プレイヤーの周囲を飛び回る蚊の方向に向けてスプレーを噴射し、最終的に蚊をどれだけ退治できたかをスコアとするゲーム。噴射時間によって缶の内容量が減っていき、缶の残量がなくなるとゲーム終了。
1匹の蚊の退治に手間取ると刺されてしまうこともあり、ゲーム終了時には何匹の蚊を退治して、何回刺されたかが告げられます。プレイ感覚は、自分の周りを飛び回る点のターゲットにコントローラーを向けて、向けた方向と点の位置がうまく重なれば得点になるイメージ。
筆者が実際に体験してみたところ、音だけで常に移動する蚊の位置を推測しながら、実際にコントローラーを振る動きを必要とする点が難しいながらも、音だけで蚊の存在感を表現している点に面白さを感じました。
TGSで「DDD Project」さんが展示していた、音とスプレー型のコントローラーで遊ぶオーディオゲーム。
— Shin-ichi Sekine (@sekine_s) September 12, 2019
蚊をスプレーで退治するシンプルなルールですが、これがなかなか難しくて面白かったです。
#TGS2019pic.twitter.com/PzP6YPCEB3
▲スプレー缶型のコントローラーとヘッドフォンのみでプレイします
▲スプレー型のコントローラーを蚊の音がする方向に向かって吹きかけます
DDD ProjectのDDDは「Disability Driven Design」の略。デザイナー、研究者、プログラマー、キュレーターなど様々なメンバーが参画しており、障害を持つ当事者とチームを組みながら、新しいコミュニケーション手法の開発に取り組んでいます。TGSへの出典は2018年に続いて2回目。
プログラマーとして「モスキートが来る」の開発に携わった野澤幸男さんは慶應義塾大学に在学中の学生であり、自身も全盲です。これまでに40近くの作品を制作しており、RPGやSTGなどのオーディオゲームのほか、メディアプレイヤーや読み上げソフトなども開発。ソフトウェアは自身のWebサイトで公開中です。
取材に伺ったDDDのブースには野澤さんも在席しており、短時間ではありましたがお話を伺うことができましたので、以下ではその模様をお伝えします。
――開発環境は何をお使いなのでしょうか。
野澤さん:Pythonです。プログラミングを始めたころはHSPで、C++を使っていた時期もありましたが、今は開発が楽なのでPythonを使っています。これは特にオーディオゲームだからというわけではなく、ほかのソフトでも開発が楽なので使っている感じです。
――日本のオーディオゲームを取り巻く環境の現状についてお聞かせください。
野澤さん:いま、日本でアクティブに開発されている方は3人ですね。私のほかには大学院生の方と、会社員の方が趣味で作っているという感じです。日本以外では、やはり英語のコミュニティが規模的に最大。現状、オーディオゲームを遊びたい場合は「AudioGames.net」などのコミュニティにアクセスして探すのが一般的です。
ゲームのアクセシビリティという観点では、今年に入ってから、マイクロソフトがXboxでユニバーサルデザインの機能を開発しているという発表がありましたが、実際に形になっているものは今のところありません。
――「モスキートが来る」は操作にスプレー缶の形をした特殊なコントローラーが必要ですが、ほかのゲームのように配布する予定はあるのですか?
野澤さん:ありますが、今はまだパッケージは作っていないです。Githubに置いてあるだけという状況なのですが、PCにダウンロードして設定を変更すれば、コントローラーの代わりにマウスで操作するモードにできます。私も開発時はそれでテストプレイしていました。
――これから作ってみたいコンテンツはありますか?
野澤さん:いくつか構想はありますが、オーディオゲームとしては「カードコレクションRPG」を作ってみたいですね。基本システムはRPGで、戦闘部分はトレーディングカードで戦う、というものです。あとは、スマホ向けに「画面を見なくても遊べるゲーム」も作ってみたいですね。スマホの画面が見られなくても遊べるというのはオーディオゲームの可能性だと思うので、TGSのような展示会に向けたアプリという形なら、こっちかな。
https://japanese.engadget.com/2019/09/12/tgs2019-audiogame/
2019-09-12 11:17:00Z
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