Jumat, 10 September 2021

ニコンのミラーレスカメラ「Z fc」と「Z 50」、どちらにしようか悩んでいる男がじっくりZ fcを使ってみた - ギズモード・ジャパン

どっちも魅力的なんだけどね。

僕はここ12年くらい、ニコンのデジタル一眼レフカメラを使い続けてきました。今はフルサイズデジタル一眼のD750、DXフォーマットの一眼レフD500、D3400を使っています。

でも時代はミラーレス。他社のミラーレス一眼は自分で買ってちょこちょこ使っているのですが、ニコンはなかなかミラーレスに移行する決心がついていません。

というのも、バッテリーの持ちが心配だったり、ファインダーの見え方の違いというのが気になって、仕事用に使おうという気がしなかったんです。

しかしここ数カ月、気になる存在が。それがニコンの「Z 50」です。APS-Cですが、写りに関してはいろいろなレビューや撮影サンプルを見る限り、仕事で使っても問題ないレベル。というか、今僕が使っているデジタル一眼レフよりは確実によくなっていると感じています。

「そろそろZ 50買ってみようかな」なんて考えていたところ、ニコンから「Z fc」が発売されました。実際に触ってきましたが、小型でフィルム一眼レフのようなクラシカルなデザインにグッと心が引き寄せられました。

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Photo: 三浦一紀

そこで、今回ニコンさんからZ fcをお借りして、使い勝手や性能、画質などをチェックしてみました。

小さくて軽いことは正義

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Photo: 三浦一紀

8月のある日、山梨県山梨市へ出張があったので、そのときにZ fcを持っていきました。持っていったのはZ fc本体、標準ズームの「NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR」、単焦点の「NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)」、そして望遠ズームの「NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR」の3本です。

まずビックリしたのが、3本のレンズを持っていったのに、いつもより荷物がめちゃくちゃ少なくなったこと。普段のちょっとした出張ならば、D750に標準ズーム「AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED」、望遠ズーム「AF-P NIKKOR 70-300mm f/4.5-5.6E ED VR」、マクロレンズはタムロンの「SP AF90mm F2.8 Di MACRO」がミニマムなセットなんですが、これよりも重量、容量ともに大幅ダウン。これには驚きました。

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撮影仕事のときのミニマムなセット。D750にレンズ3本+ストロボなど。小さめのカメラリュックがパンパンになる。
Photo: 三浦一紀

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Z fcとレンズ3本にすると、こんなにスカスカに! いや、これマジびっくりしました。
Photo: 三浦一紀

日帰り出張の際にはリュックとカメラバッグで行くことが多いのですが、今回は小さなカメラバッグのZ fcとレンズ3本を入れて、それごとリュックに入れていきました。つまり、荷物がひとつで済んじゃったんですね。ブラボー。

特に日帰り出張は、着替えなどがないのでできるだけ荷物をコンパクトにしたくなります。これまで2つのバッグを持っていたのが、ひとつになるのは身も心も軽くなります。これは大きなメリットだと感じました。

しかも今回は真夏の電車+徒歩+タクシーを使っての出張。こういうときはこの荷物の軽さ・コンパクトさがとてもありがたく感じます。今回は大きめのリュック(30リットルクラス)で行ったんですが、カメラバッグを入れた状態でも結構余裕があったので、お土産も入りました。

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Photo: ささきたかし

つまり、「小さくて軽いことは正義」ってことです。今回の件でしみじみ実感しました。

画質に関しては文句なし!

