Kamis, 07 Mei 2020

小惑星「りゅうぐう」、太陽接近の証拠 JAXAなど - 日本経済新聞

宇宙航空研究開発機構(JAXA)や東京大学などは探査機「はやぶさ2」の観測から、小惑星「りゅうぐう」が過去に太陽に近い軌道を回っていた証拠を見つけた。りゅうぐうの表面に広く存在する赤黒い微粒子が、過去に太陽によって焼かれてできたものだとわかった。小惑星の軌道変化を示す物的な証拠が見つかるのは初めてという。

成果は米科学誌サイエンス電子版に8日掲載された。

はやぶさ2は2019年2月、りゅうぐうに初めて着陸し、地表の物質を採取したとみられる。東大の諸田智克准教授らは着陸時に岩石の表面などに積もっていた大量の赤黒い微粒子が舞い上がったことに注目した。

りゅうぐうの表面は全体的に黒いが、肉眼では分からない程度の違いで赤っぽい場所と青っぽい場所がある。詳しく調べると、古いクレーターとその周囲は赤く、若いクレーターの内部は青いことが分かった。

クレーターの数や大きさなどから青い場所の年代を推定すると、りゅうぐうは800万年~30万年前の一時期に太陽に接近し、熱や風化の影響で表面の物質が赤く変化したことがわかった。現在の水星より太陽に近い軌道を回り、表面の温度は約600~800度まで上がったようだ。

これまで小惑星の軌道が惑星の重力などの影響で変化することはシミュレーション(模擬実験)で予測できていたが、実際の軌道変化の証拠を観測で見つけたのは初めてという。はやぶさ2が20年末に地球に持ち帰る予定の地表の物質を分析することで、赤黒い微粒子の正体や太陽の影響の解明が進みそうだ。

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2020-05-07 18:00:00Z
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