Jumat, 21 Agustus 2020

『Microsoft Flight Simulator』レビュー - IGN JAPAN

※本作は日本語を収録しておらず、また、日本語版のリリースも予定されていない。


『Microsoft Flight Simulator』は私がコンピューターで味わった最も驚くべき体験だ。飛び抜けたリアルさや奥深さ、ほとんど無限と言っても良いリプレイ性など、私がこれまでプレイしたどのゲームとも違う、極めて高品質な作品である。開発チームは、かつて見られなかった高度な正確さで実際の飛行機操縦の感覚を再現するために、あらゆる努力を尽くしている。自分が空軍時代に見た現実の飛行場に着陸するとき、私は何度も度肝を抜かれた。パキスタンのジャコババード基地やオマーンのスムライト基地といった、私が民間人として再び行く機会がないであろう場所へ向けて最終着陸態勢に入った際に窓の外を見渡したとき、「すごい! これを覚えているぞ!」と大声で叫んだほど、昔に見た景色とそっくりな眺めが広がっていた。

『Microsoft Flight Simulator』のスタンダードエディションには20種類の航空機と30カ所の手作りの空港が収録されている。ロケーションの数は少ないように感じられるのかもしれないが、ほかには世界中の3万7000以上の飛行場が先進技術で生成されており、魔法で再現された現実の空港に思えるほど精密に作られている。

スキャンと現実世界の設計図を利用した手作りの飛行場は、とりわけその高度技術において畏敬に値する。いままで私が体験したフライトシミュレーターは、このレベルの正確さに近いものすらなかった。デベロッパーのAsobo Studiosは手作りのロケーションのラインアップを拡大し、メジャーな空港から人里離れた小さな飛行場まで再現している。私はこの点が本当に気に入った。

コックピット内のディテールのレベルも驚嘆すべきものである。よほどポンコツなPCでなければ、ゲームのスクリーンショットを撮ってインターネットにアップロードすれば、たくさんの人を騙せるだろう――私は実際にそれをやってみた。Asobo Studiosは航空機の内部と外観だけでなく、各種機器の機能をも完全に再現している。私はこのゲームで初めて本物の航空機のPDFマニュアルをダウンロードするということを体験したが、ゲーム内の仮想ハードウェアはマニュアル通りに機能したのだ! これには、胸の奥底に秘めたオタク心を強くくすぐられた。

機内のゴージャスなディテールと精巧にモデリングされた機械はもちろん素晴らしいが、『Microsoft Flight Simulator』の真価はBing Mapsとの統合により実現された航空機の外の風景にある。本作では2ペタバイト(2000テラバイト)にも達する高々度の人工衛星写真をプレイヤーのコンピューターでストリーミングすることが可能だ。それらの写真のストリームは地球のあらゆる場所を正確に再現することでき、圧倒的な迫力を持つ効果を生み出している。プレイヤーはほとんどどこへでも行けるし、絶えず動いている航空交通と共に現実世界の多種多様な気象条件の中で飛行できる。

信じられないほどリアルなフライトシミュレーションは、あらゆる飛行機操縦の経験レベルにあるプレイヤーが楽しめるようにデザインされている。パイロット免許を持っていない人間としては――私は空軍の電気技師であり、パイロットではなかった――完全な手動シミュレーションと最高の操作アシスト強度の真ん中くらいが私の好みだ。この設定では、非常にやりがいのあるチャレンジに挑みながら、飛行前の点検やエンジンの始動といった平凡な作業から解放されることができる。

さらに素晴らしいのは――具体的なタイミングは未定だが――本作が将来にXbox Series Xにも対応するため、普通のXbox Oneのコントローラーでも十分操作できるという点である。とはいえ、専用のフライトコントローラーを使った方が、ずっと本物に近く本格的で楽しいフライトシミュレーションが体験できる。

