やっぱりBose強し、でも意外な結果も。
自宅がオフィス化しがちな今、集中したいときにはノイキャン機能の高いヘッドホンやイヤホンを使いたくなります。でもヘッドホンとかイヤホンって無数にあるし、ノイキャン性能とか音質とか、どう考えればいいのか敷居が高かったりもします。
そんなわけで今回、さまざまなガジェットをその筋の人が徹底的にリサーチ/テストして「これ!」っていうオススメを言い切ってくれる米国の人気メディア・Wirecutter(from The New York Times)から、ノイキャンヘッドホン・イヤホンのガイドを以下にシェアします。ちなみにオススメは最初にまとまってますが、後段にはさまざまなモデルのざっくりレビューもあるので、気になるものがある方はそちらも要チェックです。
通勤時間の長い人、飛行機によく乗る人にとっては、周りの騒音を遮断できるかどうかで快適さに天と地の差が生まれます。ノイズキャンセリング機能のあるヘッドホン/イヤホンは音楽を聞きやすくし、世界を少しだけ平和にしてくれます。そんなノイズキャンセリング製品の中で我々がオススメするのは、ヘッドホンではBose Noise Cancelling Headphones 700(以下Bose 700)、イヤホンでは1More Dual Driver ANC Proです。
オススメのノイキャンヘッドホン・イヤホンたち
イチ押しヘッドホン:Bose Noise Cancelling Headphones 700
これぞベストなワイヤレスノイキャンヘッドホン
Bose 700は移動に適した軽く心地良いデザインの中で、素晴らしいノイキャン性能を実現。ただその分価格はお高めに。
Bose 700は、Boseが今まで発売した中でベストなワイヤレスノイキャンヘッドホンです。良さの分だけ高価ですが、移動が多くパフォーマンスと快適性を重視する人にとっては、その分価値があると考えます。Boseの定評ある高いノイキャン性能を備え、さらに調整もしやすく、アクティブノイズキャンセリング(ANC)を0から10のスケールで設定できます。つまりノイキャンが強すぎて圧迫感とか不快感がある場合(たとえばBose QuietComfort 35 Series IIでは感じました)、それを低減しつつ騒音も減らす落としどころを探れます。ちなみにこういう不快感、我々は「鼓膜吸引感(eardrum suck)」と呼んでます。
Bose 700は軽いので長時間着けていても快適で、操作はタッチと物理ボタンの使いやすい組み合わせです。ANCを有効にしつつ有線でも使えるので、たとえば飛行機の座席についてるジャックにつないで映画を見るときも、周りの音なしで楽しめます。付属のケースに入れればフラットになり、収納しやすいです。
ただし欠点がないわけでもなく、音質は我々がベスト評価する非ノイキャンヘッドホンほどクリアでなく、アプリは使いにくく、バッテリーライフも最高に長くはないです。でも20時間持つので、かなりの長時間フライトでも最後まで聞き続けられそうです。
1More Dual Driver ANC Proは完ぺきな通勤の友で、Wirecutterが前回ベストイヤホンに選んだもののアップデート版です。柔軟なバンドにイヤホンがつながっているタイプで、多くのノイズを低減し、長時間フライトを超えてあまりあるバッテリーライフを有します。スペック表ではノイキャンオフで20時間、オンで16時間持つとしており、我々のテストもそれを裏付けています。急速充電モードでは、10分の電源接続で3時間分チャージできます。
有線でも使えて、その場合ノイキャンはオンでもオフでも可能なので、飛行機では重宝しそうです。音声拡張モードでは、ボタンを押すと人間の声が聞きやすくなり、イヤホンを外さなくても会話ができます。ネックバンド型イヤホンにはバンド部分が硬いプラスチックのものも多いのですが(Bose QuietControl 30とか)、1More Dual Driver ANC Proのバンドは柔らかくしなるので、小さく丸めてズボンのポケットに収めることもできます。
ノイキャン性能は高いほうがいいけど余計な機能は要らないって人には、Anker Soundcore Life Q20(以下Life Q20)がぴったりです。ノイキャンはしっかり効いていて、音質も(多少低音強めですが)かなりまともで、軽い本体とソフトなイヤーカップは快適です。バッテリーライフは30時間と、お値段以上の喜びです。有線モードでも使えて、操作は簡単です。
Life Q20にはイコライザーやANC調節、タッチ操作、音声指示の常時待機といったプラスα的機能はありませんが、ANCヘッドホンの一番大事なことはきちんと押さえてあり、100ドルを優に下回る価格(日本国内価格5,990円)に対して驚くほどの価値があります。
ネックバンド型イヤホンのTaoTronics TT-BH042(以下TT-BH042)は、他に類を見ないことをやってのけました。低価格なノイキャンBluetoothイヤホンを、買うに値するものにしたんです。音質はかなり良く、ノイキャンは少なくとも効いてはいて、デザインは実用的で快適、防水性能はIPX5です。バッテリーライフは約8時間とまあ普通レベル。
欠点は有線で使えないことで、何らかのアダプターを使わないと飛行機のインフライトシステムにつなげられません。
Wirecutterはノイキャンを重視する人には完全ワイヤレスイヤホンをオススメしてないんですが、みんな完全ワイヤレスが大好きだってことも理解してます。ノイキャンがほしいけど完全ワイヤレスにしたい、どっちも譲れない!って人には、1More True Wireless ANCが最適です。
1More True Wireless ANCは飛行機内の騒音を一番うまく低減していて、本体は小さいながらも耳にしっかりと心地よく収まり、音質はかなり良好です。操作は多くのものより簡単で、チャージングケースはUSB-CまたはQiで充電可能です。
ただバッテリーライフは平均5時間と(ANCをオフにすれば延命可能ですが)、他のオススメのものよりだいぶ短いです。また有線では使えないので、インフライトシステムで使うにはBluetoothトランスミッターが必要です。
Wirecutterが信頼できる理由
WirecutterのシニアスタッフライターでヘッドホンレビュワーのLauren Dragan記者は、この記事のために各モデルをリサーチし、サンプルを集め、すべてのヘッドホンに独自の徹底的なテストを行いました。彼女はWirecutterと前職のSound&Visionで、おそらく地球上の誰よりも多くのヘッドホンを評価してきました。
シニアスタッフライターのBrent Butterworth記者は最終選考に残った全モデルのテストとノイキャン性能測定を実施しました。Butterworth記者は1990年から各種オーディオ製品を仕事としてやっていて、Sound&VisionやHomeTheaterReview.com、Home Theater Magazineなどなどで編集・執筆を手がけてきました。彼は研究所レベルのヘッドホンテスト設備を自前で持つレアなオーディオジャーナリストのひとり(もしかしたら世界に2、3人くらいいるかも的な)であり、この記事でも彼自身の設備を使っています。過去8年間、Butterworth記者は350本以上のヘッドホン・イヤホンの性能を評価・測定し、誰よりも多くのノイキャンヘッドホン・イヤホンを深く分析してきました。
Dragan記者のパートナーのJohn Higgins氏はプロのミュージシャン/作曲家で、これまでWirecutterやSound&Vision、Home Theaterなどに寄稿してきました。
Wirecutterのエディター・アット・ラージ、Geoffrey Morrisonは世界を飛び回るベテランオーディオ/ビデオライターで、このガイド記事の過去数回にわたるアップデートにもかなりの影響を与えています。
ノイキャンヘッドホンの仕組み
ノイキャンヘッドホンは一般に、低周波数のうなりを低減するように作られています。具体的には、飛行機の客室やバスや電車内の騒音、エアコンなどの機械の音などを低減できます。アクティブノイズキャンセリング(ANC)機能が十分にあるヘッドホンを使えば、音量を大きくすることなく映画や音楽などを聞けるので、移動時間をよりエンジョイできます。音楽などの音を聞かないときでも、飛行機でノイキャンヘッドホンを着けていれば客室内の騒音が減り、快適に過ごせます。長時間フライトで寝つきを良くするためにノイキャンヘッドホンを使う人もいるほどです。
ノイキャンヘッドホンはマイクを使って周囲の音を拾い、その音を逆にしたもの(逆位相音といいます)をヘッドホン内の小さなスピーカーに流します。この技術で周囲の音が完全に消えることはありませんが、ある種の環境では、聞きたい音をより楽しむために役立ちます。ノイキャンヘッドホンのベストなものは、この「能動的」なノイズキャンセリングと「受動的」なノイズキャンセリング、つまり物理的なバリアやダンパーを組み合わせて騒音をブロックしています。
ANCヘッドホンはすべての音を等しくキャンセルすると思われがちですが、実際は違います。ANCはより低周波の音、ジェットエンジンやエアコンのうなりによく効き、逆に人間の声など高周波数の音にはそこまで有効ではないです。ANCの仕組みや効果のある音について詳細はこちらを見てみてください。
ノイキャンヘッドホンを買うべき人
毎日電車やバスで通勤する人、飛行機での旅が多い人は、ANCヘッドホンの恩恵を感じられるはずです。でも街中の音やオフィスの人の話し声、スタバの隣の人がうるさい人、などは、一般的なヘッドホンでもノイキャンヘッドホンとあまり変わらない効果があり、価格はもっと安くて済みます。
ヘッドホンがいいかイヤホンがいいかは個人的な好みなので、この記事では両方のタイプを対象にしました。ヘッドホンかイヤホンかで迷うこともあるかもしれませんが、イヤホンはコンパクトで持ち運びしやすく、音質とかノイキャン性能という意味ではオーバーイヤーとかオンイヤーのものと遜色ありません。またメガネをかけてる場合、オーバーイヤーとかオンイヤーだとメガネのフレームが邪魔して密閉しづらいかもしれません。イヤホンのデメリットは、耳の中に挿し込むのが人によっては気持ち悪いとか、オーバーイヤー型に比べてバッテリーライフが短いといったことです。