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Photo: ささきたかし

山梨で仕事を終えた後、Z fcでいろいろ撮影をしてきました。作例は以下のスライドショーをご覧ください。

画質に関しては、何の文句もありません。正直、フルサイズのD750よりも画質面では上なんじゃないかと思いました。やはりZシリーズの画質は伊達じゃないですね…。

Z fcそのものの性能がいいことはもちろん、レンズの性能もかなり画質に寄与しているのではと思います。キットレンズのAF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VRでもキレッキレの描写。望遠ズームのNIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VRもいい写りをしてくれますし、単焦点のNIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)は、使いやすい焦点距離で付けっぱなしにして常用したいくらい。もちろん単焦点らしいキレのある描写です。

僕は仕事ではD750の出番が一番多いのですが、別にフルサイズ信仰者ではありません。Z fcくらい高画質であれば、もうフルサイズじゃなくてもいいかな、なんて思いました。

うーむ、Z fc、なかなかよいじゃないか。

Z fcのここがよかった

1日撮影に持ち歩いて、Z fcで気に入ったところをかいつまんでご紹介します。

丸形ファインダーが気持ちいい

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Photo: 三浦一紀

Z fcは丸形ファインダーを採用しています。これはもう、ニコン使いの人ならみんな思っていることかもしれませんが、やっぱり丸形ファインダーなんですよね! ニコンのカメラにおいて、丸形ファインダーは上級機種の証。憧れなんです。見た目だけの問題のような気もしますが、気分が上がれば写欲も上がる。また、ファインダーを覗くとき角形ファインダーよりも目を当てやすいような気がしています。

モバイルバッテリーで充電・給電できる

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Photo: 三浦一紀

ミラーレス一眼に本格移行していない大きな理由のひとつが、バッテリー。ライブ撮影やイベント撮影など、長時間+多カット撮影することが結構あるので(最近はこのご時世でありませんが)、バッテリーの持ちが悪いと頻繁にバッテリー交換しなければならないため、バッテリーの持ちがいいデジタル一眼レフしか使ってこなかったんですよね。

でもZ fcはモバイルバッテリーでの給電・充電が可能。特に今回のような撮影では、休憩中などにちょっと充電したり、バッテリーが心許なくなったら給電しながら撮影できるのは安心感につながります。

ちなみに、Z fcの直系の先輩に当たるZ 50はモバイルバッテリーからの充電には対応していますが給電は不可。あと、Z 50はUSB端子がmicroUSBなんですよね(Z fcはUSB-C)。うーむ、微妙なところですけど結構大きな差かもしれません。

キットレンズが好き!

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Photo: 三浦一紀

今回の撮影で一番使用したレンズが、キットレンズにもなっている標準ズーム「AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR」です。このレンズ、とてもいい! 描写がいいのはもちろん、最短撮影距離が24mmで20cm(焦点距離により異なる)と結構寄れる上、最大撮影倍率が0.2倍。簡易マクロとまではいきませんが、それなりに寄って撮れるので幅広いシーンで使えます。

あとはコンパクトさ。沈胴式となっているため、使い始めはクルッと回してレンズを繰り出す必要があります。でも、レンズをしまえばパンケーキレンズ並に薄いので、ボディに付けて歩いていても全然気になりません。

まあ、このレンズが使いたいのならZ 50でもいいんですけどね(Z 50のレンズキットの場合はレンズは黒になります)。

電子ビューファインダーが見やすい

これはもう、Zシリーズが最大限にプッシュしていいところだと思います。他社のミラーレス一眼に比べ、とっっっっっても見やすい! 遅延もあまり感じませんし、カメラを横に振ったときのブレも最小限。見え方はクリアですしもちろん視野率100%。光学ファインダー大好き人間ですけど、このZ fcの(もっといえばZ 6IIなどの上位機種のほうがいいですけど)電子ビューファインダーには違和感がありませんでした。

Z fcのちょっと気になったところ

Z fcを一日持ち歩いて使ってみて(実はこの撮影前にも自分の仕事で使ってみた)、画質面の不安はまったくないことがわかりました。

ただし、本体に関してはやや不満な点&自分には合わないなというところもありました。

グリップがない

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Photo: 三浦一紀

ニコンのフィルム一眼レフ「FM2」をモチーフにしたデザインはクラシカルでかっこいいんですけど、右手の部分にグリップがないのが気になります。やっぱり、グリップがあったほうが握ったときにしっかり持てますし、シャッターも切りやすい。

