長年ゲーマーをやっていると、時折、一度クリアしただけでは飽き足らず、2周、3周...と遊び続けてしまうタイプのゲームに出会うことがあります。昨年の筆者にとってそれは「Bloodborne」でした。
Bloodborneは「DARK SOULS」シリーズや「SEKIRO」などで知られるフロム・ソフトウェアが開発し、当時のSCEが2015年に発売。英国ヴィクトリア朝をモチーフにしたという架空の都市、ヤーナムを舞台としたアクションRPGです。主人公ことプレイヤーは「狩人」と呼ばれ、人が獣と化す病の蔓延するヤーナムを探索していきます。
ここでいう「狩人」とは、獣化した人間を狩る者たちを指す言葉。風土病として「獣の病」が存在するヤーナムにおいては、様々な場所で狩人たちを目にすることになります。筆者がBloodborneを遊び始めたのは2019年のこと。かねてから本作の評判は聞いていたものの、当時フロム・ソフトウェアの過去作にあたるDARK SOULSシリーズは遊んだことがなく、また難易度の高いゲームであるとの話も聞いていたので、なかなか踏ん切りがつかず、手を出せないでいました。
しかしいざゲームを始めてみると、文字通り寝食を忘れるほどにドハマりし、いまでは筆者がこれまで遊んできたゲームの中でも特に好きなタイトルの一つになっています。今回はGWにじっくりプレイしたいゲームを紹介する趣旨の企画ということで、この機会にBloodborneが持つ魅力の一端をお伝えできればと思います。
なお本作はPS4専用タイトルであり、記事執筆時点ではほかのプラットフォーム向けに販売される予定はありません。
多彩な武器の選択肢と殺意の高いモーションが楽しい
Bloodborneの特徴の一つは、主人公が使う武器の多彩さ。「獣化した人間を狩る」用途に設定された武器は「ノコギリ」や「鉈(ナタ)」など、一般的な武器のイメージからはやや外れたものが多く、人対人を想定して作られた実在の武器カテゴリとは異なる出自を感じさせるものとなっています。
狩人が用いる武器は「仕掛け武器」と呼ばれ、多くの場合「変形」機構を持ち、特殊効果やリーチを変化させて使うことが可能です。中には「それ無理だろ」と思うような無茶な変形をする武器もあり、明らかに振り抜いたモーションのかっこよさや殺意の高さに振ったフシがあって、実現可能性よりもロマンを重視した姿勢に大変好感が持てます。ちなみに筆者の推しはDLCで手に入る「シモンの弓剣」です。
▲近接攻撃しかできない武器がほとんどの仕掛け武器の中でも、例外的に遠距離攻撃が可能な「シモンの弓剣」。ステップ時に剣から弓へ変形させると出る攻撃のモーションがかっこいい
ファンタジー作品では定番の「剣」や「槍」ももちろん存在しますが、先述の「変形」によって剣から大槌になったり、槍に銃が仕込んであったりと一癖ある変化をするものも存在しており、またすべての仕掛け武器には固有のモーションが設定されているので、各々の武器を使い込み、(プレイヤー自身が)習熟する楽しみがあります。
また、右手に持つ仕掛け武器に対して、左手に持つ「獣狩りの銃器」を用いるのも狩人ならではのポイントです。ノコギリや刀剣よりも銃の方が効率的に敵を倒せそうな気もしますが、本作において銃器は基本的にサブウェポンという位置付け。なぜそうなのかは武器のフレーバーテキストにヒントがあります。
▲初期武器の一つ「ノコギリ鉈」のフレーバーテキスト。特定の敵にダメージアップ効果があり、くせもなく、優秀な武器。初期に手に入るからといって性能が低いということはありません
▲ちなみに、DARK SOULSシリーズで戦術上重要な防具である「盾」は、本作では左手装備枠。2種類しかありません(うち1つはDLCで入手できる)がそれぞれ特色があり、初見の敵の動きを見たいときなど使いどころを選べばかなり有用です
フレーバーテキストやオブジェクトを観察して設定を考察する
Bloodborneにおいて、ストーリーの理解を深める手段として挙げられるのが「手に入れたアイテムのフレーバーテキストを読む」ことでしょう。フレーバーテキストには世界観やキャラクターの設定、過去にヤーナムの地で起きた出来事、組織や派閥、アイテム自体の出自など多岐にわたる文字情報が含まれており、アイテムを入手した場所や状況と照らし合わせて、キャラクター同士の関係性や登場する組織の在り方、ひいては物語の全貌を想像できます。
想像と書いたのは、実はテキストを読んだところで明らかになる事実は限定的なため、最終的には場の状況やほかのアイテムのテキスト、NPCの短いセリフ、ボスの二つ名などを結びつけて、ことの真相を推測することしかできないからです。まず敵キャラクターの名前からして、戦闘時に固有名詞が出るボスや、敵対したNPCを除けばほとんど通称しかありません。