ノイキャンヘッドホンの評価方法
ノイキャンヘッドホンを選ぶときに大事なことは以下の4つです。
・ノイキャン性能
・音質
・バッテリーライフ(ワイヤレスの場合)
・全体的な快適さ
このガイド記事を最初に公開してから、我々はANCヘッドホン/イヤホンを100本以上テストしてきました。テストはしないまでも検討はしたというものも、数十本になります。過去には有線でしか使えないモデルもテストしましたが、最近のノイキャンヘッドホン/イヤホンはほとんどがBluetooth搭載で、最近はBluetoothでも手頃になりました。これらワイヤレスヘッドホン/イヤホンの多くは有線接続にも対応していて、飛行機のインフライトシステムを使うときや、バッテリーを温存したいときには重要です。
この記事では価格に上限も下限ももうけていないので、あらゆる価格帯のノイキャンヘッドホン/イヤホンをカバーしています。
テスト方法
まず音質の判定は、ノイキャンがオンのときとオフのとき両方で行ないました。ヘッドホン/イヤホンの中には、ノイキャンの有無で音質が上下するものがあるからです。テスト用の音楽はパネリスト自身がスマホから選んで決めました。
ノイキャン性能のテストはもっと複雑で、判定には人間の耳とテスト機器両方を使いました。人間の耳でのテストは、JBL L16ワイヤレススピーカーから大音量で騒音を流し、Dragan記者とHiggins氏がテスト対象のヘッドホン/イヤホンを装着して、ノイキャン具合を比較しました。
Butterworth記者は自前のオーディオラボでテストを行ないました。騒音の再現には4つの航空会社の客室内で録音した騒音のミックスを使い、それを4台のスピーカーとサブウーファーから80デシベルで流しました。80デシベルとは、Boeing 737とかMcDonnell Douglas MD-80といった古めのジェット機のうるさい客室と同等です。Butterworth記者は、ロサンゼルスのバスと地下鉄でもテストを行ないました。
Butterworth記者はさらにラボでのテストを行ない、各ヘッドホンがどの周波数の音をブロックしたかを測定しました。耳・頬シミュレーターのGRAS 43AGをM-Audio USBインターフェースでWindowsラップトップに接続し、上と同じスピーカーシステムでピンクノイズを流しました。そしてオーディオスペクトラム分析ソフトウェア・TrueRTAを使ってヘッドホンから漏れる音の大きさを測定しました。
ノイキャンイヤホンのテスト用には、耳・頬シミュレーターのGRAS 43AGに耳介モデルGRAS KB5000を装着、その中にハイレゾ耳シミュレーター・GRAS RA04002を内蔵したものを使いました。各イヤホンの右耳のピースをそこに挿し込み、シミュレーターはM-Audio USBインターフェース経由でWindowsラップトップにつないで、同じスピーカーシステムからピンクノイズを流しました。そして音響スペクトル分析ソフトTrueRTAを使い、イヤホンからの音漏れを計測します。詳細は以下、個々のテスト部分を見てください。
以下が我々のオススメと、その他主要な競合製品のテスト結果です。縦軸が騒音の大きさ、横軸が音の高さを示す周波数です。85dB(点線)未満になっていれば、ノイズを減らせたことになります。折れ線が下の方に行けば行くほど、ノイズキャンセリングが効いていることを示します。ちなみに飛行機の客室の騒音のほとんどは、100〜1200Hzの間(グラフでグレーになっている部分)にあります。
上の結果をもう少しシンプルに見る方法として、飛行機の客室内の騒音が多く含まれる100〜1200Hzの間で、キャンセルされたノイズの平均値を計算しました。こちらは数値が高いほど、低減されたノイズが多く効果的であることを意味します。
モデル | ノイズ低減平均値(dB) |
---|---|
1More Dual Driver ANC Pro | 24.5 |
Bose Noise Cancelling Headphones 700 | 22.5 |
Bose QuietComfort 35 Series II | 21.6 |
Anker Soundcore Life Q20 | 18.7 |
1More True Wireless ANC | 18.2 |
Jabra Elite 75t | 17.6 |
Bose QuietControl 30 | 16.9 |
Sony WH-1000XM4 | 16.2 |
Jabra Elite 85h | 14.7 |
Final E4000 | 11.4 |
TaoTronics TT-BH042 | 10.5 |
Sony MDR-7506 | 3.2 |
イチ押しノイキャンヘッドホン:Bose 700
Bose 700のANC機能は、我々がテストした中でもっとも多様な環境で使えます。ノイキャンの強さを10段階から選べるので、誰でもニーズに合わせてちょうどいいポイントを見つけられるはずです。Bose 700の音質は、ベストな非ノイキャンヘッドホンと比べると劣りますが、テストではかなりニュートラルで問題ない音でした。着け心地は軽く快適で、操作はしやすいです。20時間のバッテリーライフは、最高ではないにしろ、たいていの旅行では目的地まで十分持ちます。
厳密に言うと、Bose 700がキャンセルするノイズの量はテスト対象の中でベストではありませんでした(ベストはSony WH-1000XM3)。でもANC強度を最大にすると、ベストにかなり近づきました。Bose 700が他と違うのは、まさにこのノイキャンレベルの柔軟性なんです。ほとんどのノイキャンヘッドホンで可能なコントロールは「オン/オフ」か、せいぜい「強/弱/オフ」くらいです。Bose 700の場合0から10まで多段階で調節できるので、快適さとか聞いている環境や中身に合わせてちょうどいい段階を選べます。この機能はとくにノイキャンの「鼓膜吸引感」がつらい人は、不快感がなくなるまで少しずつノイキャンを弱められるので助かります。Bose Musicアプリにはよく使うANCレベルを3つまで登録でき、その後は左のイヤーカップにあるボタンで選択できるようになります。
Boseの特徴的な音が好きな人は、Bose 700に失望することはなさそうです。非常にBoseらしく、ほんの少し低音が強めで、高音ではほんの少しロールオフがあり、高中音域が前に出ています。なのでスネアリムのクリックや言葉の子音に比べると、男性ボーカルやベースラインのほうがやや強く聞こえます。オーディオに詳しい人は、Bose 700にはくっきりした輪郭やディテールがないと言うかもしれませんが、そういうハイエンドな強さがないほうが好きな人もいるかもしれません。最近のアップデートでBose Musicアプリにはイコライザー(EQ)設定が追加され、低音・中音・高音がそれぞれ調整可能になりました。この調整は少し大ざっぱかもしれませんが、全体的な音の聞こえ方をパーソナライズできます。
素晴らしいのは、音の設定をいろいろ変えても、有線でもBluetoothでも、ノイキャンありでもなしでも、クオリティという意味ではほとんど同じであることです。たいていのヘッドホンは、聞き方を変えると音質も変わってしまうので、この音の一貫性を実現したのはさすがです。
Bose 700のバッテリーライフはカテゴリトップというほどじゃないですが、20時間あるので十分以上です。もちろんこの数字は、ノイキャンをずっと使うかどうか、デジタルアシスタントの常時待機を有効にするかどうか、通話をどれくらい使うかで変わってきます。でもバッテリーが切れても、再度使えるまでにはそんなに時間がかかりません。急速充電機能があり、15分の充電で2.5時間使えます。
操作は簡単で直感的です。操作方法は物理ボタンとタッチパッドの両方になっていて、ノイキャンやデジタルアシスタント、電源オンオフ、Bluetoothペアリングはボタンでできます。音量調整や選曲は右のイヤーカップのスワイプやタップでできます。SiriやGoogle Assistant、Alexaが使えて、アシスタントへの呼びかけを常時待機するかどうかはアプリで設定できます。装着時にちょこっと誰かと会話したいときは、左のイヤーカップにあるANC切り替えボタンでノイキャンをオフにしたり、音楽を一時停止したり、マイクをオンにしたりで、周りの音が聞こえやすくなります。
Bose 700はとくに快適さが際立ってます。全体に軽く、イヤーカップとヘッドバンドには柔らかい形状記憶パッドが付いています。ヘッドバンド内側のパッドを覆うのは独特のシリコン風の素材で、プラスチックや金属より軽いんですが、布やレザー風素材より丈夫そうなしっかりした感じがあります。イヤーパッドはプロテインレザー(高品質な合成皮革)でできていて交換可能、大きめの耳でも十分なサイズがあります。イヤーパッドのフォームはメガネの上にかけても問題ない程度にはしなやかですが、太めのフレームだとフレームとイヤーパッドの間にすき間ができて、音漏れにつながるかもしれません。フィット感はしっかりしていて、Wirecutterパネリストのほとんどは締め付けが強すぎるとも感じませんでしたが、頭が大きめのButterworth記者は、Bose QC35 Series IIのほうが締めつけ感が少ないと言ってました。
Bose 700のマイクは電話やビデオチャットでクリアに聞こえましたが、屋内の騒音を多少拾っていました。マイクの音はノイキャンヘッドホン自身に伝わるので、自分の声のフィードバックがあります。この仕組みのおかげで、耳をカバーしているときについ大声を出してしまう感覚は抑えられますが、騒がしいオフィスで電話するような場合、マイクが周りの話し声やキーボード音を拾ってしまうので気が散るかもしれません。自分の声の聞こえ方を弱くしたい場合、またはこのエフェクトをオフにしたい場合は、Bose Musicアプリで設定できます。
