星から伸びる6本の光の筋がウェッブの特徴です。
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)から、まだ若い星たちが渦巻くタランチュラ星雲の最新画像が届きました。中心部には穴が開き、その周りにはクモの糸が張られているかのように見えますが、この空洞は激しい放射エネルギーによってできたものだとNASAのリリースには書かれています。
星雲とは新星のゆりかごになり得る、星間物質が多い巨大な雲のような天体で、タランチュラ星雲の名称はクモのタランチュラに由来しています。
ESAのJWSTプロジェクト科学者のChris Evans氏は、「ウェッブによるタランチュラ星雲の素晴らしい画像は、中央の星団を取り囲む高密度なガスと塵の中で形成の初期段階にある星々を明らかにしており、局所銀河群で最大の育星場について新たな見識を与えてくれます」とコメントしています。
天の川銀河に近い銀河「大マゼラン雲」にあるタランチュラ星雲は、地球からは16万1000光年ほど離れています。ウェッブの科学者らは望遠鏡に搭載されている赤外線観測装置類を活用し、この星雲の煌びやかさを余すことなく捉えました。トップの画像は近赤外線カメラで撮影されています。
NASAいわく、中心部の空洞化を招いたのは、中央右に位置する青く輝く星の集団から放出されたエネルギー。激しい恒星風によって浸食したそうです。その周囲の領域は非常に密度が高く、“原始星”と呼ばれる生まれたばかりの星が存在する柱を形成しています。ウェッブの中赤外線観測装置(MIRI)が捉える長い波長は粒子状物質の雲を透過できるため、星間塵の奥深くまで観測できました。
タランチュラ星雲は“宇宙の真昼”と呼ばれる誕生から数十億年しか経ってない頃の宇宙と似たような化学組成を有していることもあって、宇宙の過去についてもっと深く学べることになりそうです。
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2022-09-10 09:00:00Z
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