何でもできちゃうこの万能感、まさに魔法のごとし。
クリエイターが日々の制作活動でPCに求めるニーズは様々。ニーズが細分化するにつれて、PCの種類もどんどん増えています。メモリ、CPU、ディスプレイ性能……。さて、どう選んだものか。
AR/VR/MR(拡張/仮想/複合現実)領域を中心に活躍するメディアアーティストGod Scorpion(ゴッドスコーピオン)さん。自身のコンテンツを完成させるためには直接現場におもむく必要があるため、相棒となるPCには携帯性とスペックの両立を求めています。
そんなゴッドスコーピオンさんの要望に応えたのは、15.6インチQHD (2560 x 1440) のディスプレイを搭載し、ディスプレイの鮮やかさを保ちつつブルーライト低減を実現したパワフルなゲーミングノートPC「Alienware m15 Ryzen™ Edition R5」。ゴッドスコーピオンさんは仕事だけでなくゲームにも活用してるそう。
日々のクリエイティブ業務からプライベートなゲームライフまで、実際に「Alienware m15 Ryzen™ Edition R5」を使ってもらったので、その感想を伺いました。
God Scorpion(ゴッドスコーピオン)
メディアアーティスト。株式会社Psychic VR Labに立ち上げから参画。魔術、テクノロジー、時間軸、空間軸のフレームの変化をテーマに作品を製作。主な作品に2014年度文化庁若手クリエイター育成事業採択『Stricker』。DJVR空間ジョッキー『Spatial Jockey』東京リチュアル、バンギ・アブドゥル氏との共作でVRリチュアル作品『NOWHERE TEMPLE Beta』。KYOTO EXPERIMENT 2016/Whuzen Peforming Art Festivalにて篠田千明『zoo』VR Director。世界初のMixed Realityショッピングアプリケーション「chloma x STYLY HMD collection」など。
コンテンツの作り方を学んだのはシェアハウス
──メディアアーティストとしてVR作品などを手掛けていらっしゃいますが、作品やプロジェクトにおけるゴッドスコーピオンさんの役割を教えてください。
ゴッドスコーピオン(以下、ゴスピ) :Psychic VR Labという会社に立ち上げから関わっています。会社での役割は、アーティスト/ディレクターとしてビジョン設計やクリエイティブのディレクション制作、実際にVR空間に落とし込んだ際のUI設計デザインなど、ビジュアルを含めた全体の設計やディレクションに関わることが多いです。
──実際に手を動かしながら、プロジェクトを俯瞰するディレクターでもありますが、今のクリエイティブスタイルになった経緯を教えてください。
ゴスピ :20台前半の頃に渋家(シブハウス)というシェアハウスで30人ほどの人たちと一緒に暮らしていて、そこで何かを作るということを学びました。マルチネ・レコーズというネットレーベルをはじめ、ほんとに色んな人たちがいましたね。初めて作った作品が文化庁メディア芸術祭に出したらそれが採択されて、その頃に知り合った社長(山口征浩氏)に「人間の超能力を解放するために、VRやらない?」と誘われて、そのときに集まった4人で今の会社が始まりました。当時VRはまだまだ新しい存在だったので、そもそもどんなことができるのか、ヴァーチャルとは何かについて実制作や研究開発を含めて取り組むようになりました。
──自身が関わるジャンルとして、VRを選んだのはどうしてですか?
ゴスピ :当時は「Oculus Rift Development Kit 2(DK2)」というVR HMDでVR作品を見たんですよ。その作品は実際に人間が空間体験からどう影響を受けるのかを実験するものだったんですけど、すごく感銘を受けたんです。僕はその頃「Stricker」というGPSと同期してマップ上にステッカーを貼る作品をつくっていて、それが空間に対しての感情の堆積になるんじゃないかって。
──空間に対してのリアクションといえば、「セカイカメラ」を思い出しますね。
ゴスピ :僕の作ってたものも空間にアプローチするもの=AR的な要素を持っていたという繋がりから「これからVR来るな」と思って、そこからVRやAR作品の制作に傾倒するようになりました。現在、弊社が提供しているXRプラットフォームのSTYLYでは実際に現実の場所に用意したマーカーをトリガーにVRやAR作品を実空間に呼び出し体験するということもできるようになりました。
XRは現代の魔術
──ゴスピさんはVRやXRなどの仮想現実コンテンツを魔術(あるいはオカルト)と呼称してらっしゃいますが、どういった意味合いなのでしょうか?
