(CNN) さいたま市にある刀鍛冶、下島房宙(しもじまふさひろ)氏(44)の作業場では、炉の中で炎が燃え盛り、大槌で鉄を打つ音が土間に染み入る。下島氏が鉄片を叩くと、火花が激しく舞い上がる。
下島氏はここで24年間、刀を作り続けている。下島氏と助手たちは全員、白い仕事着に身を包む。清さの象徴である白を身にまとうことにより、邪心や邪念が入らないようにするという。
高い引張強度を誇り、接近戦で威力を発揮する日本刀は、何世紀にもわたって日本で作られ、武士(侍)や貴族階級、武術家らに愛用されてきた。
武士階級が廃止され、さらに公の場での武器の所持が法的に禁止されてから長い年月が経過したが、刀鍛冶たちの古代から伝わる刀作りの技術は今も生き続けている。下島氏が作っている「守り刀」は、持ち主を病気や災難から守る幸運のお守りでもあるという。
古代から伝わる技術
刀が最初に作られたのは1000年以上も前のことだ。日本刀は刃先が上向きで、刀を抜いてから切るまでを1つの動作で行えるのが特徴だ。日本社会における日本刀の役割は大きく変わったが、刀作りのプロセスは今もほとんど変わっていない。
日本刀の刃は、玉鋼(たまはがね)で作られる。玉鋼は複数の層で構成され、層によって炭素含有量が異なる。下島氏はこの玉鋼を丹念に熱して柔らかくし、何度も折り畳むことによって中の不純物を除去し、炭素量を減らしていく。
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https://www.cnn.co.jp/style/arts/35127982.html
2019-05-01 09:55:00Z
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