宇宙航空研究開発機構(JAXA)や東北大学などの研究チームは、小惑星探査機「はやぶさ2」が回収した小惑星リュウグウのサンプル(同探査機が回収した3番目に大きなサンプルを含む17粒子)を日米欧の放射光施設5カ所、ミュオン施設などで宇宙化学的・物理学的手法によって解析。リュウグウの形成から衝突破壊までの歴史を解明した。
研究チームは今回、リュウグウの太陽系内での形成とその位置、天体材料物質の情報、含まれていた氷の種類、天体表層および内部での水との反応による化学進化、天体衝突の影響などについて調査。サンプルの硬さ、熱の伝わり方、比熱、密度などの実測値を使って、リュウグウ母天体形成後の天体内部の加熱による温度変化、および衝突破壊プロセスの数値シミュレーションを実行。リュウグウの形成進化について以下の知見を得た。
1. リュウグウの母天体は、太陽系形成から約200万年後に、極低温(マイナス200℃以下)の領域で岩石と水と二酸化炭素の氷を含む、直径100キロメートル程度の天体として形成された。
2. 太陽系形成から約300万年後、氷が融解して水による初期化学反応が起こった。
3. 太陽系形成から約300万~500万年後、およそ50℃まで温まり、水と岩石の化学反応が進行。天体内部は強く含水化し、天体表層には弱い含水化作用が働いた。
4. その後、リュウグウ母天体の10%程度の大きさ(直径10キロメートル程度以下)の天体と大規模衝突し、直径50キロメートル程度の岩塊と小さな岩片に分裂した。衝突点付近は強く加熱圧縮された。
5. 衝突点から離れた領域の岩片が再集積し、リュウグウを形成した(直径1キロメートル以下)。
小惑星の形成進化のシミュレーションに、実際の小惑星のサンプルの硬さや温まりやすさなどの測定結果を取り入れたのは世界初だという。研究成果はサイエンス(Science)オンライン版に9月22日付で掲載された。
(中條)
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2022-09-25 08:20:13Z
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