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Photo: ささきたかし

また、首からさげずに右手で持つスタイルの場合、グリップは必須。僕は右手に持って移動することが多いので、やっぱりグリップあったほうがいいなと感じました。

ダイヤル類がムダに感じる

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Photo: 三浦一紀

本体上部にISOダイヤル、シャッタースピードダイヤル、露出補正ダイヤルがあるZ fc。フルマニュアルで撮影する場合はこれらのダイヤルが大活躍しますが、僕はAモード(絞り優先)かPモード(プログラム)で撮ることがほとんど。そうなると、シャッタースピードダイヤルってほとんど使わないんですよね

また、ISOオートに設定するとISOダイヤルも使用しません。そして露出補正は本体背面にあるサブダイヤルに割り当てるので(ほかのニコンのカメラと同じ使い方)、露出補正ダイヤルもいらない

となると、この豪華なダイヤル類、ほとんど使わないんですよね…。使わないダイヤルがいっぱいあっても、あまり意味がありません。

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Photo: 三浦一紀

せめてISOダイヤルに「オート」の目盛りがあれば使うこともあると思いますが、ISOオートの設定はメニューからしか行なえないため、ほんとにISOオートにしたら使わないんですよね…。

また、絞り操作に関してはレンズからではなくボディのダイヤルから行ないます(Zレンズには絞りリングがない)。ここもちょっとチグハグかな。Z fcの豊富なダイヤル類を活かして撮影するなら、絞りもレンズの絞りリングで設定したい。僕は、ボディ前面のダイヤルに絞り設定を割り当てています。

絞りリングのあるコンパクトな単焦点レンズとか出たら、Z fcのよさがさらに引き立つと思います。

バリアングル液晶は便利だけどあんまり使わない

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Photo: 三浦一紀

これはもう僕の撮影スタイルの話なんですけど、基本ファインダー覗いて撮影するんですよね。だから、背面液晶は画像の確認がメイン。たまにハイアングルかローアングルで撮影するときに使うか、動画撮影のときに使うくらいです。

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Photo: ささきたかし

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Photo: ささきたかし

ハイアングルやローアングルでの撮影の場合、自分の視線の真上か真下に構えるため、バリアングルじゃなくてチルト式の背面液晶で十分なんですよね。

Z fcはバリアングルで、Z 50はチルト式。僕の用途ならZ 50のチルト式で満足できそうです。

Z fcでZシリーズのよさを実感。でもZ fcじゃなくてもいいかも

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Photo: ささきたかし

一日+α、じっくりZ fcを使ってみましたが、まずその画質のよさに「さすがニコン」と思いました。画面の隅々までよく映っているだけでなく、とても画質がクリア。普段デジタル一眼レフを使っている僕の目から見ると、薄皮一枚剥がれたような印象を受けます。

また、コンパクトさにも驚きました。とにかく荷物が減りますし、撮影中にカメラが重くて疲れちゃうなんてこともなく、一日中快適に撮影ができます。いつも取材などでカメラ持っていくんですが、ノートPCや周辺機器なども一緒に持ち歩くので、なるべく荷物が軽いほうが機動力が上がって仕事しやすいんです。

もうこの2点だけで、ニコンのミラーレス一眼使いたい! という思いが溢れまくっていたのですが、じゃあZ fcにするかというとちょっと考えちゃいます。

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Photo: ささきたかし

僕の撮影スタイルだと、Z fcはちょっとオーバースペックなんです。ダイヤル類をほとんど使いませんし、瞳AFなども使いません(ほぼAFは中央1点固定)。

となると、Z fcのベースとなっているZ 50でいいんじゃないか。そんな気持ちになっています。画質はほぼ同じですし、機能面もそれほど違いはありません。デザインはクラシカルなZ fcのほうがかっこいいんですけど、Z 50はグリップもありますし、僕の撮影スタイルなら必要十分なんですよね。

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Photo: ささきたかし

画質と撮影のしやすさ、シンプルさで言えばZ 50、かっこよさやクラシカルなデザインを優先するならZ fc。両機種で迷ったら、そんな観点で選んでみてはどうでしょうか。

多分、どちらを買っても後悔しないと思いますよ。

Source: ニコン

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