ヘッドホンは持ち運びやすさではイヤホンにかないませんが、Bose 700のケースはうまくできていて、フラットにたたみつつ、ヘッドバンドとカップの間にケーブルを収納できます。ケースの厚さはだいたい2.5インチ(約6.3cm)ほどで、書類カバンや飛行機のシートポケットにもするっと入ります。
買うのをやめるほどじゃない欠点
Bose 700には良いところがたくさんありますが、多少の欠点もあります。最大の問題は、Bose Musicアプリです。通常アプリをそこまで問題視することはないんですが、Bose 700の場合アプリが必要な場面がかなり多く、たとえばデジタルアシスタントの選択とか常時待機の有効化、よく使うANC強度の変更、通話中に聞こえる自分の声の大きさ、自動オフタイマーの設定、などなどです。
アプリの何が問題かというと、まずアプリがヘッドホンを認識するまでが一苦労です。Dragan記者もButterworth記者もペアリングに四苦八苦してBoseの中の人に質問するに至り、その結果以下のTipsを教えてもらいました。初めて電源を入れたときにBluetoothデバイスのリストに出てこない場合、できることはふたつあります。まずVPNを使っている人は、オフにします。最初のペアリングが終わったら、VPNを再度オンにして大丈夫です。また、スマホ側のBluetoothデバイスリストを減らす必要があるかもしれません。なるべくたくさんのガジェットを削除、または「忘れ」て、再度設定を試みてみましょう。
さらにアプリを使うにはBoseアカウント登録が必要で、プライバシー重視な人にとって問題かもしれません。このアカウントには捨てメアドを使ってもいいのですが、そもそもヘッドホンを使うためだけにアカウントを作るなんてどうなんだ、と思う人もいることでしょう。
Boseが強調しているBose 700のAR(拡張現実)機能は、現状だとポテンシャルがある程度です。インストールできるアプリはまだ片手で数えるほどで、特定の都市でしか使えないものもあるので、メリットはかなり限られます。
もうひとつ考慮すべきなのは、鼓膜吸引感を感じやすい人は、Bose 700でノイキャンを強くすると不快に感じる可能性が高いことです。この感覚はわりと多くの人に起こるので、BoseのQuietComfort 35 Series IIといった過去のヘッドホンもイチ押しにはできませんでした。Butterworth記者もDragan記者も鼓膜吸引感を感じやすいのですが、Bose 700でのノイキャン強度は10段階の5か6が絶妙なポイントだと感じました。つまりそのレベルなら、ノイズを低減しつつ頭痛も起こらないということです。ただノイキャンの強さがこの程度だと、もっと安価なノイキャンヘッドホンと大して変わらなくなってしまいます。なので鼓膜が弱い人は、安めのヘッドホンを選んで節約したほうがいいかもしれません。
デジタルアシスタントの常時待機機能はクールですが、ヘッドホンに向かって呼びかけたつもりでも他のデバイスがその声に反応する可能性には要注意です。AppleはSiriがあっちこっちから反応しない方法を見つけたようですが、GoogleとAmazonのデバイスは、聞こえる範囲で呼びかけると一斉に反応してくるかもしれません。これはBoseの問題ではなく、各プラットフォーム側の問題です。
最後に、Bose 700を有線接続で使う場合、入力ジャックが2.5mmです。2.5mm to 3.5mmオーディオケーブルは同梱されてますが、リモコンやマイクはありません。接続するデバイスによっては、有線で電話に出たりするときに問題になるかもしれません。
ネックバンド型イヤホンの1More Dual Driver ANC Proは、旅行や出張の多い人にはぴったりです。ノイキャンが優秀であるだけでなく、価格も手頃です。接続やBluetoothでも有線でも可能で、ノイキャンは他の多くのものと違ってアクティブとパッシブの両方で機能しています。軽くて柔軟で小さくまとめやすいので、ショルダーバッグや飛行機の機内持ち込み荷物など限られた空間にも収めやすく、着け心地は快適、操作は直感的です。
1More Dual Driver ANC Proのノイキャンは、飛行機の客室の騒音の周波数帯でBose 700以上の効果を発揮しました。なので飛行機以外でも、エンジン音や車の走行音、エアコンやファンのうなりといった騒音をうまく低減できそうです。アクティブノイズキャンセリングの感覚が好きでない人向けに、1More Dual Driver ANC ProはANCの強さを「High・Moderate(普通)・Off」の3段階で調整可能になっています。鼓膜吸引感に敏感なWirecutterパネリストも、Moderate設定ならまったく問題なかったと言います。ただHighの場合は、Butterworth記者もDragan記者も不快感を感じていました。
イヤホンを着けたまま周りの状況も把握したい場合は、ボタンを押すと外音取り込みモードになり、会話ができます。また風切り音を低減するモードもあって、風があたったときのザーっという音を抑えられます。ただしこのモードはそこそこの風には効果がありますが、すごい強風とか高速による風(たとえばバイクに乗ってるとき)とかまでは難しそうです。
飛行機のインフライトシステムをよく使う人は、有線でも使える点が重宝しそうです。バッテリーが切れたときも、有線でANCなしで使えます。また他のノイキャンイヤホンと違い、1More Dual Driver ANC ProのANCはバッテリーさえ残っていれば有線でもオンにできます。バッテリーライフは1MoreいわくANCオフで20時間、オンで16時間で、我々のテストでも近い結果でした。ただこの数値は、ストリームする音の解像度や音量、電話の回数といったことで変化します。またこの持ち時間はBose 700とほぼ同じで、1日がかりの移動でも十分以上です。バッテリーが切れても急速充電モードがあり、10分で3時間分チャージできます。
音質はかなり良く、150ドル(日本国内価格1万999円)という価格帯を考えればなおさらです。我々が気に入っている有線イヤホンほどのディテールはなく、細かい音質コントロール機能もないのですが、Bluetoothの利便性とノイキャン機能を同じくらいの価格で実現しています。我々の聞いた感じでは、高周波数帯が強調されているので子音が強すぎる感じだったり、シンバルやスネアの音がとがって聞こえることがありました。また一番低い周波数帯(80Hz以下)も若干音が大きすぎ、ベースギターの音が通常よりこもって聞こえたり、キックドラムの内側にだけマイクを設置したような聞こえ方になったりしました。でも全体的に音の聴き心地は良好で、十分なクリアさと空間感があります。チューニングはBluetoothで聞く分には一貫していて、ANCの強さを変えたりオフにしたりしても音質はほぼ変わりませんでした。ただ有線で聴いた場合、高音が若干弱まりました。
1More Dual Driver ANC Proで顕著なのは快適性と使いやすさです。全体が軽く、まとわりつかないケーブルと、シリコン風素材で覆われた柔軟なネックバンドの組み合わせで、首を動かしても引っかかったりしません。イヤーチップは4サイズ同梱され、さらに固定用のパーツも1セット付いてくるので、Wirecutterパネリストはみんな耳の形やサイズが違いますが、全員がちょうど良く装着できました。ネックバンドにある操作部は手の感触だけで操作しやすく、有線接続用のケーブルまでもが布で覆われているのでからまりにくくなっているという配慮の行き届き方です。
電話利用時の声は、少し圧縮されていましたが、聞き手側にはクリアに伝わっていました。背景音を多少拾っていましたが、他のイヤホンと同等以下でした。
買うのをやめるほどじゃない欠点
1More Dual Driver ANC Proは全体的に素晴らしい空の旅の友ですが、いくらかは問題もありました。まず見た目のおしゃれ感はないことはたしかですが、長旅では見た目より機能性や快適性、扱いやすさのほうが重要かなと我々は考えました。
上に書いたように、音質は子音の音域で強くなっています。高周波数帯が強いということは、高音に対して感覚の鋭い人には疲れるかもしれません。でも聴き心地が悪いというほどではないし、他にも長所がいろいろあるので、この点には目をつぶることにしました。
もうひとつ問題は、マイクがネックバンドに付いているので、マフラーやジャケット、シャツの襟といったものと干渉して、通話の邪魔になるかもしれません。電話するときはマイクがカバーされないよう気をつけましょう。
最後に、1More Dual Driver ANC Proにはキャリングバッグが付属してくるのですが、その素材が悲しくなるようなチープさです。でもこの袋の目的はケーブルを持ち歩くことと、イヤホンにホコリがつかないようにすることくらいなので、これも見過ごすことにしました。
一般に100ドルを下回るワイヤレスノイキャンヘッドホンは、音質やビルドのクオリティ、ANCの効果のどれかしらが大きく損なわれているのが普通です。なのでLife Q20が約60ドル(日本国内価格5,990円)でそれらすべてをかなりできているのを見て、我々は良い意味で驚きました。といってもノイキャン性能や音質は高価なBose 700の水準には及びませんが、それでもLife Q20は手頃な選択肢として素晴らしいです。
上のグラフでみたように、Life Q20のノイキャン性能は他のオススメのものほど高くないのですが、飛行機内の音やエアコンの音に対してははっきりと効果を示しています。Life Q20で低減されたノイズは平均で18.7dBと、この価格では素晴らしいものなので、音量を上げなくても聞きたい音楽やポッドキャストを快適に楽しめます。 低音が好きな人には、Life Q20のチューニングは魅力的だと思われます。オーディオ愛好家がこれでヒップホップを聞いたりしたら、「低音強すぎ!」となるかもしれません。でもLife Q20の音は、Bose 700ほどバランス良くはないにしても、ハイエンドなディテールが十分にあり、歌詞がわからなくなったりはしません。
