発達障害のある人は、声の大きさを調節するのは難しい場合があります。スコット・ベネット氏(59歳)の末っ子であるサム氏(21歳)もその1人で、自閉スペクトラム症のために何年も苦労していたとのこと。小さな声で話すよう求められると応答しますが、それは一時的に過ぎず、徐々に大きくなってしまいました。そのため周囲の注目を集めることになり、家族で行ける場所も限られていたと語られています。
そこに登場したのが、Apple Watchのノイズアプリでした。スコット氏はwatchOS 6に更新するとアプリの存在に気づき「これをサムと一緒にやってみよう。なぜ、これをもっと早く思いつかなかったのか?」と考えたとのこと。それ以前にもあらゆる手段を試したものの、上手く行かなかったとも述べられています。
次にスコット氏は、声が大きくなるとアプリ表示が緑色から黄色に変わることをサム氏に教えました。するとサム氏はすぐにノイズアプリを使い、自分の声の大きさを確認できるようになったとのことです。
今はサム氏が大声で話したときは、Apple Watchを見せてやるだけで声量を調節できるようになりました。スコット氏は「私たち家族にとって、事態がはるかに受け入れやすくなった」「いつかゴルフトーナメントに連れて行ってあげられる可能性が高まりました」と語っています。
さらにスコット氏は「(特別なニーズを抱える)500万人もの人々が世の中にいて、彼らはそれぞれ異なった問題を抱えています。そして、あらゆる技術を活用するのは本当に難しいことです」「息子が恩恵を受けられる可能性のあるものは、他にもあるはずです。ただ、その全てを検証して整理できる時間は誰にもありません。私はたまたまその1つを見つけ、人生が変わりました。これを他の人に知ってもらいたいと思うほど興奮しているのです」と感動を述べています。
watchOS 6のノイズアプリは、本来は周囲の騒音で聴覚を損なう恐れがある場合に、Apple Watchが感知して知らせてくれる機能です。しかし思わぬ使い道が見つかったことで、他のApple WatchやiPhoneアプリで救われる人の輪が広がっていくのかもしれません。
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2019-11-17 11:25:00Z
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