韓国人女性のJang Ji-sungさんは、2016年に幼い娘のNayeonちゃんを血液の病気で亡くした。しかしJi-sungさんは今年2月、バーチャルリアリティ(VR)の中で娘と再会した。ドキュメンタリー番組のために、専門家がモーションキャプチャー技術を使ってNayeonちゃんを蘇らせたのだ。VRヘッドセットとハプティックグローブを身に着けたJi-sungさんは、デジタル技術で再現された娘と散歩し、会話し、遊んだ。
韓国では、ドキュメンタリー番組の中で、バーチャルリアリティで再現された何年も前に亡くなった幼い娘と、母親が再会した。
提供:MBS
Ji-sangさんは、VRでNayeonちゃんと再会した時のことについて、「本当の楽園かと思いました」と語った。「Nayeonに会いました。笑いながら私に呼びかけてくれました。短い間だったけど、とても幸せな時間でした。ずっと叶えたかった夢が叶ったような気がします」
かつてはSFの中だけの話だと思われていたが、最近では永遠の命に関心を持つ人が増えている。人間の体や精神を永遠に生き永らえさせようという話(Amazon Primeの新しいオリジナルコメディドラマ『アップロード』で模索されているように)の場合もあれば、自分や親しい人をAIを使ったロボットやチャットボットで再現しようという話の場合もある。問題は、それは許されることなのか、そして、もしやるとすれば、どのようなものであるべきなのかということだ。
不死性を巡る現代の議論は、人体を冷凍保存するというアイデアが出てきた1960年代に始まった。これは、死んだ人の体や頭部を冷凍保存しておけば、技術が発達した遠い未来には、その人を生き返らせられるかもしれないという考え方だ(死後に自分の体を冷凍保存した人はいるが、まだ生き返った人はいない) 。
英バース大学「死と社会センター」のディレクターであり、『Technologies of the Human Corpse』(人間の死体に関する技術)の著者であるJohn Troyer氏は、「当時、人間の死に関する科学に変化があり、人間の死は何らかの方法で克服できる可能性があると考えるようになりました」と話す。
しかし、人間の頭の中身をアップロードしたり、人体を永遠に生かし続けたりする方法を模索する試みに、数百万ドル規模の資金を投入してもよいと判断できるような査読付きの研究論文は存在しないという。少なくとも、現時点ではまだない。ただ、2016年に医学系学術誌「PLOS ONE」に掲載されたある論文では、保存された脳を化学的・電気的なプローブにかけることで、脳を再び(少なくとも一定程度は)機能させられる可能性があると指摘されているという。
「将来何ができるようになるかは、完全にギャンブルです」とTroyer氏は言う。「私個人は、(技術企業が)説明しているような手法が可能であるとも、望ましいとも思っていません」
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2020-06-24 22:30:00Z
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