お手頃ヘッドホンでも快適性は大事ですが、Life Q20はソフトな形状記憶素材のイヤーパッドを使い、価格以上に健闘しています。全体的な重量は普通程度ですが、ヘッドバンドは締め付けることなくしっかりと固定されています。頭がすごく小さい人は(Dragan記者みたいに)、ヘッドバンドが大きすぎ、イヤーカップが耳の中心よりやや下に来てしまうかもしれません。とはいえ調整範囲は十分にあるので、大人ならほとんどの人がぴったり合わせて使えることでしょう。
Life Q20は主にプラスチックでできていますが、同価格帯の他のもののような粗さはありません。ただ操作ボタンは例外で、感触が安っぽく、押すときの音もカチャカチャと耳障りに感じました。でもボタンを押すのはごくたまに、選曲を変えるときか電話に出るときくらいなので、Life Q20の魅力全体が損なわれるほどではないと思います。また操作のしやすさという意味では、物理ボタンなので手の感触だけで操作でき、タッチ操作の苦手な人にはうれしいはずです。
バッテリーライフはAnkerの公式数字ではBluetoothとノイキャンオンでも30時間とのことでしたが、我々のテストではそれを超えて、音量約70%・ANCオンで38時間(この間さらに20分の電話もしています)も持ちました。ただし音量を上げたり電話を頻繁にかけたりするとこの数字は減っていくはずなので注意です。急速充電機能では、5分の電源接続で4時間分のバッテリーをチャージできます。Life Q20のBluetooth通信範囲は120フィート(約36m)で、何部屋か離れた場所で接続が途切れませんでした。
有線で使いたいときは、3.5mmケーブルが同梱されていますが、通話に使うにはバッテリーが必要です。テストでは通話の声質はそこそこですが、すごく良いとは言えません。マイクは静かな部屋では素晴らしく良く聞こえましたが(テスターいわく、電話で直接話しているようでした)、風の音や周りの話し声もかなり拾っていたので、大事な電話のときは静かな場所に移動したほうが良さそうです。
Life Q20はたたんでフラットにできますが、付属のケースは布製で、衝撃から守ってはくれません。
低予算のイチ押しイヤホン:TaoTronics TT-BH042
お手頃なノイキャンイヤホンを探すのはなかなか苦労したので、TaoTronics TT-BH042を見つけたときは歓喜しました。ノイキャン性能はそれなり(でも一応効いてはいる)ですが、有線でも使えるし、それ以外のこともかなり良いので、50ドル以下の予算では十分価値を感じられると思います。
フィット感に関しては、ネックバンド型のTT-BH042は1More Dual Driver ANC Proとだいたい同じです。バンド部分が似ていて、柔軟で軽いので、たいていのノイキャンイヤホンにありがちな硬いプラスチックよりずっと快適です。スタンダードなイヤーチップを使っていて3サイズが同梱されているのに加え、フィットを高めるためのゴム製のフランジも3サイズ付属しています。
バッテリーライフは、TaoTronicsいわくノイキャンありで8時間、我々のテストでも7時間45分持ちました。
音質はフィット次第で、他のノイキャンイヤホンより良いとも言えます。テストではDragan記者とHiggins氏はやや低音強めながらまずまずと評価したのに対し、外耳道が太めのButterworth記者はそれほど低音を感じず、シンバルやアコースティックギターといったより生き生きとした高音がよく聞こえていました。
TT-BH042の大きな欠点は、飛行機内の音の周波数帯の一番低い部分でノイキャンが弱いことです。テストでは、TT-BH042にフォーム製イヤーチップを付けていても、100Hz前後(ベースの真ん中より少し高く、ギターでは4番目に低い音とだいたい同じ)での騒音の遮断具合が非ノイキャンのFinal E4000とほぼ同等でした。耳で聞いても、飛行機内の低いうなりが他のものよりよく聞こえました。
でも高周波数帯(500Hz以上)ではかなりの騒音をブロックしていて、その範囲ではベストなノイキャンヘッドホンすらしのぐほどです。なので上の表(100〜1200Hzでのノイキャン平均値)で見ると10.5dB遮断しているのですが、実際の飛行機の中でのノイキャン効果は他のオススメのものほど期待できません。でもオフィスやカフェといった場所での話し声の遮断にはかなり使えそうです。
もうひとつの欠点はエルゴノミクスです。TT-BH042は標準的な形のイヤーピースを使っているので、着けたまま耳を下にして寝転んだりできません。またネックバンドとイヤーピースをつなぐケーブルが細すぎ、長すぎて、歩いているときに顔の周りを飛び跳ねることがよくありました。
TT-BH042は有線では使えないので、バッテリーがなくなったら使えず、飛行機のインフライトシステムにも直接は接続できません(Bluetoothトランスミッターを経由すれば使えます)。ケースはAmazonで1000円前後で買えるものの、本体に同梱はされてません。イヤーピースには移動中に左右をつなげるための磁石が内蔵されてますが、つなげてもBluetoothやノイキャンはオフになりません。
TT-BH042は防水性能IPX5認証を受けていて、汗にぬれても大丈夫です。Bluetoothの範囲は広く60フィート(約18m)あります。でも通話品質は微妙で、テストでは双方の声が歪んで聞こえ、Dragan記者にはTT-BH042のマイクを通じて部屋の騒音がかなり聞こえていました。
これらを総合すると、我々がイチ押しにした1More Dual Driver ANC Proのノイキャン性能やバッテリーライフ、有線でも使えることなどは、TT-BH042との価格差の理由として十分だと考えます。でも予算が少ないときは、TT-BH042は他のノイキャンイヤホンよりずっと飛行機の旅に適しています。
我々の経験的に、完全ワイヤレスイヤホンはノイキャンを求める場合にベストではありません。ノイキャン性能という意味でも、バッテリーライフと言う意味でも、有線接続できないという意味でもそれは言えるのですが、それでもどうしても完全ワイヤレスかつノイキャンのイヤホンが欲しいんだという人には、1More True Wireless ANCが性能と機能、価格のバランスが取れています。
多くの完全ワイヤレスノイキャンヘッドホンと違い、1More True Wireless ANCは飛行機内の周波数帯でもまともなノイズ低減ができ、High設定で18.2dB、Mild設定でも7.2dBでした。飛行機や地下鉄ではこれでも十分以上で、またAirPods Pro(ノイズ低減約8dB)やBose QuietComfort Earbudsのような高価格なものを性能的に上回ります。といってもこの記事でイチ押しイヤホンに選んだ1More Dual Driver ANC Proは、24.5dB低減していました。
イヤーピースのサイズは控えめでシリコンのチップは6セット、ウィングは3セット付属していて、どんな耳のサイズや形でも安定したフィットを助けてくれます。イヤーピースの物理ボタンで曲をスキップしたり、再生・一時停止したり、音量調節したり、ボイスアシスタントを操作したりでき、イヤーピースを外すと音楽は自動で一時停止します。本体をタップすると周りの音が聞こえたり、ノイキャンの強さを調節したりできます。どの動きで何ができるか覚えればあとは簡単です。
音質は若干シャリシャリ感がありますが、高音域が強い音を好む人には気にならないかもしれません。低音もしっかりあり、Dragan記者はむしろ低音を弱めたいと感じたほどですが、うっとうしいほどブーミーなわけでも、やたら男声が際立つわけでもありません。通話では多少背景音があるものの、マイクが環境音をノイキャンに使い、電話の相手から声を聞こえやすくしています。
1More True Wireless ANCの充電ケースはQi対応で、ワイヤレス充電できます。でも1More True Wireless ANCのバッテリーライフは一般的なBluetoothイヤホンより短く、ANCオンで5時間、オフで6時間です(1More Dual Driver ANC Proはそれぞれ16時間と20時間)。ケースでの充電は早く、15分で2時間使えますが、バッテリーがなくなったときとか、飛行機のインフライトシステムとかに有線でつなぐことはできません。防水でもなく、マイクも風耐性がなく、電話がしにくいことがあるかもしれません。ちなみにこれらが理由で1More True Wireless ANCを選びたくない人には、我々が選んだベストなワイヤレスBluetoothイヤホンのJabra Elite 75tはどちらの条件も満たしていて、ノイキャンは弱めですが十分程度には使えます。
ノイキャンで頭痛になる理由
ノイキャンは強ければ強いほどよいというものではなく、とくにヘッドホンでは気をつけたほうがいいです。というのはノイキャンによって、エレベーターで急上昇するときのような耳の不快感(我々は「鼓膜吸引感」と呼んでます)が起こることがあるからです。この感覚が頭痛につながることもあります。一般にノイキャンが強ければ強いほど、この感覚も強くなります。詳細はこちらのブログに書いています。
幸い、ノイキャンヘッドホンで効果を感じるには極端な強さは必要ありません。我々のテストでは、飛行機内の音の周波数帯である100〜1200Hzでのノイズ低減が平均で10dBあれば、音楽を快適に聞けるレベルになります。
セキュリティとプライバシー
Wirecutterではセキュリティやプライバシーを重視し、我々が推奨するプロダクトの会社が顧客データをどう扱うか可能な限り調査しています。ワイヤレスBluetoothヘッドホン/イヤホンには、アプリから設定したり、日々の操作もアプリでしたりといったものが増えているので、今回イチ押しに選出したモデルのメーカーに気になる点を聞いてみました。
Boseの場合
※ Boseには 2020年8月26日に質問を送ったんですが、まだ回答がありません。さしあたりBoseのプライバシーポリシーと現状確認できる範囲で以下まとめています。
Q: どんなユーザーデータをアプリで収集していますか?
