岡山大学、名古屋市立大学、宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所などの共同研究チームは、日本の小惑星探査機「はやぶさ2」の探査対象であった小惑星リュウグウから回収された16粒子に対して、詳細な地球化学総合解析を実施した。その結果、小惑星物質試料が太陽系形成前から現在に至る複雑な物理化学過程の証拠を保持していることがわかり、生命の起源を含む太陽系物質進化の新しい描像を導くに至った。
研究チームは、はやぶさ2がリュウグウの2カ所のタッチダウン地点の表層付近から採取した試料のうち16粒子(総量55㎎)を化学的に分析し、粒子ごとに最大70元素について濃度や同位体組成、特徴的な同位体組成を呈するミクロンサイズの有機物を解析。リュウグウ試料中に、太陽系のもととなった星間物質や太陽系前駆物質など、太陽系が形成される以前の起源の異なる有機物および無機物を確認した。
今回の分析結果によると、リュウグウは太陽系外縁部で、星間物質や太陽系前駆物質を起源として、大きさ数十キロメートルの氷天体(微惑星)として誕生。太陽系形成後の約260万年までの期間に水質変質を被って破砕され、大きさ数キロメートル程度の彗星核を形成した。その後、彗星様小惑星として地球近傍軌道に至り、氷の昇華を伴いながら、粉砕集積体様の小惑星へと進化したと見られるという。
研究成果は、欧文論文誌である日本学士院紀要(Proceedings of The Japan Academy)に2022年6月10日付で掲載された。
(中條)
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2022-06-13 10:33:42Z
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