ラトビアのデベロッパであるDarkflow Softwareが開発,ロシアのGaijin Entertainmentが海外パブリッシングを行うCuisine Royale(キュイジーヌロイヤル)は,多人数のプレイヤーが最後の生き残りを目指して戦うバトルロイヤルシューターだ。海外ではSteamにてPC版のアーリーアクセスが2018年6月に配信されたのち,2019年12月に正式サービスが開始。一大ジャンルとなったバトルロイヤルのなかで,パンツ一丁(下着姿)で頭や肩にキッチン用品を“装備”し,銃器を手に戦いに挑むというコミカルさと,その見た目に反した本格派なゲーム性が話題となった。
そんなCuisine Royaleはいったいどんなゲームなのか,日本語版サービス開始を前に紹介しよう。
コミカルな作風はそのままに,アップデートを重ねて大幅進化
Cuisine Royaleの始まりは“エイプリルフール”。Gaijin EntertainmentとDarkflow Softwareの両社が2018年に,制作中の第二次世界大戦を題材としたMMOシューター「Enlisted」のエイプリルフール企画としてゲームを公開。これが大きな反響を呼び,正式リリースにまで至った。
フランス語で料理を意味する“Cuisine(キュイジーヌ)”がタイトル名にあるとおり,キッチン用品を装備し冷蔵庫からアイテムを漁るという,台所周りのアレコレがフィーチャーされていることが特徴だが,紙袋や点滴用のパックなど台所とは関係ないネタ装備もあり“面白ければOK”なノリも感じさせる。その見た目の面白さからか,ストリーマーたちにも愛されているようで,読者の中にも,動画配信で見たことがあるという人は少なくないかもしれない。
「Enlisted」向けに開発されたゲームエンジン「Dagor Engine」が使用されていることで,グラフィックスは“おふざけ”とは思えないクオリティだ。
ゲーム面も,最初は“パンイチで調理器具を装備して戦う”ことがメインのシンプルなゲームだったが,正式サービスののち地道にアップデートが続けられ大幅に進化している。壁や床に設置するトラップアイテム,キャラクターごとに異なるスキルなどの追加により,ビジュアル以外の部分でもほかのバトルロイヤルとの差別化が進んでいるのだ。
もちろん,持ち味であるバカバカしさは残しつつ,である。
硬派(?)な「Enlisted」を制作しているだけに,Darkflow Softwareによる武器のモデルや挙動といった部分のこだわりは細部にまで至る。見た目のインパクトで誤解されがちだが,シューター系のゲームとして“狙って撃つ”面白さもしっかりと持っているのだ。
「ソウル」を使って発動するキャラクター固有のスキルで戦況を打破
本作のバトルマップは,ほかのバトロワ系タイトルと比べて小さい作りとなっている。参加人数も40人と少なめで,試合時間は長くても20〜30分ほどで決着が付く。
さらに,バトロワではお馴染みとなっている,ロビーに集まって降下地点を決めるという過程がまるっと削られており,人数が揃ったら即座にマップ内に降り立ちゲームスタート……と,かなりスピーディなマッチングになっており,気軽に参加できるカジュアルさを意識したものとなっている印象だ。
バトロワを楽しみたいけど,接敵してすぐにやられてしまうことが多く,戦う時間より準備時間の方が長いという筆者のようなプレイヤーも少なくないと思うが,そういった人にも嬉しい仕組みとなっている。
選択したキャラクターで戦場に放り出されるところから対戦はスタート。武器や防具を現地調達して装備を整え,時に戦い,時に隠れながらほかのプレイヤーと競い,時間経過で活動可能エリアが狭まっていくマップを最後まで生き延びると,ルールはバトルロイヤルの定番と言えるシンプルなものだ。
活動可能エリア内の建物に隠れて敵を倒して数を減らす。終盤まで戦いを回避して人数が減るのを待つなど,どういった形で最後の1人を目指すかはプレイヤー次第。バトロワ系に慣れている人であれば,すぐに最初から良い順位をキープできるはず。
最後の1人を目指すなら,本作の独自要素である「ソウル」を理解することが重要だ。
主に敵を倒すことで溜まっていくソウルは,これを消費する形で特殊アイテムの効果を使用できるというもので,トラップとして魔法陣に仕掛けることで発動する。
特殊アイテムの効果は,「重力が月と同じに」「足が速くなる」「トイレでテレポート可能に」「ゾンビが領域外からわいてくる(ゾンビアポカリプス)」といった,プレイヤー全員に効果があるものやフィールドに新たな仕掛けが加わるものなど,戦況が一変するような効果があるのはもちろん,戦場がカオスなものに変貌するものも多い。
また,一定量以上のソウルが溜まれば,キャラクター固有のスキルが使えるようになる。スピードと近接攻撃ダメージが増加するものや,エイム補正に加えて銃撃の威力も増加するものなど,こちらも強力なものばかり。以下でキャラクターのビジュアルと固有スキルを紹介しよう。
登場キャラクター紹介
クライド・“ダース”・ムリカンスキル:ビースト
疲れることなく速く走り,高くジャンプでき,そして弾丸に強い肉体となる。頼れるのは己の筋肉のみという戦い方で武器は使用しない。ビーストの名に恥じない(?)獰猛な暴れっぷりを見せよう。
アニー・“ピンナップ”・アシュリー
スキル:バレットタイム
時間の流れを一時的に遅くすることで,動く標的を用意に射撃できるようになる。ほかのプレイヤーは通常どおり時間が流れているため,じっくり狙っているうちに逆にやられてしまわないよう要注意。
イッツ・オセロトル
スキル:スピリットウォーク
魂の地下世界へと移動し,ダメージを受けなくなくなる。囲まれたときに逃げる際や,厄介な相手から安全に距離を取るときなどに有効だが,扉や窓を開けることしかできなくなるため,使いどころや場所を見極める必要がありそう。
エリック・“トーデン”・ソーソン
スキル:サンダーストライク
空高くテレポートした後に強烈な勢いで地面に降下。落下時の衝撃で落下地点の周囲にいる敵を全員バラバラにする。不発にならないよう気をつけながら人が密集している場所に落下すれば,敵を一気に減らせるだろう。
バレンタイン・“バイパー”・チェイス
スキル:フリッカーステップ
18秒の間「フリッカーステップモード」になり,速攻ダッシュが使えるようになる。進路に障害物がない場合は進行方向に20メートル移動が可能。ダッシュ1回につき残り時間が6秒減るため,最大で使えるのは連続3回まで。
キャラクターの服装はカスタマイズできるので,帽子や服などで好みの外見にして戦場に赴くことも可能だ。
“パンイチ”がインパクトを与えたゲームなだけに,「下着」のカテゴリが充実しているのも特徴。そんな特徴からか,日本語版の予約特典はなんとアニーとクライドの「縞パン」である。興味がある人は,正式リリース前に事前登録を済ませておこう。
Cuisine Royaleは,バトルロイヤルの本質的な面白さを持った作品ながら,あまりに個性的なビジュアルによって,真剣に勝負に挑みながらも思わず笑ってしまうという,不思議な魅力に溢れた作品となっている。
ジェットパックで空を飛ぶも着地に失敗して死亡,冷蔵庫のガチャから出現した手榴弾で死亡……といった理不尽な死も,バトルロイヤルを彩る要素。カジュアルに待ち時間なくすぐにプレイでき,ぶっ飛んだ展開に笑わされながらも不思議と白熱した対戦が楽しめるCuisine Royaleに興味を持った人は,日本語版サービスを機に参戦してほしい。
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2020-08-19 09:00:00Z
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