これはDARK SOULSシリーズなどほかのフロムゲーにも共通することですが、特に本作ではNPCから状況説明を受けたり、次に行くべき場所の指示をされたりする機会がとても少なく、また主人公はほとんどの記憶を失っている状態から状況が始まるということもあって、アイテムから情報を拾うことの重要性はより高いといえます。なお本作には、すべての要素を集めて本編とDLCを最後までプレイしてもなお残る謎が大量にあります。
ストーリーや設定の考察は、発売から5年を経た現在においてもファンのコミュニティで議論が続いており、中には自分がプレイ中に気付かなかったようなものを論拠とした鋭い考察もあるので、クリア後にでも目を通しておくと、世界観の作り込みやキャラクターの魅力を深く理解する一助になることでしょう。
▲「医療教会」という組織が建てた「大聖堂」内部にある像。聖なる存在をモチーフとしたにしてはどこか禍々しく、では教会として信仰する対象は何だったのか、医療教会とは本当はどんな組織だったのかを推測する材料になります
▲ヤーナム市街を探索していると「母親を探してほしい」と頼んでくる少女が預けてくれるオルゴール。フレーバーテキストにしか出てこない固有名詞もある
負け続けても最後に勝てばオッケー
Bloodborneのボス戦は、ボスによってややばらつきがあるものの、基本的には「初見では苦労するが、わかってしまえば労せず倒せる」バランスが秀逸です。プレイ前に経験者から「やたら難しい」と聞いていた本作の難易度ですが、やってみると確かに難しく、中には倒すのに丸2日かかったボスもいます。ただ、いずれのボスも特定の行動の前には予兆があるので、当たり前の話ですが、動きをきちんと見て、するべき操作をミスしなければ、必ず勝てます。そこまで持っていくのが大変ですが、死体の山を築き、徐々に動きが読めるようになって、ついにボスを倒せたときの達成感は、ほかに代えがたいものがあります。Bloodborneの戦闘は敵の攻撃を「避ける」ことが最も重要です。レベルアップによって体力を上げることである程度ゴリ押しもできるようになりますが、何周もプレイしていると一撃死するようなダメージ量の攻撃を受けることもあり、基本は避けることが前提と感じます。最近、筆者は「体力」のパラメータについて「ミスをリカバリーするための猶予」と捉えるようになりました。
▲序盤から中盤あたりで遭遇するボスの一体「血に渇いた獣」。筆者は初プレイ時、倒すのに6時間くらいかかり、9周目を遊んでいる今、スクリーンショットを撮るついでに戦ったら普通に負けました
なお、実際のプレイイメージは、日本のPlayStationアカウントがYouTubeにアップしているプレイ動画をご覧ください。なぜか英語ですが、ざっくり雰囲気は掴めるかと思います。
攻略の達成感、謎めいた世界観が魅力。セールは5月7日まで
伝え聞いた難易度の高さにびびり倒して始めたBloodborneでしたが、気づけば最初に作成したキャラクターで9周目を遊んでおり、レベルを一定値から上げないコンセプトの2キャラ目も育成が済んで、そろそろ3人目を作ろうかという頃合いにさしかかりました。ハードなゲームではありますが、筆者としては、久々に突き詰めて攻略する楽しみ、こだわりを貫く楽しみを思い出させてくれた大切なタイトルです。また、この記事では触れていませんが、プレイステーションネットワークの有料オンライン機能「PlayStation Plus」に加入していると遊べるマルチプレイでは協力プレイや対人戦も用意されており、そこそこ人口もいます。ただ、これは筆者の環境のせいかもしれませんが、マルチプレイ時にはっきりわかるレベルのラグが感じられるのが難点ではあります。
そんなBloodborneですが、現在、Playstation Storeにおいて、2020年5月7日いっぱいまで、本編とDLCがセットになった「The Old Hunters Edition」が60%オフの1755円でセール販売中です。世間は不要不急の外出を控えなければいけない期間がまだまだ長引きそうな状況ではありますが、この機会に、じっくり腰を据えて、難しいゲームを攻略してみるのもアリではないでしょうか。
▲ボスの攻略に手こずったり、隅から隅まで探索していたらプレイ時間がそれなりに。そろそろ3人目のキャラクターを作ろうかと思っています
▲オンライン要素の一つ「手記」。特定の場所に定型文を組み合わせたメッセージを残せる機能で、言ってみればゲーム内SNSのようなもの。他プレイヤーとの直接的なコミュニケーション手段が制限されている本作では、袖触れ合う程度の交流でもうれしいものです
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2020-05-06 05:03:24Z
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