ゴスピ :オカルティズムには「隠されたもの(秘匿、隠匿)」という意味合いが含まれていて、それはテクノロジーにも通ずるものがあると思うんです。テクノロジーって、今はまだこの世にないけど将来的にありえるかもしれない、そんな性格を少なからず含んでる気がしていて。自分自身の作家性としても、目に見えない感覚値のトレースや、「今はまだ無理だけど将来的にはこうなるかもしれない」という外部性を、自分たちのいる世界に一度持ってくることを意識して制作しているので、それは現代における魔術的な指向だと思っています。
──先ほどの「Stricker」にも通じる部分がある気がします。
ゴスピ :例えばエディターやカメラマン、建築家など、それぞれの立場によって世界の捉え方は大きく違ってくると思うんです。そこをARやMRを使うことで、自分以外の人たちが世界をどう捉えているかを感じられるんじゃないか。こうした感覚のスイッチングは魔術に近いものがあると思うので、表現としてVR=魔術といってしまうのがわかりやすいんじゃなかろうか、と。
──実際には通信や信号処理などのテクノロジーが走っていたとしても、僕らの感覚的に胸にスっと入ってくるのは、魔術というイメージが近いと。
ゴスピ :そうですね。伊勢丹で開催されたメンズファッションのイベントに関わったことがあるんですけど、そこではヘッドセットをかぶった状態で服に触れようとすると、その服の生産地やこの会場に来るまでの様子を映像として呼び起こせるコンテンツを作ったんです。フラッシュバックみたいな感じで。これも、テクノロジーによってサイコメトリーのような超能力的な体験ができると言った方が伝わりやすい気がします。魔術というとおどろおどろしい印象があるかもしれませんが、日本には神道があり、寺社仏閣もそこかしこにありますよね。そうしたセイント(神聖な)ものも含めて魔術(Magic)が身近な環境で生活していると思います。
ゲームはコンシューマーからPCゲーまで手広く
──ゲームを結構やられるそうですが、どんなゲームがお好きですか?
ゴスピ :ゲームはゲームボーイ時代からワンダースワン、PlayStation、Xbox 360など、一通り遊んできました。最近はSteamの『Totally Accurate Battle Simulator』というゲームにハマってます。物理演算の戦争シミュレーションゲームです。
──すごい数のユニットが動いてますね!
ゴスピ :物理演算なので結構PCに負荷がかかると思うんですが、「Alienware m15 Ryzen™ Edition R5」だと問題なく動きました。このゲームは視点をあちこち動かせるんですけど、戦場のユニットの視界に入り込むこともできるんですよ。
──視点が変わるだけでシミュレーションからアクションやFPSになった感じがしますね。PCゲーム以外だとどんなタイトルをプレイしていますか?
ゴスピ :『ピクミン3』をNintendo Switchで遊んでます。ピクミンシリーズがすごく好きなんですけど、あれってピクミンがプレイヤーの身体機能の一部、あるいは身体の拡張に成り得るじゃないですか。
──プレイヤーだけでは通れない道も、ピクミンが集まれば踏破できますもんね。
ゴスピ:そうした目的に合わせて体を変えたり、群体的で指向性を持ったシミュレーションゲームのロジックは、将来VRやMRを通して我々の日常的な身体感覚の一部になっていく気もします。
──VRゲームはどうでしょう?
ゴスピ:「Oculus Quest 2」で色々遊んだりしますね。リアルなクライミングが楽しめる『The Climb 2』とか、あとFPSゲームもたまに。
──FPSだと、僕は『POPULATION: ONE』をたまにプレイします。
ゴスピ:あれも良いですよね。やっぱりデバイスの取り回しを考えると「Oculus Quest 2」が一番遊びやすいと思います。あとはPS4で『サイバーパンク 2077』をプレイして、バグが多かったのでPC版でリスタートしたりとか(笑)。PCで処理の重い作業をしてる時に、裏でSteamを起動させて『Cuphead』遊んだりとかしています(笑)。
現場でパワフルな処理ができるノートPCが必須
──ゴスピさんがノートPCに求める条件はなんでしょう?