7450円のスタンダードエディションに含まれている20種類の航空機と30カ所の手作りの飛行場だけでも相当なコンテンツ量だ。空軍経験のある退役軍人としては、30種類の航空機と40カ所の手作りの空港が収録されている1万3100円のプレミアムデラックスエディションにも軍用機がないのは少し不満に思うが、この点を除けばラインアップの多様性は評価に値する。

ジェット機を操縦したい人にとって、いまのところ唯一の選択は旅客機だ。これは少々残念だが、致命的な欠点ではない。私はただ欲張りなだけで、『Microsoft Flight Simulator』の見事なセレクションを批判するつもりはない。実際、スタンダードエディションに収録された20種類の航空機だけで、私はもう大満足している。

補助輪を取り外してより高度な飛行スキルを習得したいプレイヤーに対しては、セスナ172を使用したトレーニングモードが提供されている。この素晴らしいモードは専門用語や覚えておくべき習慣、操縦技術の熟達において、私を大いに助けている。セスナ172以外の航空機に特化した訓練も欲しかったが、フライト中のどのタイミングでも操縦を任せられる賢いAIというオプションもあるので、AIのパイロットの操縦を観察するだけで適切なアプローチ角度や着陸速度など、多くを学ぶことができる。

空を飛ぶ体験と、はるか遠くにある地球上のロケーションへの訪問だけでも十二分に楽しいが、『Microsoft Flight Simulator』には着陸チャレンジなどのPvP要素もある。スコアが記録されてリーダーボードにアップロードされるこれらのチャレンジは、私の内なる競争心を強くかき立てている。世界のリーダーボードのトップに君臨するのは非常に難しいが、私はきっと挑戦し続けるだろう。

パフォーマンス面では、『Microsoft Flight Simulator』は数年前のマシンでありながらまだ有能な私のPC――Intel Core i7-7700KのCPU、GeForce GTX 1080のGPU、32GBのメモリーを搭載したもの――でスムーズに動作している。ゲームの動きが大幅に重くなったのは、ある主要都市の近郊にある大きな空港をロードした直後の1回きりだった。そのような場合でも、常にパフォーマンスはすぐ後で回復している。

一方、ロード時間は本作の弱点だ。大きな空港のロードは長い時間を要する。特にシカゴ・オヘア国際空港に着陸するときは、私は4分も待たなければならなかった。それでも、コックピットで過ごしている時間のごくわずかに過ぎないので、個人的に私はそれらの待ち時間を大して気にしていないが、無視できない問題であることは確かだ。また、インターネットプランにデータ使用量の上限が設けられているプレイヤーに対する注意喚起として、膨大なデータのストリーミングでかなりのデータ容量を消費するので気に留める必要がある。データの消費量を頻繁にチェックしよう。

『Microsoft Flight Simulator』は堂々たる素晴らしいゲームである。航空機の操縦室に乗り込み、全世界のあらゆる場所を訪れ、またあらゆる空港から出発できる自由によってもたらされた驚くべきプレイフィールは、言葉を尽くしても形容しきれない。スタンダードエディションに含まれている20種類の航空機は、たとえ筋金入りの航空ファンにとっても十二分にバラエティ豊かなセレクションだ。自分が望むパイロットスキルのレベルに沿って体験を調整するために操作アシスト強度を変えられる機能は、誰でも自宅でくつろぎながら優しくフレンドリーな空を飛ぶことを可能にしている。さらに、現実世界の地図データのおかげで、『Microsoft Flight Simulator』はただの魅力的なゲームから――たとえロード時間に関しては超一流ではないとしても――私が経験した中で最も驚嘆に値するフライトシミュレーションに進化した。有名なランドマークを眺めたり、誰にでも分かるような空港に着陸したり、あるいはただ南米の人里離れた滑走路に降着するだけでも、気が遠くなるほど素晴らしい体験だ。世界をバーチャルに探検するためには、『Microsoft Flight Simulator』は比類なき最高の手段である。

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2020-08-21 08:52:13Z
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