A: テクニカルデータ:モバイルデバイスのID(OSやバージョンを含む)、IPアドレス、インターネットサービスプロバイダー、ブラウザのタイプ、ドメイン名
利用データ:アプリや接続したBose製品をアップデートしたかどうか、いつアップデートしたか、利用の日付と時刻、アプリの異なる部分で使った時間、アクセスまたはダウンロードしたコンテンツ(再生した局やプレイリスト、アーティスト、アルバム、曲、Podcast)、システム及びソフトウェアアプリケーションのリスト
診断データ:バッテリーライフ、Wi-Fiの質や接続、エラーログ
環境データ:騒音レベルや音の周波数
Q: アプリが求めるパーミッションは?
A: Bluetooth、位置情報、DeezerやSpotifyなどの音楽アプリとデジタルアシスタントへのアクセス。
Q: アカウント作成は必要ですか?
A: はい(アプリ利用のために)。
Q: ヘッドホンはアプリなしで使えますか、その場合何ができなくなりますか?
A: はい。できなくなるのは、ノイキャンのカスタマイズ、紛失または盗難にあったデバイスの発見、デバイス純正でないデジタルアシスタント(たとえばiPhoneにおけるGoogleやAlexa)の利用、ファームウェアアップデート。
Q: アプリが収集したデータはサードパーティのマーケティング目的で共有されますか?
A: Boseはユーザーの正確な地理情報を使い、サービスのカスタマイズやコンテンツ、プロモーション、その他ユーザーが興味を持ちうる情報を提供できます。
Q: データの一部または全ての共有からオプトアウトは可能ですか? 可能な場合はどのようにできますか?
A: はい。診断/利用データのオプトアウトは、Bose Connectアプリのプライバシーポリシー&設定メニューから可能です。デバイスの位置情報機能を無効にして、BoseやそのサービスプロバイダーによるGPS位置情報収集・利用を防ぐことも可能です。興味ベースの広告を目的としたデバイス横断トラッキングからオプトアウトするには、AndroidまたはAppleのデバイスの設定から可能です。
1Moreの場合
Q: どんなユーザーデータをアプリで収集していますか?
A: 位置情報、音楽(アプリのEQオプション経由で再生した場合)、ユーザーデータ(登録番号、性別、年齢)
Q: アプリが求めるパーミッションは?
A: Bluetoothと位置情報
Q: アカウント作成は必要ですか?
A: いいえ。
Q: ヘッドホンはアプリなしで使えますか、その場合何ができなくなりますか?
A: はい。その場合、ファームウェアのアップデートができなくなります。
Q: アプリが収集したデータはサードパーティのマーケティング目的で共有されますか?
A: いいえ。
Q: データの一部または全ての共有からオプトアウトは可能ですか? 可能な場合はどのようにできますか?
A: はい。データへのアクセスの許可・拒否は、1More Musicアプリのパーミッションからも可能です。
その他のノイキャンヘッドホン/イヤホン
オーバーイヤー型ヘッドホン、Sony WH-1000XM4もベストなBluetoothワイヤレスヘッドホンの中でイチ押しに次ぐオススメとなっています。声の遮断に長けているので、オープンなオフィスや家で使うときは検討する意味があります。また調節可能なスピーク・トゥ・チャット機能があり、周りの音が聞こえるモードを自動でオンにしたり、声を出すと自動で音楽を一時停止したりできます。音質はデフォルトではベストではないですが、アプリでイコライザーを調節すればBose 700より良い音になります。ノイキャンヘッドホンとしてイチ押しにしていない理由は、人の声の周波数帯ではかなりノイズを減らせるのですが、飛行機内でのノイズにはBose 700ほど有効でないからです。Bose 700はノイキャンの強さを10段階で細かく調整できるのもメリットです。
オンイヤー型ヘッドホンのBeats Solo Proは、メガネをかけていてオーバーイヤー型のフィットが良くない場合に適しています。オンイヤー型なのでメガネのアームの上に乗らず、頭を締め付けずに快適です。AppleのH1チップ搭載なので、とくにAppleのAirPodsのペアリングに慣れている人には直感的に使えることでしょう。ヘッドホンを開くと電源オンになり、iPhoneにSolo Proの画面がポップアップします。トランスペアレンシーモードは周りの人と会話するときに便利で、他のヘッドホンの外音取り込みモードのように音質を不自然にすることもありません。ノイキャンはBose 700ほどの性能ではないですが、「ピュアアダプティブ ノイズキャンセリング」機能で飛行機の一番うるさい音を低減し、小さい音でも音楽を楽しめます。音質は非常に高いのですが、低音がとても強いので、我々が好みがちな音より少し粗い印象になります。
オーバーイヤー型のJabra Elite 85hは、Bluetoothワイヤレスヘッドホンの中でWirecutterイチ押しです。ノイキャン性能はベストではないかもしれませんが、それ以外はBluetoothヘッドホンに求めるものすべてがそろっています。音はアンボックスして即の状態で素晴らしく、自動のBluetoothペアリングと大きく使いやすい操作部のおかげで設定や操作も直感的です。バッテリーライフはANCオンで36時間と多くの競合ヘッドホンより長く、急速充電すると15分で5時間分使えます。Elite 85hはAmazonとApple、Googleのデジタルアシスタントと連携させられ、通話でのマイクの音質もとくに澄んでいました。防滴で、水やホコリによるダメージには2年保証があります。ANCはBose 700ほど高性能ではないのですが、使える程度には十分でした。
イヤホン型のJabra Elite 85tには良いところがたくさんあります。とても小さく着け心地が良く、操作も簡単です。ノイキャンは左右別に調整ができ、防風のマイクで通話もクリア、IPX4防水でバッテリーライフは6時間、外音取り込みモードにQi対応の小さなチャージングケース、2年保証も付いてます。ただElite 85tはノイキャン性能で(より安価な)1More True Wireless ANCにかなわず、また付属のチップが小さめなので、外耳道の大きいButterworth記者などは耳との間にすき間ができてしまいました。チップが一般的な形ならその点がここまで問題にならなかったかもしれませんが、サウンドチューブとチップが独特の楕円形で、他のチップに付け替えるのも難しいです。
Jabraは最近我々のお気に入り、Jabra Elite 75tを発売しました。ANCは1More True Wireless ANCほどパワフルではなく、Jabra Elite 85tほど調整の自由度もありませんが、使う意味は十分にあり、その効果は前段に載せたグラフで見られます。ANCはバッテリーを浪費するので、オンにした場合85tよりバッテリーライフが短くなります。なので毎日ノイキャンを使うような人にはお勧めしません。でもたまにノイキャンをオンにする程度なら、Elite 75tは素晴らしいチョイスで、防水防塵性能もIP55とElite 85tや1More True Wireless ANCより高いです。
JBL Live 650BTNCをこの記事でオススメにできなかった理由はいくつかあります。ANCがBose 700ほど効かなかったこと、音はJabra Elite 85hほどでなかったこと、でも価格はLife Q20ほど手頃でなかったことです。でも性能と価格に関してLife Q20とElite 85hの中間のものを求めるとしたら、話は違います。我々のテストでは、音質は耳に快く(バランスが取れていて、でも高額モデルのようなクリアさやはっきりした低音がなく)、ANCもまあまあできていて、フィットも快適でした。また同梱のケーブルに、珍しくリモコンとマイクが付いています。そういう意味では、とくに価格も考えれば、ちゃんと評価できるモデルです。
JLab Epic ANC Wirelessも、価格と性能という意味でイチ押しとお手頃の中間に位置します。音はすごく良いってものでもなく、ノイズキャンセリングも1Moreのものほど効いてません。でもEpic ANC Wirelessは飛行機でも有線接続できるケーブルが付属し、便利な外音取り込みモードもあります。どちらも、今回のお手頃オプションとなったTT-BH042にはありません。3サイズのシリコンチップとオプションで使う固定用ウィングが付属し、ほとんどの耳のサイズ・形に合わせられるはずです。ノイキャンは普通程度ですが、飛行機やモーターの音に対する効果は十分です。TT-BH042にない機能を求めていて、1Moreの価格にも納得できなければ、Epic ANC Wirelessが合っているかもしれません。
これから楽しみなこと
KlipschがKlipsch Over Ear Noise Cancelling Headphonesを発表しました。形状記憶フォームのイヤーパッド、バッテリーライフは30時間、コーデックはSBCとaptX HD、AAC対応です。価格は400ドル(約4万2000円)です。
