Ferrari 812 GTS
フェラーリ 812 GTS
V12フラッグシップの最終型となる可能性大
フェラーリは、今年のフランクフルト・モーターショーに、V8シリーズの最新版「F8 スパイダー」の他に、V12フラッグシップの812スーパーファストをベースにした、そのオープンモデル「812 GTS」をワールドプレミアする。同時に2台のオープンモデルを発表するのは極めて異例のことだが、F8スパイダー同様、これまでの例を見る限り、もはやこれは812シリーズの最終形であることは間違いないだろう。
フェラーリは、2000年以降、定期的にフラッグシップのV12モデルに限定車としてオープンモデルを用意してきたが、今回の「812 GTS」は、通常のラインナップとして用意される模様。2000年には、550バルケッタ・ピニンファリーナ(550マラネロがベース)、2005年にスーパーアメリカ(575Mベース)を、2010年にはSAアペルタ(599)、2014年はアメリカ進出60周年を記念したF60アメリカ(F12ベルリネッタ)をリリースしてきたが、いずれもその世代の最後にデビューを飾っている。
ルーフの開閉は14秒で完了。空力効果も考慮したリヤ周り
812スーパーファストをベースにしたこの812 GTSは、RHT=リトラクタブル・ハードトップを採用し、約14秒で開閉をこなし、45km/h以下であれば走行中での実施も可能という、F8スパイダー同様の機能性をもつ。
オープントップ化するにあたり、フェラーリは812スーパーファストのルーフからラゲッジまでリヤ全体を再設計しているが、ルーフの可動メカニズムを格納する2つのバックレストを中心に視覚上の効果を演出するよう、推力の感覚をもたらすようにデザイン。クーペ=ベルリネッタとはまた違う、これまで見られてきたフェラーリのスパイダーらしいリヤスタイルに仕上げている。
また、812スーパーファストで印象的だったリヤのホイールアーチのエアロダイナミクス・バイパス(Cピラーに設けられているダクト)は当然ながらオープン化に伴い廃され、それを補完するために3枚のフラップを追加装備したリヤ・デュフューザーで再構成している。空力効果にこだわる実にフェラーリらしい策とフィニッシュだ。
このあたりは、フェラーリ・スタイリング・センターが開発当初から目的とした点で、まずクローズド時はベルリネッタと同等の性能を維持、2つ目にキャビンへの乱流と風切り音を最小限に抑え、会話に支障をきたさないよう仕上げることだったという。もっとも今では常識的な策ではあるが、フェラーリが巧みなのは、そのアプローチ。フロントガラス上部のコーナーに2つの小さなL字型フラップを設け、リヤ・スクリーン上からの高速気流の乱入を抑え、さらにシート後方に配された2つのバックレストのフロントトリムに通路を作ることで、キャビン内のエアを放出、ウインドストップ下流の分散気泡の再圧縮を促進させたという。これは、すでにラ フェラーリのオープン仕様、アペルタでも採用していた策だが、こうしたスパイダーモデルに対する快適性に関しても積極的に研究している証しだろう。
800ps&718Nmを発揮するV12自然吸気エンジンを搭載!
パワートレインは、812スーパーファストと変わりはない。自然吸気式V型12気筒DOHC48バルブエンジンは、6.5リッターの排気量から最高出力800ps、最大トルク718Nmを発揮。F1ユニット由来の可変吸気システムや350barにも及ぶダイレクト・インジェクション・システムを採用し、最高回転数の8900rpmまで瞬時に到達する。
その他、電動パワーステアリング(EPS)や、最新の電子制御技術によるビークル・ダイナミクス・コントロール、そしてバーチャル・ショートホイールベース2.0と呼ばれる後輪操舵システムを搭載。さらにコーナリング時にグリップの限界域に達した場合にステアリングの重さを変化させて制御を促す、フェラーリ・ピークパフォーマンス(FPP)や、パワーオンでオーバーステアになると重さを変化させることで正確な操舵角に導く、フェラーリ・パワーオーバーステア(FPO)もそのまま受け継いでいる。
ちなみに乾燥重量は、オープン化したことで75kgほど増しているが、最高速度は同等の340km/h、0→100km/h加速は3.0秒と、ベルリネッタ比で0.1秒しか変わらないのも注目すべき点。無論、重量の増加に対応してマグネティック・ライドのダンパーもそのセッティングを見直しているというから、快適性からトラクション性能までベルリネッタと比較しても申し分ない性能を維持しているというから抜かりはない。
【SPECIFICATIONS】
フェラーリ 812 GTS
ボディサイズ:全長4693 全幅1971 全高1278mm
ホイールベース:2720mm
トレッド:前1672 後1645mm
乾燥重量:1600kg
重量配分(前/後):47/53
トランク容量:250リットル
燃料タンク容量:92リットル
エンジン:65度V型12気筒DOHC48バルブ
総排気量:6496cc
ボア×ストローク:94×78mm
最高出力:588kW(800ps)/8500rpm
最大トルク:718Nm/7000rpm
圧縮比:13.5
許容最高回転数:8900rpm
トランスミッション:7速DCT
ブレーキ ローター径:前398×223×38 後360×233×32mm
タイヤサイズ(リム幅):前275/35ZR20(10J) 後315/35ZR20(11.5J)
最高速度:340km/h
0→100km/h加速:3.0秒
0→200km/h加速:8.3秒
https://genroq.jp/2019/09/42396/
2019-09-09 08:08:00Z
52781912755863
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