Rabu, 15 September 2021

Apple Watch Series 7があれば自転車の“サイコン”は不要? 速度・距離を読み上げ、電動アシストにも対応 - ITmedia

 米Appleが9月14日(米国時間)に発表したスマートウォッチの新製品「Apple Watch Series 7」は、自転車愛好家がこれまで待望していたいくつかの機能が追加されている。

 まず、サイクリングワークアウトの自動検出。これはありがたい。ウォーキング、ランニングについては既に実装されている機能だ。

 Apple Watchを着けてしばらくウォーキングしていると、「ワークアウト中のようですね」と、言ってくる。「屋外ウォーキングを記録」というボタンが表示されるのでタップすると、歩き始めたときからの記録を含めて屋外ウォーキングモードに移行する。1km歩くとワークアウト中と判断するようだ。

 サイクリングについては、開始するときに手動で「サイクリング」「インドアバイク」から選んでスタートしなければならないのだが、Apple Watch Series 7では、ユーザーが自転車に乗っていることを自動的に検知し、サイクリングのワークアウトを始めるよう通知する。

photo ウォーキングのワークアウトを通知
photo サイクリングのワークアウト開始

 これがあれば、せっかくサイクリングをしているのにその記録を残し忘れて後悔するといったことがなくなる(何度か経験がある)。

 特に忘れがちなのが、シェアサイクルを使うときだ。電動アシストの場合にはカロリー計算が異なるはずなのに、ワークアウトの中にその選択肢がないという問題もある。これについては「電動自転車のためのアルゴリズムが改良された」とあるので、この問題は解消されそうだ。

photo ドコモの電動シェアサイクル

 これで、普段使いでもシェアサイクルやレンタサイクルでも、電動アシスト自転車で走って、しっかりワークアウトの記録を残すことが可能になる。電車で遠出して、そこを起点にシェアサイクルでワークアウトするといったことがより気軽に行える。こうしたワークアウトの連続性はとてもうれしい。

 そして、最大のポイントは、速度や走行距離などの進み具合を声で知らせる音声フィードバック機能が搭載されることだ。ほとんどのサイクルコンピュータ(サイコンと略す)は、距離の進み具合を、例えば5km進むごとに警告音で知らせてくれるものの、単なるビープ音で数値までは教えてくれない。

 サイコンは大抵がハンドルバーにマウントされているので、数値を確認するには視線を移さなければならず、危険が伴う。視線をそのままに数値を確認できるデバイスとしてはアイウェアに装着するGarminのHUD(Head Up Display)があるが、高価なうえに別途サイコンを必要とする。Apple Watchが音声で数値を知らせてくれるとすれば、もうサイコンはいらないのではないかと思わせる。少なくとも、見る回数は大幅に減りそうだ。

 特に、今どのくらいのスピードが出ているかは、音声で教えてくれるとありがたい。ケイデンスをあげてさらに周囲に集中していると、サイコンの画面を眺めている余裕はないのだ。

 これまでApple Watchの新モデル、watchOSのメジャーバージョンアップがあると、「今のスピードを教えて」と聞いてみていたが「Webでこちらが見つかりました」とGoogle検索の結果を示すだけだった。その希望がようやくかなう。

 Apple Watchのスピーカーボリュームはかなり大きいので、そのままでもいいのだが、Appleの米国サイトには、AirPodsを使うことを示唆する写真が掲載されている。

photo AirPodsに距離(目標の半分)を知らせる

 日本でこの写真を外したということは、自転車に乗っているときにイヤフォンを装着することが道路交通法違反であるとされる場合があるからかもしれない。

従来モデルも便利になる機能

 Apple WatchにはSeries 4から転倒検知機能が装備され、転んで動けなくなったときに緊急通報サービスに電話をかけてくれるようになった。

 この機能がちょっと賢くなったようで、サイクリングなどのワークアウトのために最適化されたという。通常の転倒ではなく、そのワークアウトで想定される転び方で緊急性があるかないかを判断するのかもしれない。転倒検出機能のアップデートは、watchOS 8以降を搭載したApple Watch Series 4以降で、間もなく利用できるようになるという。

 Appleが「サイクリングの新しいギア」と呼ぶApple Watch Series 7。たしかに素晴らしいのだが、不足している機能もある。

 米国サイトには、ナビが表示されたApple Watchを装着して自転車に乗っている写真が掲載されているが、これも日本版では省かれている。

photo 米国サイトには自転車ナビの写真も

 その理由は、Appleマップが自転車ナビに未対応だからだと思われる。Google マップは既に自転車ナビに対応しているが、Appleマップはまだだ。米国でも全域が自転車ナビ対応というわけではないので、先は長そうである。

photo 日本はAppleマップの自転車ナビに未対応

 ともあれ、Apple Watch Series 7は399ドルから。音声で知らせてくれるサイコンがこの価格で手に入るというのはなかなかすごいことなのではないだろうか。筆者はもちろん手に入れるつもりだ。

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2021-09-15 22:23:00Z
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