その他の競合ヘッドホン/イヤホン
我々はメジャーなモデルすべてから無名ブランドのものまで、非常に多くのヘッドホン・イヤホンをテストしたので、以下リストにしていきます。この記事でイチ押しやオススメに入れていないからといって、製品としてダメということにはなりません。以前はオススメであっても、好みの変化で順位が下がったものもあります。以下、ヘッドホン、イヤホンの順にアルファベット順で列挙していきます。(訳注:日本で正規に販売されているもの・販売されそうなものにのみコメントを入れています。)
ヘッドホン編
AKG N700NC:AKG N700NCは音も素晴らしく、深い研究で編み出した「ハーマンカーブ」に基づくレスポンスがあります。でもイヤーパッドが硬くて着け心地が悪く、サイズもややかさばります。
Anker Soundcore Life Q30
Audio-Technica ATH-ANC700BT
Avantree Aria Me
B&O Beoplay H8:B&O Beoplay H8はとくに音の良いヘッドホンでノイキャンのテストでも好成績でした。ただ我々は、NAD Viso HP70のほうが、音や快適性という意味で好みでした。
B&O Beoplay H9:こちらは高価で、レビューではノイキャン性能が低く残念という声が目立ちました。
Beats Studio3:引き続きポピュラーなヘッドホンですが、我々(と多くのレビュワー)の耳には低音が強すぎてブーミーに感じられ、ノイキャン性能も普通でしかありません。
Beyerdynamic Lagoon ANC:見た目がカッコよく、ノイキャンもちゃんとしていて、音質はさすがのBeyerdynamicです。でもレビュー当時400ドル(約4万2000円)と言う価格だったので小さな欠点も大問題になりました。テストでは頭の小さな人にはヘッドバンドが大きすぎ、通話に使うと声のフィードバックがなく、音質はたしかに最初から良いのですが、低音がややふくらんでいてハイエンドなディテールに欠けていました。Beyerdynamicはヒアリングテストに基づいて自分向けに音を調整できるEQシステムを提供していますが、我々は医師に勧められない限り聴覚補償には懐疑的です。それでもBeyerdynamic Lagoon ANCは非常に競争の激しいカテゴリの優良なヘッドホンではあり、Butterworth記者は自身のブログで高評価しています。
Bose QuietComfort 35 Series II:こちらのノイキャン性能は、今ある中でベストのひとつです。さらに音質も良く、非常に快適で、超スリムなトラベルケースに収納できます。専用ボタンでGoogle AssistantまたはAmazon Alexaにアクセスでき、質問したりメッセージを聞いたり送ったりができます。ただし欠点は、強すぎるノイズキャンセリングで鼓膜吸引感が起きることで、Bose 700のような多段階のANC調節機能はありません。
Bowers & Wilkins PX:非常に高価ですがノイキャンは飛行機内の周波数帯で12.1dBとマイルドで、音が不自然です。
Bowers & Wilkins PX5:見た目は良いのですが、着け心地が悪いです。Wirecutterのパネリストは、ヘッドバンドがきつすぎると感じました。低音がぼやけていて、高音は子音やシンバルのシズル感が強すぎでした。
Bowers & Wilkins PX7:こちらも高価格ですが、全然良いと思えませんでした。ヘッドバンドがきつく、頭の小さい人でも締め付けを感じていました。ブーミーな低音で、男性ボーカル音域のベースギターのディテールがぼやけていました。
Cleer Flow II
Cowin E7 Pro ANC Wireless
Cowin SE8 ANC Wireless
Edifier W860NB:低音が前面に出てぼやけていて、ロックやヒップホップの男性ボーカルが埋もれてしまいました。ANCも我々のオススメのものほど効いていません。
EPOS Adapt 560
EPOS Adapt 660:ゲーミング向け・オフィス向けのヘッドセットメーカーEPOSとSennheiserがコラボしてできたヘッドホン。EPOS Adapt 660はモバイルデバイスともペアリングしますが、デスクトップコンピューターにもつなぎやすいようにUSB Bluetoothトランスミッターが同梱されてきます。が、音楽視聴には全然お勧めしません。我々の好みと比べて、高音域に力が入りすぎています。でもマイクの音質は非常にクリアで、背景音の低減にも優れているので、こちらはオフィス用ヘッドセットの記事を書いているチームにパスしておきました。
House of Marley Exodus ANC:ノイキャンはしっかりしているようでしたが、ANCがオンだと低音がとてもブーミーになりました。ANCをオフにすると低音のリバーブは抑えられましたが、子音やストリングスといった高音に、冷たいメタリックなどぎつさが出てきました。使っているサステナブルな素材はとても気に入ったので、残念です。
JLab Studio ANC
Marshall Mid A.N.C.:コンパクトなオンイヤーヘッドホンで、音はとても良いと思いましたし、ノイキャンもまあまあです。が、持ち運びしやすい形に折りたためないのが難点です。
Marshall Monitor II A.N.C.:ノイキャンはJabra Elite 85hと同等の平均14.1dBと十分使えるんですが、ベストではありません。折りたためるデザインはナイスですが、締付けがやや強すぎ、Dragan記者の小さな頭でも15分ほどできつく感じられました。Marshallらしい音は温かみのある方向で、Butterworth記者は気に入っていましたが、他のパネリストはもう少しハイエンドのディテールがあればと感じました。外音取り込みモードでは音がこもり、会話には使いにくかったです。
Master & Dynamic MW65:価格が気にならなければ、こちらも優秀な選択肢です。問題は、突出しているのは見た目のデザインだけだということです。ANCは普通程度で、本体はやや重すぎ、外部の音も遮断しきれておらず、音質はかなり良いですが、低音・高音がやや不自然にブーストされていました。価格が500ドル(日本国内参考価格6万908円)でなければこうした懸念も無視できるかもしれませんが、やはり完ぺきを求めたくなるお値段です。
Panasonic RB-M700B
Phiaton 900 Legacy
PreSonus Eris HD10BT
Puro PuroPro
Puro PuroQuiet
Razer Opus:フィットや着け心地は良いと思いましたが、ノイキャンが弱いです。また音質は低中音がぼけていて高音がきつく、ベースギターがこもって聞こえたり、スネアドラムや子音に不自然なシズル感がありました。
Sennheiser HD 4.50BTNC:ノイキャンが平均以下でした。音質はSennheiserらしく、高めの高音で不自然に突き抜けたピークがあり、男性の声が鼻にかかって聞こえました。それでもまあまあ良いとは思ったんですが、同じ価格なら他のもののほうが音が良かったり、ノイキャン性能が高かったりしました。
Sennheiser Momentum Wireless:Momentum 3とも呼ばれるこちらは、Sennheiser Momentum/HD1ラインの後継です。最新バージョンのMomentum 3は進化してはいますが、新たな選択肢が増えてきた中で競争力を維持できるほどではありません。全体のデザインは前と同じですが、ヘッドバンドのパッドが改良されました。音質は変わらずで、高音域でロールオフがあり、低音もムダに強調されていて、すべてが2次元的に聞こえました。4〜5万円という価格帯の他のヘッドホンに比べるとパッとしない音です。アプリにはEQ機能がありますが、インターフェースにまとまりがなくてほとんど使えません。ANCはわりとしっかり効いていますが、Bose 700ほどパワフルでも調整可能でもありません。自動再生・一時停止、自動オン・オフの機能はナイスで、マイクは通話でもクリアでしたが、やはり400ドル(日本国内価格5万2800円)という価格には見合いませんでした。
Sennheiser HD 450BT:残念ながらこちらも、飛行機内の音域でのノイキャンはそれほどでもありません。音質面でも、Wirecutterのパネリストは低音がくぐもり、高音は不安定、ベースラインの輪郭がぼやけ、シンバルやストリングスが不自然だと感じました。SennheiserアプリのEQ機能で音質の調整を試みましたが、アプリの調整項目は、音を細かくいじりたい者にとっては大ざっぱすぎでした。
Sennheiser PXC 550-II:こちらはそこそこのノイキャンで、軽い作りです。ただ低音が不均衡にブーストされていて、アコースティックギターの音が、ギターの内部にマイクがあるような聞こえ方でした。子音の音域でも刺さるようなブーストが感じられました。
