さらにディープなトラックメイクを、快適操作で。
Apple(アップル)が提供している音楽制作ソフト「Logic Pro X」。メジャーアップデートとなるバージョン10.5がやってきました。プレスリリースには「Logic Pro X 発表以来、最大規模のアップデート」とあり、気合の入れっぷりは相当です。
ビリー・アイリッシュと兄のフィニアスによる、Logicを使って自宅で作ったアルバムがグラミー賞を受賞したのも記憶に新しいこの頃。僕も10年近くLogicを使ってるいちユーザーとして、今回のアップデートにはかなりテンションが上がりました。
この記事ではいくつかの新機能を紹介しつつ、音楽制作ソフト(DAW)を使ったことがない人がLogicを選ぶ利点などにも触れていこうと思います。やぁっていくぜ!
ビートの一覧化「Live Loops」
同じくAppleのDAW「GarageBand」の既存機能である「Live Loops」が、プロ仕様となりLogicにも輸入。同時に既存のタイムライン画面とは別に、トラックごとのループを一覧できるグリッド画面が追加されました。もちろん、元のタイムライン表示に戻すこともできますよ。
使い方は、ループやサンプルをグリッドにドラッグするだけ。ドラッグされたループを再生(トリガー)するとリピートされ、ループを重ねたりパターンを変えることでトラックメイクができます。ヒップホップ的な音楽作りがより強化された感じです。
ループはWAV音源もMIDIトラックも円状のタイムラインに表示されます。拡大すると波形やノートが見え、モニタリングしなくてもなんとなくでフレーズがわかって便利。ダブルクリックでピアノロールやオーディオエディタを表示し、あとは従来の操作通りの編集が可能。
ループを用意し、フレーズや再生順序を決めたらパフォーマンスを録音。録音されたトラックは右側のタイムラインに記録され、これも従来どおりの編集が可能です。グリッドなしで同じような録音をしようとすると、どうも演奏性に欠けるスタイルになってましたからねー。新エフェクト「Remix FX」も併せると、ものの数分でアガれるダンスミュージックが作れてしまいますよ。
往年のEXS24が進化! 「Sampler」
親の顔より見てきた緑のウィンドウが、Logicから卒業。名前もどシンプルに「Sampler」と変わったので、「EXSどこいった!?」と慌てませぬよう。機能的には大幅進化し、エディットも読み込みも抜かりない現代サンプラーに仕上がっております。
基本的な使い方は一般的なサンプラーと大差ありません。特筆すべきはAppleならではの連携を活用した、ボイスメモからのダイレクト読み込みでしょう。
iPhoneで録音した音源をサンプラーに突っ込めば、無音部分のカットや鍵盤へのアサイン、ピッチ調整も即完了。サンプリングからアサインまで1分かかりません。とかく面倒だったサンプルの読み込みがここまで簡単になったら、録音欲も捗るってなもんです。
iOSデバイスはもはやコントローラーに
Logicをリモートで操作できるアプリ「Logic Remote」も、バージョン1.4にアップデート。Logic Pro X 10.5に対応しました。DAWのリモート操作は各メーカーががんばっているところですが、今回の連携は本当に見事な仕上がり。
「Logic Remote」の利点はマルチタッチ。フェーダーやエフェクトをマウスではなく指でなめらかに操作できるのがウリでした。そこに今回加わったのが、新機能である「Live Loops」のタッチ操作。すなわち、指で複数のループをパパっとトリガーできるのです。
これの何が便利って、マウスだとひとつずつカチカチ操作していたのが、指なら一瞬で済ませられるところ。スワイプすれば一括操作もできる。この挙動はもはやタッチ式のMIDIコントローラーであり、「Live Loops」によるパフォーマンスを強力にサポートしてくれます。上手く使えばライブパフォーマンスのように即興でビートを組むこともできますね。
この連携は、ソフトもハードも一貫して作っているAppleならではのシームレスさの賜物でしょう。遅延はほとんど感じませんし、何よりDAW作業においては腐り気味だったiPadを十全に活用できるのはありがたい。となると大画面の意味も出てくるし、マウス操作よりもスピーディかつなめらかな表現ができるはず。iPadはコントローラーになる、そう、Logicならね。
はじめてのDAWでLogicを使うなら
今回導入された「Live Loops」は、DAW初心者をサポートする意味でも意義深いと思います。従来のタイムラインは、複数のループを並列に聴き比べorエディットするには、この手のソフトへの基礎的な知識というか、コツが必要でした。なんならアプリとかの方がやりやすいくらい。
でも、「Live Loops」は目で見てわかる。今鳴ってるのはこのトラックのこのループで、8小節後にはこれを鳴らして…という、UIだけで判断できる部分が多くなったと感じました。ここからもう一歩突っ込んでエディット、エフェクト、録音とステップアップしていくのが良い流れかと。
#StayHomeで何か挑戦してみたい、Macで音楽を作ってみたいと思っているなら、Logicはオススメです。楽器が弾けなくても声や効果音を録音すれば、もう楽器の完成ですからね。それにお安いですし。
もっとクリエイティブに向き合うためのアップデート
紹介した機能の他にも、音源をスピーディに加工する「Quick Sampler」、ソフト音源「Drum Synth」、パワーアップした「Drum Machine Designer」、新しいステップシーケンサーなど、クリエイティブを加速させる機能が追加されています。詳しくはこちら。
今回のバージョンアップデートについてAppleの人とオンラインミーティングをしたのですが、音楽プロデューサーのJeff Miyaharaさんも同席されていました。「ミュージシャンシップが上がるプロダクトに仕上がっている」「これから先、数週間、数カ月後にリリースされる音楽がとても楽しみ」と、話されていましたよ。Logic歴は20年だそうな!
Jeff Miyahara
1977年ロサンゼルス生まれ,日本と韓国のハーフという多文化・多言語的なバックグラウンドを持つ。
数々のNo.1ヒットと4,000万以上のCD&デジタルセールスの実績を誇り、JUJU with JAY’ED「明日がくるなら」で2009年の日本レコード大賞・作曲賞を受賞。
2013年に自ら発掘した、クリス・ハートのトータル・プロデュース行い、その年に“輝く!日本レコード大賞”企画賞を受賞。
その他, 少女時代、EXO, 安室奈美恵、西野カナ、SMAP、三代目J SOUL BROTHERS、ONE OK ROCK、などに楽曲提供やプロデュース。
シンガポールにて音楽大学「Hitmaker Global Academy」の創業、東京スクールオブミュージック&ダンス専門学校(慈慶学園)にて「名誉教育顧問」就任など、幅広い活動域を持つ。
DAWはどうしても複雑なタスクが多くなりがちで、エレクトロミュージックでおなじみのウニョ〜ンとしたエフェクトをかけるのにも色んな要素をクリックしなくてはなりません。今回のアップデートはそうしたタスクを早急化し(そのためのRemix FX)、時間の節約がテーマのひとつとのこと。実際に操作してみても、操作性の向上が感じられました。
おうちレコーディングでも良い音楽が作れるのは、もう判明しています。でも、音楽ソフトの操作性がクリエイティブを奪うのはいかがなものか。そうした思想のもと生まれ変わった、Logic Pro X。ぜひとも、お試しあれ。
Source: Apple
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2020-05-15 12:02:00Z
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