いきなり空からロケットの残骸が降ってくるのでは、なんて考えていた人もいるかも。
先週の日曜日、中国政府は制御されていないロケットの残骸がモルディブ周辺のインド洋に落下したと発表しました。しかし、残骸の動きについて政府は詳細な説明を行わず、NASA(アメリカ航空宇宙局)がかなりお怒りの様子。
政府の発表後にNASA長官のBill Nelson氏は声明を出し、宇宙へ打ち上げを行った国はその物体が再び大気圏に突入し地球に戻る際の人々へのリスクを最小限に抑え、情報の透明性を高く保つ必要がある、と主張。
残骸はロケット「長征5号B」のコアステージ(ロケットの一段目にある液体燃料が載った部分)で、ロケット本体の大きさは縦が30メートル、幅が5メートルとかなり大規模。重さは23トンもあり、制御不能で大気圏に突入した人工物では最大とのこと。
Nelson氏は続けて、“中国は宇宙ゴミに対する責任義務を果たせていない。中国をはじめ、宇宙へ打ち上げを行ったもの全てに責任感ある行動をとって欲しい。情報開示もその1つだ。宇宙の安全、安定、そして保全のために”と訴えかけています。
ここ数日は、残骸が居住地に落ちる可能性を考え専門家が動きをくまなくチェックしていました。地球の大部分を占める海または非居住地に落ちる可能性が高かったことは確かですが。
どうしてロケットは制御不能に?
中国の宇宙機関の文書( Wayback Machine で閲覧可能)によると、「長征5号B」の大部分は大気圏突入時に燃え尽きたそう。
今回の「長征5号B」の打ち上げは、中国が独自で進めている宇宙ステーション開発の一貫で、今年の4月末に行われたもの。宇宙ステーションのモジュールとなる「天和(16メートル)」を運ぶ予定でした。
ちなみに、計画では11回のロケット打ち上げを経て2022年までに宇宙ステーション完成が見込まれています。
では、計11回のうち1番目だった今回の打ち上げが、このような事態に陥ってしまったのはどうしてか。コアステージに載せられた「天和」が発射され、予定軌道に入ったところまでは順調でした。しかし、その後にロケットが軌道から抜け着陸するためにエンジンに点火がされず、結果的にこれが要因となったみたいです。
実は、昨年も新型カプセルを載せた「長征5号B」の残骸がコートジボワールに落下し建物に衝突しています。けが人はいませんでしたが。
中国の宇宙ステーション計画が続く限り、「長征5号B」の打ち上げはたびたび行われるでしょう。今回と同じことが起き、今度こそ人に被害が出るかもしれません。NASAの声明をもっと真剣に受け止めてたいものですね。
一連の出来事に対してハーバード・スミソニアン天体物理学センターの天体物理学者Jonathan McDowellはこうツイート。
An ocean reentry was always statistically the most likely. It appears China won its gamble (unless we get news of debris in the Maldives). But it was still reckless
— Jonathan McDowell (@planet4589) May 9, 2021
日本語訳:海洋が地球の大半を占めているとはいえ、中国はラッキーだったね。無謀すぎだけど。
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2021-05-14 14:30:00Z
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