Shure Aonic 50:ラグジュアリーなヘッドホンでビルドのクオリティは高いのですが、そのわりに音質は残念でした。ヴェールをかけたようなくぐもった感じがあり、我々が400ドル(日本国内価格4万1580円)のヘッドホンに求めるような高音の輝きやディテール、低音のくっきりしたアタック、ディケイといったものがありませんでした。ShureアプリではEQの調整が可能ですが、そのためにはアプリを通して音楽を再生せねばならず、ストリーミングで聞いているときは使えません。キャリングケースはやたらと巨大で、荷物のスペースが限られているときには向いていません。
Skullcandy Crusher ANC:ANCは効果的でしたが、機能をいろいろ詰め込みすぎでその結果全体の使い心地が残念になっていました。音質は高音が粗く、低音や過剰にブーミーで(ヒアリングに基づくチューニングやハプティクスをオフにしても)、そもそも電源が入っている間シューッとという雑音がはっきり聞こえてきました。
Skullcandy Venue:ノイキャンはまあまあですが、音は薄っぺらく、刺さるような感覚がしました。
Sol Republic Soundtrack Pro:ビルドクオリティはわりとナイスで、シャーシはしっかりとし、イヤーパッドも程よい弾力があります。ノイキャンは飛行機内ノイズのきつい部分は軽減してくれますが、すごく有効というほどでもありません。音質はくぐもっていて、男性ボーカルはとくにANCがオンだとやや埋もれてしまいました。
Sony H.ear On 2 WH-H900N:こちらは以前Wirecutterのイチ押しだったのですが、その後ほとんどの店頭で売り切れたりまた戻ったりを繰り返していました。テストでは鼓膜吸引感もなくノイズを低減していました。音質はバランスが取れて自然で、長時間着けていても快適でした。長時間のフライトや、騒がしいオフィスで使うときには大事なポイントです。バッテリーライフは25時間あります。が、たたむとBose 700よりややかさばります。それでも、もし在庫があれば、WH-H900Nは今でも優れた選択肢だと思います。
Sony WH-1000XM3:ノイキャンと快適性、持ち歩きの容易さをうまく組み合わせています。テストでは23.1dBと、オーバーイヤー型の中でもっとも多くのノイズをキャンセルしていました。でも音質を改善するにはアプリからの操作が必要で、タッチコントロールは寒いときに誤動作することがありました。
TaoTronics SoundSurge 55
TaoTronics SoundSurge 60 (TT-BH060)
TaoTronics SoundSurge 85 (TT-BH085):ANCはきちんと機能していましたが、我々がテストしたサンプルにはきつい接着剤のにおいが付いていて、音質もクッションを押し付けたスピーカーのようでした。予算を少し足して、我々のお手頃版オススメモデルを買ったほうがいいです。
Tribit Quiet Plus
Tribit Quiet Plus 72
X by Kygo Xenon
イヤホン編
Amazon Echo Buds:Amazonのエコシステムをメインで使っている人には魅力的でしょう。スマホと接続すると、Echo BudsにはAlexa常時待機機能があるので、ウェアラブルなEchoデバイスとなります。ただ他のAlexa搭載デバイスと違い、Echo BudsはEchoデバイスの近くにいるときは音声リクエストを二重に受け取らないようにしています。またイヤホンとしてもしっかりしていて、サイズが小さいので快適に装着できるし、音質も良く、操作は簡単で、価格はリーズナブルです。左右のイヤーピースは単独で使えて、片方または両方外すと自動で音楽が一時停止します。バッテリーライフはフル充電で5時間で、ケースも使うとプラス15時間になります。欠点は、Alexaとして使うにはスマホのAlexaアプリを開いておかなければいけないこと、イヤホンに物理的な音量コントロールがないことです。Boseの技術提供によるノイズリダクションではエアコンや飛行機の低いうなりを抑えられますが、Bose 700で最強の設定にしたときほどパワフルではありません。効果はだいたいBose 700の半分くらいと言う感じですが、それは鼓膜吸引感を感じやすい人にはむしろ良いニュースかもしれません。
Apple AirPods Pro:AirPodsに比べると、音質・柔軟性と言う意味で大きなステップアップです。ただ最近、かなりの人からAirPods Proの片側または両側からカタカタ音が聞こえるという情報が寄せられています。Appleはこの問題にはすぐ交換で応じているようですが、それでもかなり問題には違いありません。我々はAppleにコンタクトしましたが、まだ回答がありません。が、Appleのサポートページには、雑音が聞こえるAirPods Proユーザーへのアドバイスと、ANCの問題解決のためのTipsが追加されました。AirPods ProはAppleファンには良いのですが、ファンでない人には価格なりの価値がないかもしれません。ANCは平均8dBの低減でまあまあだと感じましたが、その結果はもっと安価な1More True Wireless ANCの18.2dBと比べると全然大したことありません。鼓膜吸引感を起こす可能性もあります。バッテリーライフは4.5時間と、米国横断のフライトも1日分の仕事時間も乗り切れません。さらに有線で使えないので、ケーブルが必要なインフライトシステムでは使えません。タップベースの操作がなくなったのは良かったんですが、感圧操作もまた難しいです(曲を一曲飛ばしたいときに、一時停止したりしてました)。我々はAirPods Proが嫌いなわけではなく、ただ他のイヤホンのほうが好きなだけなんです。
Audio-Technica ATH-ANC33iS
Audio-Technica ATH-ANC40BT
Audio-Technica ATH-ANC300TW:完全ワイヤレスながら、ノイズをしっかり低減させています。ただ本体サイズが大きいのと固定用ウィングがないのとで、シリコンのイヤーチップは4サイズ、Complyチップも1対同梱されているのですが、耳の小さい人には着けにくくなっています。ボタンは使いやすいのですが、デジタルアシスタントの起動の仕方がわからず、マニュアルにも書かれてませんでした。音質は低音が前面に出て、高音も強調され、ドラムを叩く音と共鳴がつながっていないような不自然な聞こえ方でした。繊細な人は、長く聞くと子音の音で疲れてしまうかもしれません。こうした欠点があっても完全にだめではないのですが、価格が230ドル(日本国内価格2万2880円)なので、そこまでの価値はないと考えました。
Aukey EP-N5:こちらは外耳道の大きい人には着けにくいチップでした。密閉できてもノイキャンは効果低めで、でもエアコンなどの低いうなりは減らせました。音質はまあまあで、低音がブーストされ、悪くはないハイエンドなエッジがあります。コントロールには音量調整がなく、そこは残念ですが、最大の欠点はマイクの音質がとても圧縮され、クリアさがないことです。
Aukey EP-X1
Aukey Key Series EP-N33
Aukey Key Series T18NC
Ausounds AU-Flex ANC:明るめの音が好きな人には、AU-Flexは比較的新しい会社の製品としてはとても良くできています。ハイエンドなオーディオファンが、より利便性の高い、通勤向けデザインを求めている場合に一番適しています。ただANCは控えめで、低音の基盤ももう少しほしいところでした。Butterworth記者は自身のブログで同様の評価をしています。
Ausounds AU-Stream Hybrid:ジーンズのキーポケットにも入るような、小さなチャージングケースがすごく良いです。Wirecutterのパネルにとっては、サイズがやや大きめで、耳の小さい人は他のものを探したほうがいいです。タップベースの操作は、頻繁にする場合は面倒かもしれません。音質はまったく不快ではないのですが、高音にシャリシャリ感があり、スネアやストリングス、シンバルのヒットが不自然に感じました。興味深いのは、外音取り込みモードに音量リミッターがあるらしく、急に音が入ると音量が下がりました。何秒かに1台車が通り過ぎる場所で電話しているとかでない限り、これは良いアイデアだと思います。全体的にはまっとうなイヤホンですが、オススメにするレベルではありませんでした。
B&O Beoplay E4:ノイキャンはしっかりしていますが、音質が残念です。
Bose QuietComfort 20:有線のこちらはAppleフレンドリー版とAndroidフレンドリー版がありますが、テストの結果、どちらもインナーイヤー型イヤホンとしてはベストなノイキャン性能です。しかもオーバーイヤー型のQuietComfort 35 Series IIにあるような鼓膜吸引感を起こしません。よく飛行機に乗り、インフライトシステムを使う人にはすごく良いです。ただBose QuietComfort 20は我々がこの記事でオススメするノイキャンイヤホンと比べて音質が低く、ワイヤレスでもありません。ヘッドホンジャックのないデバイスで使うにはアダプタが必要になります。
