人気ゲーム「フォートナイト」を手掛けるEpic Gamesのティム・スウィーニー最高経営責任者(CEO)がインタビューでAppleへの対決姿勢を改めて明確にしました。同ゲームはガイドラインに違反したとして、App StoreやGoogle Playから削除されています。
「我々には自由がある」
世界的な人気ゲーム「フォートナイト」がiOSとAndroidの両ストアから削除されたのは、AppleやGoogleを介さずにEpic Gamesへ直接支払いを行う選択肢をアプリ内て提示したためです。ストア経由でダウンロードされたアプリは、原則として30%をAppleないしGoogleに支払うガイドラインが設けられています。ところがフォートナイトは、そうした取り決めは不当なプラットフォームの独占だとして反旗を翻しました。
削除されることは予想されていたため、ただちにEpic GamesはAppleとGoogleに対して訴訟を起こしました。このうちAppleについて、ティム・スウィーニーCEOは「金銭以上に自由の問題だ」として、Twitterで対決姿勢を改めて明らかにしました。「根本的な問題として、我々が戦っているのは、スマートフォンを購入し、自分で選択したソースからアプリをインストールしたいと考える人たちの自由、望む形で配信するアプリの製作者の自由、そして両者を直接ビジネスする自由だ」
At the most basic level, we’re fighting for the freedom of people who bought smartphones to install apps from sources of their choosing, the freedom for creators of apps to distribute them as they choose, and the freedom of both groups to do business directly.
— Tim Sweeney (@TimSweeneyEpic) August 14, 2020
「一番訴えたいのは『スマートフォンメーカーは自分たちがやりたいように振る舞っている』ということだ。酷い考えだろう。我々には権利がある。そして権利を否定する者に対しては誰であれ、立向う必要がある。たとえ戦う相手がAppleのような愛すべき企業だとしても」
Appleばかり槍玉に挙がる理由
ティム・スウィーニーCEOがAppleばかりを槍玉に挙げることについては、疑問を呈する余地があるでしょう。というのも、先述したようにGoogleもAppleと同タイミングでストアからフォートナイトの配信を取り下げているからです。ところがEpic Gamesやユーザーの批判は、もっぱらAppleに集まっています。
確かにAppleの徴収するマージンは“Apple税”と呼ばれ、少なくないデベロッパーから問題視されてきました。米司法省が反トラスト法に違反していないか調査しているといった報道も出ています。Androidと異なり、iOSでは“野良アプリ(ストアを介さないアプリ)”のインストールもできません。そうした事実を踏まえれば、敵を絞ってユーザーを味方につけ戦う作戦にも理由がないわけではありません。
また、実質的にユーザーを人質にとってAppleに変革を迫る手法は強行的ですが、ユーザーの尊重を第一に掲げてきたAppleにとっては効果絶大なはずです。HomePodや「探す」アプリのサードパーティー開放を始めとして、Appleもビジネスモデルを改める段階に来ているということでしょうか。
ちなみにApp Storeからフォートナイトが消えたため、同アプリをインストールしたiPadがネット上では高額で取引されています。
Source:The Verge
(kihachi)
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2020-08-17 08:05:00Z
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