしているという「Xbox Series S」の噂が最近,あちこちから聞こえてくるが,今週は,そんな廉価版次世代機の存在と,そこから垣間見える欧米ゲーム市場の現状を合わせて紹介してみたい。

で,「Xbox Series S」って何?


 2020年11月の発売がアナウンスされたMicrosoftの「Xbox Series X」だが,この次世代コンシューマ機に「弟分が存在しているらしい」と聞いたことはあるだろうか? 正式名称が発表される前,まだ「Project Scarlett」というコードネームで呼ばれていた頃,ゲームデベロッパに送られた次世代Xboxの「開発の参考にすべきスペック」がリークするという出来事があった。スペックは1つでなく2つあり,それぞれ「Anaconda」「Lockhart」という別のコードネームで呼ばれていたのだが,そのうちの「Anaconda」のスペックが,後に正式発表された「Xbox Series X」とほぼ同じだったため,情報の信憑性が高くなり,必然的に「Lockhart」にも注目が集まるようになったのだ。
Redditユーザーのu/jiveduderさんが考えた「Xbox Series S」の姿。ここまで小さくなるかどうかは疑問だが,スペックダウンすることで熱処理の問題が軽減されることは間違いない
画像(002)Access Accepted第658回:噂の「Xbox Series S」から北米ゲーム市場を考える

 8月9日頃から複数のネットユーザーが,「Xbox Series Xのコントローラを入手した」という書き込みと共に真偽不明の写真をアップし始めた。そのパッケージには対応機種として「Xbox Series X|S」と記されており,これらのことから,「Lockhart」の正式名称が「Xbox Series S」になるのではないかと囁かれ始めたのだ。MicrosoftのXbox部門を率いるフィル・スペンサー(Phil Spencer)氏は以前,「単にXboxというブランド名で呼んでほしい」と語っていた。その意味するところは当時よく分からなかったのだが,もし複数のシリーズが予定されているとすれば,うなずける発言だ。
こちらはアラビア語圏のTwitterユーザー,@TinyRakanさんが投稿した,ロボットホワイト仕様の「Xbox Series X」コントローラだという写真。複数のユーザーがこうした写真を公開しており,共通項を考えても,その類似性を考えても,信憑性はそれなりにありそうだ
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 さて,ここで「Xbox Series S」の噂をまとめてみよう。まずCPU/GPUだが,AMDのZen 2とRDNA 2アーキテクチャをベースにしたカスタムプロセッサで12テラフロップスの処理速度を叩き出す「Xbox Series X」に対して,「Xbox Series S」は詳細不明ながらも4テラフロップス程度に留まるとされている。これは,現行の「Xbox One X」の6テラフロップスよりも低い数字で,レイトレーシングについてもサポートはするものの,4K解像度ではなく,1440p/60fpsに固定されるようだ。メモリは,「Xbox Series X」のDDR6 16GBをダウングレードしたDDR6 10GBで,「Xbox Velocityアーキテクチャ」をサポートしたSSDは搭載されるが,Blu-rayドライブの付かないダウンロード専用機になるとされている。

 繰り返すが,以上は噂話で,記事執筆時点での正式発表は行われておらず,「Xbox Series X」と同時に発売されるかどうかも分からない。それでも“Series S”というモデル名は,いかにもありそうで,ダウンロードオンリーで,例えば「Minecraft」「Fortnite」といった特定の人気タイトルしかプレイしない層をターゲットにした,価格を抑えたハードウェアという意味合いも理解しやすい。

次世代コンシューマ機はオーバースペック?


 参考程度の情報なのだが,北米のテレビ購入動向のデータを見ると,4Kテレビの一般家庭への普及率は2020年内に50%に達するとされており,世界全体では3分の1に及ぶという。スポーツイベントやNetflixのドラマ,YouTubeに投稿される映像などで4Kコンテンツを楽しめる機会は確かに増えているものの,その一方,従来型のテレビが今後も主流にあり続けるという見方も根強い。

 次世代コンシューマ機の最新ゲームを最適な環境で遊ぼうと思えば,HDMI2.1に対応した最新の4Kテレビに加えて,画面から「適性距離」を確保できる部屋など,かなりの出費を覚悟しなければならない。すでに万全の用意をして待っている人もいるだろうが,「Xbox Series S」があれば,4Kテレビを所有しない層でも最新のゲームが遊べるわけだ。

キラータイトルと目されていた「Halo Infinite」の発売が2021年以降になったことで,「Xbox Series X」のローンチ時のラインナップについては軌道修正が必要になりそうだ
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 言うまでもないが,「Xbox Series X」や「PlayStation 5」が4Kテレビ専用というわけではなく,グラフィックス以外の,例えばロード時間の短縮といった新機能の恩恵を受けた最新のゲームでも普通のテレビで十分に満喫できる。HDMI 2.1も現行のHDMI2.0bと互換性があるので,古いモデルの4Kテレビでも(リフレッシュレートの上限は60hzになるだろうが),普通にプレイはできる。

 しかし,現在,表舞台に出ている次世代コンシューマ機は,数年後の未来をターゲットにした,ややオーバースペックなデバイスであることは間違いないだろう。プラットフォームホルダーが先を見据えた設計を行うのはきわめて当然のことだが,ここに,削れる部分をすべて削り落とした廉価な「Xbox Series S」の存在価値はあると思える。北米経済の停滞から,安価な新型コンシューマ機に対する需要はさらに高まってくるはずだ。実在するかどうかも分からない「Xbox Series S」ではあるが,もし登場すればダークホース的なヒット商品になるかもしれない。

販売価格や販売時期を公表しないまま,北米で「PlayStation 5」の予約購入に向けた登録受付を開始したSony Interactive Entertainment。家電メーカーというメリットを使って,BRAVIAを対象にした「Ready for PlayStation 5」というマーケティングも北米で実施している
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著者紹介:奥谷海人
 4Gamer海外特派員。サンフランシスコ在住のゲームジャーナリストで,本連載「奥谷海人のAccess Accepted」は,2004年の開始以来,4Gamerで最も長く続く連載記事。欧米ゲーム業界に知り合いも多く,またゲームイベントの取材などを通じて,欧米ゲーム業界の“今”をウォッチし続けている。

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