ゴスピ:Unityやゲーム開発エンジン、IllustratorやCinema4Dなどを毎日使うのでスペックは高いほうが良いんですけど、デスクトップは場所的にも仕事的にも選びにくいんですよね。ARコンテンツなどを現地で最終調整するときって、完全にストリートコンピューティング(現場で座りながらPCで作業すること)で処理するんですよ。なので、持ち運びやすくて強いGPUを積んだPCが理想ですね。数年前まではイベントのたびにデスクトップを台車に積んで車で運んでたんですけど、さすがにもう厳しいなと。
──デスクトップを毎回持っていくのは苦行ですね……。
ゴスピ:あと、コロナ禍で弊社もほぼテレワークになって、僕も自宅で作業することが多いんですけど、今みたいにデスクでPCと向き合うよりもビーズソファーに体を預けてリラックスした姿勢が一番パフォーマンス出るのがわかったんですよね(笑)。
──あ、それとてもわかります。とても。
ゴスピ:作るものが決まってて効率的に作業する必要があるときは、デスクとメインディスプレイがあった方が良いんですけど、クリエイティブ脳のときはビーズソファーに座って膝上PCで作業したいですよね。「Alienware m15 Ryzen™ Edition R5」も膝に乗せて作業してたんですけど、動作もスピーディだし、かといって熱が気になることもなくすごく快適でした。
──「Alienware m15 Ryzen™ Edition R5」を使った印象はどうでしたか?
ゴスピ:昔、Alienwareを使ってたことがあったんですけど、その頃に比べると軽さもパワフルさもディスプレイも良くなってると思います。
──GPU性能はどれくらい頼れる性能でしたか?
ゴスピ:そうですね。「GeForce RTX™ 3070 8GB」搭載で、裏でUnity起動させながらIllustratorで素材を作って、ちょっと高解像度の素材をレンダリングするマルチフローも快適でした。UnityのHDRPっていう高解像度レンダリングパイプライン処理があるんですけど、そのサンプルプロジェクトもフレームレート60fps以上で動いたので、本当に強いマシンだなと感動しました。リアルタイムに現実に近い光の計算をするけっこう重い処理なので。
──めちゃマルチタスクなんですね! そうなるとメモリも「あればあるほど良い」ってタイプでしょうか。
ゴスピ:ゲームエンジンを動かすだけならそんなにいらないとは思うんですけど、BlenderやPhotoshopなどの他ソフトを同時に走らせることも実際は多いので、メモリは積んであればあるほど良いですね(笑)。このPCは32GBあるので満足です。
──ディスプレイは15.6インチQHDでリフレッシュレートが240Hz、応答速度が2msとFPSや格闘ゲームで真価を発揮しそうですね。
ゴスピ:僕は格闘ゲームはあまりプレイしないんですが、キレイなディスプレイだなと思いました。リフレッシュレートもこのPC単体で見るとあまりわからないんですが、他のPCと並べて作業すると表示速度の違いがすぐにわかりますね。ディスプレイ全体としては、ベゼルが細いのが気に入ってます。
──ベゼル細いですし、全体的にシャープなシルエットですよね。
ゴスピ:あまり意識はしていませんでしたが、ボディのデザインもカッコいいと思います。個人的にもエイリアンや宇宙は好きなモチーフなので。デザインだと端子類が背面にまとまっているので、ケーブルの取り回しがしやすいのもいいですね。
──最後に、今回使っていただいた「Alienware m15 Ryzen™ Edition R5」を一言で表すとどんなPCでしたか?
ゴスピ:ビーズソファーに座ってリラックスしながら作業するのが一番パフォーマンスが出せるってわかったんですけど、自分はリラックスしてるのにマシンはめちゃパワフルっていう、そのギャップが良いですね。
──なるほど、すなわちビーズソファーの相棒と。
ゴスピ:そうですね(笑)。リラックスさとパフォーマンスを両立させてくれる、クリエイティブの相棒になれるマシンだと思います。
技術的にもカルチャー的にも日進月歩で変容し続けるVR最前線において、ゴッドスコーピオンさんは先進的なクリエイティブに挑み続けています。それを可能にするPCには、パワフルさだけでなくフットワークの軽さも重要。「Alienware m15 Ryzen™ Edition R5」は、そのどちらも兼ね備えた一台であることがわかりました。
VRコンテンツのような負荷が高いクリエイティブをこなせるゲーミングPCであれば、重いゲームも普段使いもどんとこい。いまやノートPC一台あれば、遊びも仕事も限界突破できてしまう時代。「Alienware m15 Ryzen™ Edition R5」なら、クリエイターの創造性を存分に発揮するための“魔法の杖”として活躍してくれることでしょう。
Photo: 小原啓樹
Source: DELL
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2021-06-30 02:00:00Z
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