視覚トリックとか好きな人、チャレンジしてみて!
上の画像はステレオペア。3次元であるかのように裸眼で立体視できます。
やり方は、まず目の力を抜いて焦点をぼやかし、画像のさらに奥を覗きこむようなかんじで見つめます。寄り目ができる人はトライ。真ん中に三つ目の画像が現れたら、焦点をぼやかしたままで中央に三つ連なった星のうち一番てっぺんの明るい星を注視してください。
やがて明るい星が画面から1センチぐらい浮き出て、星空が後退したように見えてきませんか?スマホよりパソコンの画面のほうがやりやすいかも。
または、3Dメガネをお持ちの方はこちらの画像でもどうぞ。
壮大なスケールのズレ
NASAが2006年に打ち上げた宇宙探査機「ニュー・ホライズンズ」は、現在地球から70億キロメートルも離れて飛行中。あんまり遠いので、ニュー・ホライズンズから発信された電波信号が地球に届くのに6時間半かかる、とNASAのプレスリリースに書いてあります。
そんなはるか彼方の宇宙空間で見上げる星空は、地球からとは見え方が違うことが初めて実証されました。上の画像では、中央にきらめく三連の星のうち、一番上の明るい星の位置がズレています。ズレて見えるのはプロキシマ・ケンタウリ。左はニュー・ホライズンズが見た星空、右は地球から見える夜空です。
視差効果とは
星の位置が違って見えるのは、「Parallax(パララックス)=視差」によるもの。視差の原理は指一本でかんたんに試せます。
腕を体の前にまっすぐ伸ばして、指を一本立ててみてください(どの指でもかまいませんよ)。立てた指を見つめながら、片方の目を隠し、次はもう片方の目を隠し…という具合に交互に片目の視界をさえぎってみると、指の位置が微妙にズレて見えませんか。
これが視差効果。原理としては指と同じことがプロキシマ・ケンタウリの見え方にも影響しているわけですが、とにかくスケールが違いすぎます。
壮大すぎる視差実験
NASAの実験においては、立てられた指がプロキシマ・ケンタウリとウォルフ359というふたつの赤色矮星に相当していました。これらの星は地球から比較的近いところにあるものの、プロキシマが4.2光年、ウォルフが7.8光年離れています。
目と目の間の距離は、すなわち地球とニュー・ホライズンズとの距離。NASAはこの実験を去る4月に実行し、ニュー・ホライズンズに搭載された長距離望遠カメラでプロキシマ・ケンタウリとウォルフ359の画像を撮影しました。そしてタイミングを同じくして、地球でもオーストラリアと米アリゾナ州で同じ星を撮影し、双方の画像を比較しました。
すると、70億キロメートルも離れた場所から同じ星空を写すと、近距離の星だけが移動しているように見えることが見事に実証されました。ちなみに背景の星空が微動だにもしないのは、あまりに遠くにありすぎるからです。
宇宙は広い
「ニュー・ホライズンズ実験は、対象点との距離が過去最大の恒星視差が裸眼でも容易に確認できることを実証してくれました」とニュー・ホライズンズのプロジェクトメンバー、Tod LauerさんはNASAのプレスリリースで語っています。
また、同じくプロジェクトに関わっているAlan Sternさんは、「ニュー・ホライズンズが見ている星空は、わたしたちが地球から見ている宇宙とはまったく違うものだと言えるでしょう」とも。「そのおかげで、地球から近距離にある星たちが視覚的に移動することが目にもあらわになりました。」
恒星視差は昔から星との距離を測定するのに使われていたのですが、こんなにもハッキリと目で確認できたのは人類初めてのこと。あらためて宇宙のスケールの大きさに感嘆させられます。
そして太陽系もまた広い
ニュー・ホライズンズは現在時速5万700キロメートルで地球から遠ざかりつつ、太陽系の果てを目指しています。
2015年7月には人類史上初めて冥王星と衛星カロンに接近し、それまでの冥王星のイメージをくつがえす衝撃的な画像を次々と明らかにしました。2019年1月にはエッジワース・カイパーベルト内を漂う太陽系外縁天体、アロコスのフライバイによる観測を成功させています。
先をいくボイジャー1号・2号とパイオニア号を追いかけるように、ニュー・ホライズンズもいずれ太陽系を出て、星間空間に到達するでしょう。でも太陽系を出る前にはまず「オールトの雲」を抜けなければならず、最長で1.6光年もの距離を移動しなければなりません。
お隣りのプロキシマ・ケンタウリまでの距離が4.2光年。ということは、プロキシマまでの距離の半分近い距離をさらに移動しないと、太陽の重力圏からは抜け出せないことになります。もし無事に抜け出したとしても、それは何百年も先のこと。ここでも、あらためて宇宙の壮大さに言葉を失います。
Reference: NASA
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2020-06-26 14:00:00Z
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