月全体が地球の影に入る皆既月食が26日夜、国内で約3年ぶりに観測できる。今回は月が大きく見える「スーパームーン」も重なり、天気が良ければドラマチックな天体ショーが見られそうだ。月食の仕組みや特徴、観測のポイントを倉敷科学センター(倉敷市福田町古新田)の三島和久学芸員(50)に教えてもらった。新型コロナウイルスの感染防止のため緊急事態宣言が出される中、自宅から幻想的な光景を楽しんでみては―。
■月食の仕組み
太陽、地球、月が一直線に並んで月の表面に太陽光が当たらなくなり、月が暗くなったり一部が欠けて見えたりするのが月食。一部が入るのが「部分月食」で、今回のように月全体が地球の影に入ると「皆既月食」になる。国内で観測できる頻度は大体1、2年に1度ほどという。
皆既月食の時には、月が真っ暗にならず赤黒く見える。これは地球を覆う大気をわずかに通り抜けた太陽の赤い光が月を照らすため。皆既月食中は月の明るさが失われるので、周辺の星々との共演もいつも以上に楽しめる。
■今回の特徴
今回の月食が始まるのは26日の午後6時44分。岡山ではこの日の月の出が午後7時1分のため、県内で見える時にはすでに欠け始めている。完全に影に入るのは午後8時9分から約19分間。午後9時52分には通常の状態に戻る。東から南東の低空がよく見渡せる場所が観測に最適だ。
26日は、2021年で最も地球と近づく満月でもある。平均より1割弱大きく見え、俗に「スーパームーン」とも呼ばれる。皆既月食を見られる時間は短めだが、夜更かししなくても観測できる絶好の時間帯。子どもたちにもチャレンジしてほしい。
■観測方法
肉眼でも見られるが、もしあるなら望遠鏡や双眼鏡を使えばより楽しめる。刻々と変化する月の様子を、色鉛筆で塗りつぶしながらスケッチして記録するのがお勧め。通常の月の満ち欠けとは異なる欠け方をしているのが実感できるだろう。
今年は位置が低めで、建物と月を一緒に写すような構図の撮影がしやすいので、写真が好きな人は狙ってみては。当日は倉敷科学センターのサイトで中継を計画している。観測のこつやスケッチ用紙をまとめたガイドもダウンロードできるので、ぜひ活用してほしい。
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2021-05-21 00:03:00Z
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