Bose QuietControl 30:ネックバンド型のワイヤレスイヤホンで、ノイキャンはしっかり、鼓膜吸引感なし、バッテリーライフは長く、音質も良いです。ただ価格が高く、我々のおすすめに比べて快適性や柔軟性で劣ります。有線接続できないので飛行機のインフライトシステムで使えず、バッテリーがなくなったときに有線で聞き続けることもできません。
Bose QuietComfort Earbuds:通常よりかなりサイズが大きいですが、フィットはかなり快適です。音質も非常に良く、いわゆるBoseらしい音を期待する人を裏切りません。ただノイキャン性能が独特で、150〜200Hzにはずば抜けて高いんですが、他の周波数帯では普通程度です。なので飛行機内の騒音のごく限られた部分だけが完全に遮断され、他の抑えた騒音の中でドーナツの穴みたいにぽっかりと聞こえない音があるわけです。これより100ドル安い(日本では約1万3000円価格差のある)1More True Wireless ANCもノイキャン性能は同等、というか他の周波数帯には相対的にベターになります。さらにBoseのチャージングケースは石鹸置きくらいのサイズがあり、ポケットに入れるのは厳しいです。音量コントロールもなく、外音取り込み機能は片方のイヤホンを外したときに有効化されるんですが、それってそもそも外音取り込みの意味があるんでしょうかね…。全体的に、欠点とかデザイン的に不思議なことが多く、見過ごせませんでした。
Cleer Ally Plus
Earfun Air Pro:ノイキャンも外音取り込みも、価格のわりに非常に良くできています。音質は低音が前面に出ていて、でも男性ボーカルが完全に押されてしまうほどではないので低音好きには高評価だと思います。タップベースの操作では音量調節や前の曲に戻る機能がないのですが、価格を考えれば、だからダメというほどの問題ではなさそうです。一番問題だと思うのはフィット感で、Wirecutterパネラーのほとんどが密閉感は得られたとする一方で、つねにイヤーピースがゆるいような、耳の中に押し込みたくなる感覚があったとしています。イヤーピース先端のシリコンチップで固定する仕組みで、耳の小さい人には使いにくいかもしれません。
Edifier TWS NB ANC:このワイヤレスイヤホンはケースがものすごく大きいのですが、問題はそこだけじゃなく、音質にもノイキャンにも欠点があります。低音のエッジが濡れたインクみたいにぼやけていて、男性ボーカルがくぐもっています。高音は鋭く強調されていて、ピアノの音が不自然に固く聞こえました。ノイキャンは低周波数帯には効果があったものの、飛行機内の音の周波数の低い方ではあまり効いていませんでした。
Edifier TWS NB2:イヤホンの形状的に、固定するのが難しいです。先端の形のせいでイヤーカナルを完全に密閉にしくく、ANCの効果が半減します。タッチコントロールは、イヤホンのフィットを調整するたびに誤作動しやすく、音量調節や前の曲に戻る機能はありません。音はあらゆる周波数帯で強調と抑制があり、普通から小さめの音量だとボーカルが聞こえにくくなっています。
House of Marley Redemption ANC:Marleyがよりサステナブルな素材を使おうとしてるのは素晴らしいのですが、完全ワイヤレスのRedemption ANCはそれ以外に良いところがありません。タップベースの操作はやたらと力を込めないと認識されず、反応にムラがあります。さらにANCは最低限でしかなく、全体の音質はくぐもっていました。
JLab Epic Air ANC:
JLab Epic Executive
JLab Epic Air Sport ANC
Koss QZ Buds
Letscom T19
Panasonic RZ-S500W:この完全ワイヤレスイヤホンは背景音の低減にちゃんと効果を発揮し、フィット感を得るために5つのサイズのイヤーチップが付属しています。ただ操作が直感的でなく、音質は高音に尖ったレスポンスがあり、冷たくかすれたような印象がありました。スマホとのペアリングは操作自体は簡単でしたが、その途中で固まることが通常以上に多くありました。
Phiaton BT 100 NC
Plantronics BackBeat Go 410
Samsung Galaxy Buds Live:Samsungスマホとペアリングすべく作られた完全ワイヤレスイヤホン・Samsung Galaxy Buds Liveは、EngadgetやCnetなどでムラのある評価を受けています。いわく、音質はだいたい良いのだが、ノイキャンがあまり効かず、小さい耳にはフィットしにくいと。なので我々としても、ノイキャンを求める人にはお勧めしません。
Sennheiser Momentum True Wireless 2:Sennheiser独特の音質で、低音がわずかにブーストされ、高音はより強くややシャリシャリする、子音が強調される音です。操作部では一般的なBluetoothイヤホンに期待されるようなことすべて動かせます。必ずしも直感的ではないものの、多少慣れれば問題ありません。ただノイキャンは良くてマイルドといった程度なので、そこを再重視する人は高いお金を出してこちらを選ぶ必要はありません。
Skullcandy Method ANC:ANCはかなりマイルドで、付属してくるイヤーチップは普段ラージとかエクストララージのチップを使ってる人には足りない大きさです。
Sol Republic Amps Air +:サイズが大きいので、イヤーカナルの小さい人にはフィットしにくいです。ノイキャンはマイルドで、タップベースの操作が誤作動しやすく、音楽をかけようとしてデジタルアシスタントを呼び出してしまうことがよくありました。音質は悪くはないのですが、他の欠点をカバーするほど素晴らしい音でもありません。
Sony WF-1000X
Sony WF-1000XM3:音質が非常に高いのですが、良いと思えるのはそこまでです。サイズが大きいので着けていて疲れやすく、ANCはほとんど効果がありません。操作は限定的で、耐水性もありません。高価な完全ワイヤレスなので、水たまりにでも落ちたらすごくショックです。
Sony WF-SP800N:9時間というバッテリーライフはすごく良いのですが、サイズが大きくやや不安定感があり、とくにこのイヤホンの利用目的である運動中にそれを感じます。操作はカスタマイズ可能ですが、有効化できるボタンのアクションはふたつしかないので、音量・選曲・デジタルアシスタント起動・ANCオン/オフから機能を選ばなくてはいけません。音はデフォルトでかなり良く、ノイキャンは扇風機のような大きな音を低減するのに使えますが、インターフェースとフィットの問題が大きいため、オススメにはしませんでした。
Sony WI-1000X:ネックバンド型で高価ですが、ノイキャンが合格以下の性能です。
TaoTronics SoundLiberty 94:サウンドチューブが一般的なカナル型イヤホンより深く入り込むので、不快に感じる人もいるかもしれません。ノイキャンはちゃんとできていますが、音質的には低音がぼやけてパッとしません。価格がすごく安ければ音質は無視できるかもしれませんが、操作がしにくいのも気になります。Wirecutterのテストでは、音楽の一時停止をしようとして音量が変わってしまったり、その逆といったことが多く、イライラの元でした。
TCL ELIT200NC
Technics EAH-AZ70W:この完全ワイヤレスイヤホンの問題は比較的小さいです。サイズが大きいので小さめの耳にはフィットしにくいのと、操作が直感的でなく、高音のピークがありストリングスに金属的なエッジが感じられました。ANCが低音域で効いていて調整可能であること、シリコンのチップが5サイズ付属していることは良いと思います。外耳がこのイヤホンを使える程度に大きい人なら、フィット感は得られると思います。高音に若干のピークがあることを除けば、音質はわりとバランスが取れていますが、250ドル(日本国内価格3万2000円)という価格のわりには音場の深さがありません。飛び抜けてダメな部分はないのですが、競争の激しいこのカテゴリで、単に良いというだけでは不十分、ということです。
Tribit FlyBuds NC:ノイキャンが最優先なら、こちらは買うべきでないです。ANCが弱すぎて、役に立ちません。
Urbanista London:ノイキャンは非常に低い音域でしか効果がなく、アイソレーションも良くないので、話し声など高い周波数の音はかなり入り込んできます。タップ操作は効かないことが多く、音質はこもっていて、スピーカーの上に毛布をかぶせたような音です。
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2020-12-09 13:00:00Z
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