外出自粛の時間つぶしにみなさんも是非! …って難ミッションすぎますね。
いまどきのデジタルファイルやCDの音質と比べると、アナログのカセットテープって臨場感とかサラウンド感とか、イマイチでしたよね。でも、実はカセットテープでも動画が録れるってご存知ですか? ユーチューバーのクリス・スリカ氏が超クレバーな実験をして、その様子をアップしているんですが、画質音質うんぬんはさておき、80年代に子供だった私にはかなり衝撃でした!
40代以上で、「昔から面白ガジェット大好きだった」という方はご記憶にあるかもしれませんが、80年代にアメリカのおもちゃ会社フィッシャープライスがPXL 2000 PixelVisionという、カセットテープを媒体にした子供向けのビデオカメラを発売しています。
通常の9倍も速くカセットテープを回して記録していたのに、それでも画質は超粗い白黒…。イノベーティブな商品とはいえ、肝心の動画がイケてないため、PXL 2000はヒット商品にはなりませんでした。
そして現代。クリス・スリカ氏は満を持して、カセットテープでの動画再生に再チャレンジ! ただ、別に「みんなもやってみて!」というものではなかったようで、手法はかなりマニアック。往年の高品質のテープレコーダー(ソニー製)の入力接続を使って、フルカラー動画をエンコードするというアプローチに打って出ました。
スリカ氏の住んでいる地域ではテレビ放送がPAL方式を採用しているので、彼は動画の容量を毎秒25フレームで解像度が768x576ピクセル、つまり毎秒1100万ピクセルと試算。そうなると標準のオーディオカセットテープがキャプチャできる容量をはるかに超えてしまっているので、画像の品質を落として妥協することに。
そこで768x576ピクセル、25フレーム/秒の動画を100x75ピクセル、5フレーム/秒にまで文字どおり粉砕。また、インターレースを実行してフレームレートを実質2倍にし、1フレームあたりのピクセル数を半減させました。
さらにカセットがステレオサウンド向けに2つのオーディオチャネルに対応している点に目をつけ、片方に白黒動画、もう片方のオーディオチャネルに色情報を入れる手法を見つけ出し、カラー動画も実現しました。
これだけ苦労してできた動画がついに公開! しかしそのレベルは「見られないほどではないけど…」という程度。しかもオーディオチャネルの2つともを映像データに使ってしまっているので、サウンドトラックはなし。
結局これがカセットテープの限界…。帯域幅の大きいアナログビデオ信号に対応するには、磁気テープのサイズと感度をあげる必要があることがあらためて判明しました。
結論としてスリカ氏は「だから、動画用にはビデオテープが発明されたんだね…」とまとめ。40年前の技術革新をコンパクトにトレースしてくれた実験に拍手…です!
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2020-04-18 11:00:00Z
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